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着物商人「レアなアイテム売ります買います!」7/9


 


着物商人「レアなアイテム売ります買います!」


496 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 04:23:52.39 ID:OWKwb3Xe0
剣士「……私は」

商人「んへ?」

剣士「私は今まで何かを奪いながら生きてきた」

剣士「生まれは分からない。多種族がお互いを支えあって生きていた集落に私は捨てられていた」

商人(意味ありげな事語り始めちゃったけどどうしよう……)

剣士「そこそこ幸せだったと思う、みんな私によくしてくれた」

剣士「だがある日、集落は襲われた。ある国の軍の侵攻によって、敵兵が潜伏している疑いがあるという理由でだ」





元スレ
着物商人「レアなアイテム売ります買います!」
SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServise掲示板





497 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 04:29:31.74 ID:OWKwb3Xe0
剣士「私の、私たちの生活がすべて奪われた」

剣士「水も食料も……命も」

商人「……」

剣士「それでもみんなは私を守った、幼かった私を守った」

剣士「……最後は私一人になった」

剣士「死にたくなかった。だから私は奪った」

剣士「アイツらが私たちから奪ったように、私もアイツらから奪ってやった」

商人「……何を奪ったんですか?」


498 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 04:37:08.06 ID:OWKwb3Xe0
剣士「一番初めはこの剣だ」

剣士「残り一人だった私に油断していた兵士から剣を奪うのは容易かった」

剣士「二番目に奪ったものは、その兵士の……命だ」

剣士「触ったことのない鉄塊で、鎧の隙間から肉を抉った」

剣士「苦痛の叫び声を上げる兵士眺めてから、その後の記憶は曖昧だ」

剣士「気が付いたら集落からかなり離れた場所。返り血だらけ、辺りには屍」

剣士「全部私がやったらしい……覚えてはいないが」

剣士「それからずっとだ、私は一人で生きてきて、人から奪って生きてきて」

剣士「この折れてしまった剣とずっと一緒に……」


499 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 04:43:22.10 ID:OWKwb3Xe0
商人(碌な手入れが出来なくてずっと使い続けりゃそりゃ酷くボロボロにもなりますよねぇ)

商人「……って攻めてきた軍隊一人でやっつけちゃったんですか!?」

剣士「いや、私が殺していたのはほんの数人……か」

剣士「その時私を眺めていた奴がいたが……おそらくそいつが他の連中をやったんだろう」

剣士(そう、忘れはしない。あの光景、あの"魔王"の姿……)

商人「それ、思い入れがある剣なんですね?」

剣士「思い入れかどうかは分からないが、私のルーツでもある。手放したくはないと思っている」


500 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 04:48:24.55 ID:OWKwb3Xe0
剣士「……だが最近、分からないことが出来た」

商人「分からない事?」

剣士「私は奪って生きてきた、のに」

剣士「私に与えていた者もいたことに気が付いた」

商人「与えていた?なんですかそれ?」

剣士「行く先で私に菓子をくれた子供もいた」

剣士「見も知らぬ私に肉まんをくれた老人もいた」

剣士「お前から剣を奪おうとしたハズなのに、お前に命を与えられていた」

商人「あー……」


501 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 05:00:40.06 ID:OWKwb3Xe0
剣士「解せない」

剣士「私は奪う事しか知らない。奪うか奪われるかの二つしかないと思っていた」

剣士「なのに、お前は……」

商人(そっか、この娘は……だとしたら、今までの行動も)

剣士「恩は返せと昔教えられていた。だが、返し方が分からないんだ。教えてくれるみんなももういない」

商人「いいんですよ、そんな事」ダキ

剣士「?」

商人「不器用ですねぇまったく」ナデナデ

剣士「お、おいやめろ。気持ち悪いぞ」

商人(奪うことでしか生きてこれなかった。与えられる事を知らなかった)

商人(そんな風に生きていたら分からないですよね、相手に何かを与えるという事も)ナデナデ

剣士「……」

商人「いつかきっと、あなたにそれを教えてくれる人は現れるハズです」

商人「いいえ、悩むことが出来るのならば、きっとあなたは答えにたどり着けますよ」

商人(この娘のせいで命の危険に晒されたのに、どうしてこんなに愛おしく感じるんでしょうねぇ)

剣士「……お前、温かいな」





竜少女「キマシタワーなのじゃ!!」ガラガラッ!

少年「この瞬間を待っていたんだ!!」

商人「ここでぶち壊すか!?」



506 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/11(木) 23:57:07.48 ID:TQEkbZc70
商人「ってか有らぬ勘違いをしないでくださいね!?そういうのじゃないですから!」

竜少女「随分男っ気が無いとは思っておったが、まさかまさかのどんでん返しじゃのう」

少年「大丈夫!俺は男じゃなければねーちゃんが誰と付き合っていようと構わないから!」

商人「お前は黙っていろ」

剣士「こいつらは何の話をしているんだ?」

商人「ああ気にしないでくださいね?この人たちはちょっと頭おかしいんです」

剣士「私は女同士の関係などには興味ないがな」

商人「あれ!?理解しちゃってた!?普段はおバカなのに!?」


507 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 00:02:56.35 ID:KbXGVxDH0
剣士「バカなのは理解している、それよりも斬姫くれ」

商人「唐突だな!?渡さないよ!?」

剣士「チッ、同情を誘えば乗っかってくると学んだのだがダメか」

商人「ちょっと待てや、今の話全部ウソかよ!」

剣士「……嘘はついてはいない、実際は気まぐれに話しただけだ」

商人「そ、そうですか?あなた本当によくわかりませんね……」

剣士「……」

剣士(何故私は昔話をこの犬にしたのだろうな……)

剣士(……斬姫以外にも私はコイツに何を求めているんだ)


508 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 00:07:42.52 ID:KbXGVxDH0
騎士「お前らウルサイなホントに……」

竜少女「ぬお!男子禁制じゃぞ、何しに来おった!」

少年「男は出てけよ!俺以外!」

騎士「……突っ込むべきなのか?」

少年「ナニを突っ込む気だ!?」

竜少女「お、男同士でそういうのはワシはちょっと……」

商人「あなた達仲イイですね」

少年「そっち方面で意気投合!」

竜少女「うむ!そっち方面じゃ!」

商人「どっち方面!?」

剣士「お前は散々だな」

騎士「言うな、いつもこんな感じなんだよ……」


509 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 00:15:57.49 ID:KbXGVxDH0
騎士「それよりも、鍛冶師の事だが……」

剣士「いるのか?」

騎士「いつ都合が付くか分からんが、腕のいい奴が知り合いにいるんだ」

竜少女「じゃがあの仮面はしばらくこっちに顔を出せんじゃろう」

騎士「あー、まぁな」

剣士「それではダメだ、今すぐに剣を治さなければならん。このままでは戦えん」

竜少女「戦えないと言うてものぅ……」

騎士「言っちゃ悪いがその剣はもう使い物にならんぞ?」

剣士「……そんな事は……治してみなければ分からんだろう?」

少年「ねーねー、ねーちゃん。あの人紹介したら?」

商人「あの人……ああ、そういえばこの宿に居ましたね、鍛冶師」


510 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 00:19:37.02 ID:KbXGVxDH0
剣士「本当か!」

商人「え、ええ、隣の部屋に……」

剣士「行ってくる」

騎士「おいちょっと待て!突飛押しも無く押しかけるのは迷惑だろ!」

竜少女「聞きもせんと行ってしもうた」

商人「あちゃー、こうなる事は予測できたのに何やってんだ私」

竜少女「都合よく押し付けられたとか内心考えてないじゃろうな?」

商人「……てへっ☆」


511 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 00:23:09.77 ID:KbXGVxDH0
商人(しっかし……)

商人(あれだけ私の斬姫に拘ってたのに、いざ自分の剣が折れたらこっちに目もくれずに付きっ切りですねぇ)

商人(それだけ大切にしてきたってことですか)

商人「……つーか金の問題解決してないよね?」

竜少女「本気で修理することしか頭に無いみたいじゃの」

騎士「それでも金の事を忘れるか?」

商人「あの娘なら忘れかねませんね」

少年「おねーさんちょっとバカぽいもんねー」

……


512 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 00:28:38.28 ID:KbXGVxDH0
剣士「失礼する」ガチャ

眼帯少女「……」

剣士「……」

眼帯少女「……久しぶり」

剣士「?」

眼帯少女「……何の用?」

剣士「鍛冶師がいると聞いた、コイツを治してもらいたい」

眼帯少女「……まだ使ってたんだ、その剣」

剣士「??」

眼帯少女「……私の事覚えてる?」

剣士「すまん、どこかで会ったことがあるか?」

眼帯少女「……私の素顔を見て驚かれるより存在を忘れられる方が辛い」グスン


513 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 00:38:31.58 ID:KbXGVxDH0
剣士「そんな事はいい、お前が鍛冶師か?そうならコイツを治せ」

眼帯少女「……とうとう折れたんだ」

眼帯少女「……何で自分に合わない剣を使い続けるの?」

剣士「何故そんな事を聞く?お前には関係ないだろう、私の勝手だ」

眼帯少女「……だったら新しいのを買ったら?いくつか紹介してあげるけど?」

剣士「嫌だ、コレがいい」

眼帯少女「……あなたがあの商人から刀を奪おうとしていると聞いたけど?」

剣士「それとこれとは別だ、あの剣が私を呼んでいるんだ」

眼帯少女(……呼ぶ?……なるほど、魔刀持ってるんだ、彼女)

剣士「今はそれよりもコイツを治せ」


514 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 00:46:14.15 ID:KbXGVxDH0
眼帯少女「……直してどうするの?」

剣士「また使う、それ以外に何がある?」

眼帯少女「……その剣は既に死んでいる、何の魔法も施されていない一般の剣」

眼帯少女「……拘る理由は知ろうとは思わないけど、そんなに大事ならなんでもっと大切に使わなかったの?」

剣士「使い方など私の勝手だ!!コイツはまだ死んでなどいない、だから"治せ"!!」

眼帯少女「……剣を持たないあなたに脅されたところで何も怖くは無い」

眼帯少女「……もう少しだけ武器の声を聞いて、そうすれば分かるハズだから」

剣士「何が分かる……武器は物言わぬ鉄塊だ!」

眼帯少女「……その鉄塊はあなたに語りかけていたはず、聞こうとしなかったのはそっち」

剣士「訳が……分からん」


515 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 00:50:10.12 ID:KbXGVxDH0
眼帯少女(……私も言ってて訳が分からなくなってきた)

剣士「……この剣は私なんだ……死んでなどいない……まだ……」

眼帯少女「……」

眼帯少女「……貸して」

剣士「治してくれるのか!?」

眼帯少女「……それを決めるのはあなたのこれからの行動」

剣士「?」

眼帯少女「……そう、いいこと思いついた。うん、傑作」

剣士「さっきから気味が悪いなお前」


516 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 00:56:20.68 ID:KbXGVxDH0
商人「はーい、そこまでそこまで!あんまり他人に迷惑かけちゃダメですよー。あ、お邪魔しまーす」ガチャ

剣士「なんだ?」

商人「なんだじゃないでしょうが!あなたが騒いだりしたら私が怒られることになってるんですよ何故か!」

騎士「連れてきたのはアンタのようなもんだからな」

商人「えぇい!茶々を入れるな鬱陶しい!」

眼帯少女「……彼女に刀を譲ってもらって」

剣士「なんだと!?」

商人「はい?」

眼帯少女「……暴力や強奪はダメ、ちゃんとした形で彼女から刀を譲ってもらえればこの剣を修理してあげる」


517 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 01:00:26.89 ID:KbXGVxDH0
商人「ちょっと待って!なんで私が引き合いに出されてるんですか!?」

眼帯少女「ダイジョーブダイジョーブ」

商人「おかしいだろ明らかに!?」

剣士「……分かった」

商人「なぬ!?」

剣士「そいつから斬姫をもらえれば治してくれるんだな?」

眼帯少女「……うん、約束する」

商人「渡さないよ!?何があっても万が一にも!欲しけりゃ金出せ原価の3割増しで!」

剣士「難攻不落だな」

眼帯少女「……ボッタくりよくない」

商人「チクショウ!付きまとわれる理由がなんかエスカレートしちゃってるじゃないですか!」


518 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 01:07:00.32 ID:KbXGVxDH0
剣士「どのみちお前には礼をしなければならないんだ、そのついでだ」

商人「ついで!?何であなたのお礼のついでに私の斬姫を譲らなきゃいけないんですか!?」

眼帯少女「がーんば!」

商人「こんな時ばっかりあなた…(三点リーダ)つかなくなりますね!?」

剣士「任せろ、お前の為に何でもするぞ。肩もみか?肩もみでいいな?」モミモミ

商人「やめろ!そんなことを積み重ねたところで私の心は揺るがないよ!?あ、気持ちいい」


竜少女「妄想が捗るのう!」

少年「いいよね!女の子万歳!」

母「ウフフ、R指定ですか?」

怪人男「ウホホ!生百合ですよ生百合!」

騎士「お前らどっから湧いて出た……」

――――――
―――



519 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 01:11:20.65 ID:KbXGVxDH0
商人「ふぁぁ……眠ッ」ガチャ

眼帯少女「……何でいきなり無断で入ってきた?」

商人「地味に怒ってるからですよ、今にも飛び蹴りを浴びせようとしてるくらいには」

眼帯少女「……他の人たちは?」

商人「何時だと思ってるんですか?皆寝静まってますよ」

眼帯少女「……何か用?」

商人「色々と文句を言いたいのと、聞きたいことが少々ですね」

眼帯少女「……文句は聞き流す、質問は答えられる範囲でなら」

商人「いや、文句聞き流すなよ」


520 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 01:19:48.81 ID:KbXGVxDH0
商人「まぁいいや、文句と質問先にどっちかた聞きたいですか?」

眼帯少女「……質問から聞く」

商人「私の斬姫の事、どこで聞いたんですか?あなたには話していないハズですが?」

眼帯少女「……前の列車の時にあなたが刀を持って逃げていたのを見たから、彼女にカマをかけただけ」

商人「なんか信用できませんが……」

眼帯少女「……深くは知らないけど適当に話を合わせてたら色々と合点がいっただけ」


521 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 01:24:04.44 ID:KbXGVxDH0
商人「んー、まぁそれはそれとしておきましょう」

商人「もう一つ、なんで私が刀を譲ることをその剣を直す事の条件にしたんですか?」

眼帯少女「……そうしたら彼女のやる気も出るだろうし面白そうだったから」

商人「私たちはあなたのおもちゃにされたと!?」

眼帯少女「……嘘。本当は彼女にはこの剣を手放してもらって、本来持つべき武器を持ってもらおうを思っただけ」

商人「で、その持つべき武器ってのは」

眼帯少女「……あなたの言う斬姫」

商人「言うと思いましたよ……」


522 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 01:36:55.32 ID:KbXGVxDH0
眼帯少女「……そもそもこの剣からは訴えかけるように何か強い思念を感じる」

眼帯少女「……彼女はそれに気づかないで、ずっとこの何の変哲もないような剣に縛られている」

商人(さっきの話が本当の事だというのなら……手放せない気持ちもわかりますけどね)

眼帯少女「……この剣を自分とも言っていた。それじゃあ、ずっと自分を傷つけて酷使してきたことになる」

商人「自分と重ねてるんですね、今までの人生奪って生きてきた。奪った剣、奪われた命、それを心のどこかで良しとしていない事」

商人「本当に気にしてないなら誰かに何かを与えられることで葛藤なんてしませんよ」

眼帯少女「……よく語る」ニヤニヤ

商人「べ、別に深い意味は無いですよ?ただ、ちょっと生い立ちを知っちゃっただけで……」アセアセ

眼帯少女「……彼女の事、嫌い?」

商人「嫌いです」キッパリ

眼帯少女「……流れ的にはもう少しデレることこなのに」


523 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 01:42:21.32 ID:KbXGVxDH0
商人「ま、お礼はしたいだの改まった態度で接してただのでちょっとは見直しましたけど」

眼帯少女「……話せばわかる人」

商人「いや、それは無い、マジで」

眼帯少女「……でも放っておけない、という感情は芽生える。もう少しだけ彼女を見てあげていて」

商人「それはあの娘が諦めるまで面倒見ろと?」

眼帯少女「……まぁ、渡したくないのなら上手く切り抜ける方法でも考えておくといい」

商人「無責任だなぁもう」


524 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 01:46:19.13 ID:KbXGVxDH0
商人「それじゃあそろそろ文句の方を……」

眼帯少女「本日は閉店いたしました、またのご来店をお待ちしております」

商人「饒舌だなおい!?逃げんなよ!?」

眼帯少女「」クカースピー

商人「早ッ!もう寝ちゃってるよ!」

商人(ま、言っちゃった事は覆りそうにないですし、しばらくは様子見ですかね)

商人(幸い竜さん達がいるのである程度は安全だと思いますけど……)

商人(ところで、この方のお連れの方々はどこ行っちゃってるんでしょうか?朝見たっきりですけど……)

――――――
―――



525 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/12(金) 02:06:23.87 ID:KbXGVxDH0
黒髪少女「……本気でタチが悪いですね」

金髪少女「どうした?いつものお前ならとっとと片づけているハズだろ?」

黒髪少女「あのウサギ、今日に限って現れないとは」

金髪少女「あれだけデカいならとっくに見つかっていてもおかしくないのにな」

黒髪少女「御給金でないのに私たちはこんな夜中まで上空の散歩ですよ、まったく勝手なんですから!」

金髪少女「冒険者ギルドに直接抗議しに行け、安請け合いしたお前も悪いが……」

黒髪少女「すぐ終わると思ったんですよ!大きければすぐ見つかると思って」

金髪少女「しかし妙だな、今まで少なからず報告されていたにも関わらず、急に積極的に討伐に乗り出すとは」

黒髪少女「それも、まだ依頼所に出ていない討伐依頼みたいですしね」

黒髪少女「フリーで動ける私たちを使っているのがまた何とも怪しいですね」

金髪少女「あーあ、なんでこんなことになんたんでしたっけ?」

黒髪少女「……ごめんなさい」

金髪少女「先の列車事故でお前が無茶して私たちの事がバレなければ、ギルドのほうでもみ消してもらうなんてことも無かったろうに」

黒髪少女「もう!謝ってるじゃないですか!」

――――――
―――



530 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/17(水) 01:49:13.90 ID:tzhhetFG0
――――――
―――


翌朝

商人「はぁ!?着いてくるなと!?」

竜少女「うむ、さすがに今回の件は戦う術のないお主を連れて行くわけにはいかんからのう」

騎士「前の……列車でそいつに襲われた時もそうだったが、俺たちが常にお前を守れる程強いわけじゃないからな」

剣士「フンッ……」

商人「まぁ足手まといになるのはわかりますが、手伝うと決めてしまった手前どうにも」

竜少女「すまんのう、ワシらか連中からの指示を待っていてくれ。ひょっとしたら何か入用になるやもしれんし」


531 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/17(水) 01:53:25.92 ID:tzhhetFG0
騎士「と、言うわけで、森の調査に進展があるまで待機しといてくれ」

商人「本音を言ってしまうとホッとしているんですけどね」

竜少女「ぶっちゃけたのぅ」

商人「あ、そうだ。私は戦えないですけどこの娘は戦力になるんじゃないですか?連れて行ってください」ズイッ

剣士「私は剣がないから戦えんぞ」

竜少女「生憎じゃがその者はワシも傍に置きたくない」

騎士「もう氷漬けは嫌だお……」ガクブル

商人「ついて行かなくても私の安全が保障されない件について」


532 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/17(水) 01:57:07.37 ID:tzhhetFG0
剣士「なんでだ?何かあったら私が守ってやるぞ?」

商人「あなたに襲われる危険性が高いんですよ、わかってますか?」

剣士「?」

商人「わかってないねその顔は!」

竜少女「以前のような敵意は感じぬから大丈夫だとは思うがの……多分」

騎士「交わした約束は守りそうな性格をしているもんな……多分」

商人「そこは自信を持って言ってくださいよ!?」

騎士「だってねぇ?」

竜少女「だってのぅ?」


533 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/17(水) 02:01:35.18 ID:tzhhetFG0
剣士「話は掴めんが、わかった。今日一日お前を守ればいいんだな?」

商人「いつそんな話をした!?」

剣士「任せろ、剣は持たないが暴漢程度なら氷漬けにして見せよう」

騎士「ヨカッタナー念願ノ護衛ガ見ツカッテー」

商人「色々と丸投げかよチクショウ!」

竜少女「丸投げというかそれはお主の問題であってワシらは何も関係ないような……」

怪人男「ではお二方、そろそろ私の能力でワープしますけど準備はよろしいですか?」

商人「あ、いたんですか」

怪人男「とうとう空気扱いですか」


534 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/17(水) 02:17:01.28 ID:tzhhetFG0
商人「気を付けてくださいね?危ないと思ったらすぐに逃げるんですよ?」

竜少女「言われずとも分かっておる、吉報を待っておれ」

竜少女「……あのウサギ、何も関係なければいいのじゃが」

商人「はい……」

怪人男「じゃあ飛びますので私につかまってくださいね~」

騎士「人を連れての転移は安定しないって聞いたけど、まさか転移先が地面の中とか空中とかだったりはしないよな?」

怪人男「……飛びますよ~」

騎士「おいちょっと待て!?何か言えよ!?」

怪人男「質問は受け付けませんよ?ハイ3・2・1!」ビュン


商人「あーあー……不安要素残して行っちゃったよ」

剣士「?」

商人「そんななんで?って顔して首を傾げないでください可愛いなぁもう」


535 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/17(水) 02:24:32.05 ID:tzhhetFG0
少年「おーい、そろそろ朝食できるよー……ってあれ?ねーちゃん達だけ?」

商人「ありゃりゃ、間が悪かったですね。ってかあの人たちも一声かけて言えばいいものを」

剣士「3人いなくなったな」

少年「げっ、野郎二人と大食らいが一人いたから母さん結構多めに作ってたよ」

商人「散々な言い方ですね」

少年「ま、いいか。残った分はみんなの昼食に出せば」

商人「おい、客の前でそういうこと言うなよ」

剣士「残さん、全部食うぞ」

商人「そこ張り合う必要ないですよ!?」


536 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/17(水) 02:31:21.29 ID:tzhhetFG0
……

母「あら、皆さん早くに出て行かれたんですね?朝食も取らずに大丈夫でしょうか」

剣士「まったく、礼儀を知らん連中はこれだから」モグモグ

商人「お前も大概だっての」

眼帯少女「……残すのはもったいない、可能な限り食べる」モグモグ

剣士「おかわりだ」カラン

少年「おねーさんよく食べるねぇ」

剣士「食えるときに食ってエネルギーを蓄えないと強くはなれないからな」

少年「おぉ、強者のオーラが……」キラキラ

商人「逆に言うと食える時が少ないような物言いですが」


537 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/17(水) 02:36:46.03 ID:tzhhetFG0
黒髪少女「……た、ただいま戻りました……」ガラガラ

金髪少女「うう……」

母「あら、お帰りなさいませ……目の下にクマが出来てますが大丈夫ですか?」

金髪少女「大丈夫です、1日寝ないくらいは……」

黒髪少女「一晩中走り回ったり飛び回ったりでここまで消耗するとは……最近基礎トレーニングをサボっていたツケが回ってきましたね……」

母(と、飛び回る?)

眼帯少女「……お帰り、収穫は?」

金髪少女「残念ながら皆無ですね……」

黒髪少女「私たちも朝食いただけますか?」

母「あ、はい!ちょうど3人分キャンセルが出たのですぐにご用意できますよ」

金髪少女「お、お願いします……」


538 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/17(水) 02:43:38.29 ID:tzhhetFG0
黒髪少女「あら?そちらの青髪の方は……」

金髪少女「確か列車でお会いしましたね?」

剣士「なんだこいつらは?」モグモグ

商人「いや、前会わなかったの!?ってか確実に会ったよね!?」

剣士「戦わなかった奴とか弱かった奴は基本的に覚えていない。コイツらがどっちかは知らないが」

商人「頭大丈夫か!?ほんの数日前だぞ!?」

剣士「頭……髪なら気を使っている方だが何か?」

商人「もうダメだ、まともに会話すら成り立たねぇ」

剣士「それは流石に冗談だ……覚えていないのは本当だが」

黒髪少女「そう……それは残念ですね」

眼帯少女「……弱い奴は覚えてない……グスン」


539 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/17(水) 02:48:18.68 ID:tzhhetFG0
商人「そういえば、あなた達やたらと別行動してますけど何かしてるんですか?」

黒髪少女「フフッ、大人の女性の夜はトップシークレットなのですよ?」

少年「おぉ、アダルティ!」キラキラ

金髪少女「夜通しで依頼をこなしていただけでそんな変なことはしてないですからね!?」

剣士「で、そこの眼帯女は戦力にならないから置いて行ったと?」

黒髪少女「そんなことはありませんけど……色々危険ですしねぇ?」

金髪少女「そう、安全第一ですよ?うん」

眼帯少女「……その遠回しの優しさが心に刺さる」グスン


540 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/17(水) 02:54:01.52 ID:tzhhetFG0
黒髪少女(と、濁して言いましたが)

金髪少女(まだ公開されてない情報なんだ、口が裂けても言うなよ?)

黒髪少女(上から圧力をかけられていると煩わしいですね、普段ならサクッと圧力かけてる人ごとやっちゃうんですが……)

剣士「ごちそう様」

少年「はーいお粗末さまでした。おねーさんはこれから予定ある?なかったら俺と二人でいいことしない?」

商人「ここまで来るともう清々しいレベルだなおい」


541 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/17(水) 03:05:41.85 ID:tzhhetFG0
剣士「予定は無い、が。私はこの犬から剣を貰えるように頑張らないといけないからな」

商人「狼です、いい加減に覚えろ。そして渡さないと言っているだろ!」

剣士「ホレこんな状況だ、少し剣を振るいたくても物がないのではどうしようもない。さて、何をすべきかな」

少年「……ねえ、今することが無いのなら俺に剣を教えてよ!」

剣士「え……なぜ私が?」

少年「昨日のおねーさんの戦い見てさ、俺やっぱり将来冒険者になろうと思ったんだよ!」

少年「あんな風にかっこよく俺も剣を振ってみたいんだよ!」

剣士「わ、私にはやることが……」

商人「ここに居たって私の気持ちは変わらないですし時間が無駄に過ぎていくだけですよ?だったらほかに有意義な過ごし方はあるんじゃないですか?」

剣士「しかし、剣が無いではないか……」

少年「ちょうどいい木の棒とかあるからそれでいいでしょ?ね?教えてよー」

剣士「それは困る、私は誰かに物を教えたことなんて……おい、押すなこら!」

少年「いいからいいから!庭に行こう!」

剣士「た、助けろ!こういう時どうすればいいかわからん!」



商人「いやー、ああいう初々しい反応って可愛いですねぇ」

黒髪少女「体よく厄介払いしましたね、あなた」



545 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/19(金) 23:29:25.42 ID:7P0C3zdf0
商人「いやぁ、ほかっておいたら絶対私にまとわり着いてきますからねぇ」

黒髪少女「それはそれは、よく好かれるのですね?」

商人「あんなのに追い回されたらたまったもんじゃないですよ」

黒髪少女「でもまぁ、人の出会い、縁は大切にすべきですよ?あの娘の場合はもうあなたに敵意は無いみたいですし」

商人「簡単に言ってくれますね?何度か殺されかけたんですよこっちは……」

商人「おまけに取引に勝手に私の刀をダシにしちゃう人もいますしね?」

眼帯少女「今日も元気だ飯がうまい!」

商人「おい、ごまかすな」

眼帯少女「……でも、物は考えよう」

商人「お?」


546 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/19(金) 23:53:20.05 ID:7P0C3zdf0
眼帯少女「……今彼女はあなたから刀を譲ってもらおうと色々と考えているハズ」

眼帯少女「……それ故に、彼女はあなたの言うことに絶対服従」

商人「そういえば私の言うことは素直に聞いてくれますねぇ」

眼帯少女「……そう、だから今の状況を逆手にとってあんなことやこんなことをしたり……ぐへへ」

商人「私が男だったらそうしたんでしょうけど残念ながらそっちの気はありません」

商人「ですが……ふむ」

金髪少女「何か考えが?」

商人「ま、しばらくはコキ使えるって事でしょうね」

黒髪少女「普通はそう考えますね、やっぱり」


547 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/20(土) 00:16:27.67 ID:zfOxTZSK0
……

少年「おねーさん!構えとかあるんでしょう?こう、天地魔闘的な」スィー

剣士「……それは反撃の構えな上に剣は関係ないぞ」

剣士「ともかく、私の剣術に構えなど存在しない、我流だからな」

少年「おお我流!かっこいい響き!」

剣士「覚えたければ見て覚えろ、私は人に物を教えることは得意ではない」

少年「うんわかった!じゃあ見てる!」

剣士「……」ブンブン

少年「……」ワクワク

剣士(やはり、棒切れを振り回しているだけでは無意味だな。もっと重く、形状が剣に近いものの方が……)

少年「……」キラキラ

剣士(……見られているとどうもやりにくいな)


548 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/20(土) 00:20:36.67 ID:zfOxTZSK0
剣士「……あまり見つめられると集中出来ん」

少年「え?だっておねーさん見て覚えろって言ったじゃん」

剣士「そこまで熱の籠った眼差しをしなくてもいいだろう」

少年「だってカッコいいもん。昨日助けてくれた時なんて特に」

剣士「よくわからん……助けたのだって偶然に過ぎん。必要ならばお前を餌にしてまで勝とうと思っていたがな」

少年「うぇ、マジで?」

剣士「大マジだ、運が良かったな」


549 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/20(土) 00:25:31.30 ID:zfOxTZSK0
少年「そうだね、運が良かった。だからこうしておねーさんから剣を教わろうとしてるし」

剣士「私からは教えようとはしないが……なぜお前は剣に憧れる?カッコつけたいだけなら他にも色々と出来ることがあるだろう?」

剣士「剣を持つ以上、それにはリスクが付きまとう」

剣士「相手を殺すか自分が殺されるか、この二つだ」

少年「カッコつけたいだけじゃないよ、別に……」

少年「それに、何も殺し合いだけじゃないでしょ?そういうの」

剣士「形式ばったものは所詮はお遊戯だ、剣は……いや、武器は人を殺すためにある」


550 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/20(土) 00:32:04.01 ID:zfOxTZSK0
少年「……俺の父さんさ、冒険者だったんだ」

剣士「ん?」

少年「でも、昔にまだ赤ん坊だった俺を魔物から助けるために体を張って守ったんだ、それで死んじゃったんだって」

少年「父さんはお世辞にも強かったり、凄い冒険者とまではいかなかったらしいけどさ」

剣士「……弱い父親のように死にたくはないと?」

少年「違うよ!……ううん、結果的にはそうなのかな」

少年「ただ、俺が強くなれば守れるものが増えるでしょ?」

少年「友達だって母さんだって、これから出会う人たちも全部……」

剣士「……守る剣では強くはなれん」


551 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/20(土) 00:38:03.12 ID:zfOxTZSK0
少年「そんなことは……ッ!」

剣士「ある!相手を倒すことだけを考えればいい、他の考え事なんて不要だ」

少年「……おねーさんは、守りたいものが無いの?」

剣士「……そんなもの、とっくの昔にすべて奪われた……」

剣士「私は自分が生きるために剣を振っている」

剣士「……私のことを師事するな、そもそもの考え方が違うから何の参考にもならん」


552 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/20(土) 00:46:08.70 ID:zfOxTZSK0
少年「俺は……」

黒髪少女「随分な物言いですね?まるでこの世の全てを知っているかのような……」

商人「物陰から見てましたが子供にそういうこというのはちょっと大人げないんじゃ……」

剣士「居たのか……お前たちには関係あるまい、現実を突き付けてやっただけだ」

商人「昔は守りたかったもの、あったんですよね?それってひょっとしてあなたを拾ってくれた……」

剣士「……みんな、弱かったから死んだ。私を守ろうとしたから死んだ」

剣士「いっそ、初めから何も無いほうがやりやすいだろう」

黒髪少女「確かに、一理ありますね」

商人「同意するのかよ!?」


553 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/20(土) 00:53:29.11 ID:zfOxTZSK0
黒髪少女「でしたら、今のあなたはどうですか?」

剣士「今の私……?」

黒髪少女「そう、同じ状況で今のあなたが剣を持っているとします」

黒髪少女「力を持っていれば、誰も死なずにすんだ、みんなを助けられた……違いますか?」

剣士「そんなもしもの事など知らん。例え剣を取ったとしても私は守るために戦う訳ではない」

商人「強情ですねぇ……」

剣士「事実だ、不要なものは切り捨ててきたつもりだからな」

少年「それでも……」

剣士「なんだ?」

少年「それでも俺は、おねーさんに助けられた」


554 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/20(土) 00:59:21.09 ID:zfOxTZSK0
剣士「まだそんなことを……結果に過ぎんだろう」

商人「その結果で、あなたは人ひとり救ってるんですよ?大したもんですよ、私には出来ません」

剣士「お前は私の命を救った、お前もやっているだろう」

商人「それこそただの結果論です。私、人殺しはしたくないですから」

剣士「屁理屈を……」

商人「屁理屈垂れ蔵はあなたです、あなたの剣は誰かを守れるほどに強いんですよ?」

商人「だったら、何かを奪うだの奪われるだのと言わずに、それを認めて今後そう生きていったらいいじゃないですか」

剣士「……へりくつたれぞう?」

商人「そっちかよ!?今真剣な話してたのにそっちに流れるのかよ!?」


555 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/20(土) 01:07:57.27 ID:zfOxTZSK0
黒髪少女「ま、そう易々と生き方を変えろと言う権利は私たちにはありませんが」

商人「アンタはアンタで私を否定かよ!?」

黒髪少女「あなただって子供じゃないんでしょ?もう少し賢い生き方をしてくださいな、見てるこっちがもどかしい」

黒髪少女「不器用なのは仕方ないですが、誰もかれもが敵かのように見ていては落ち着けないでしょう」

剣士「一番胡散臭そうなお前には言われたくはないな」

黒髪少女「あら?そんなに胡散臭かったですか?」

剣士「私が出会ってきた強者はみな飄々としている連中ばかりだった……お前には同じようなものを感じる」

黒髪少女「私からはさぞ素敵なオーラにじみ出てるんでしょうね」

剣士「……ああ、ドス黒いものがヒシヒシと伝わってくる」

商人「おーい、訳わからん会話で私を置き去りにするなー」

少年「俺もいるぞ!」


556 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/20(土) 01:13:29.48 ID:zfOxTZSK0
剣士「あと、一つ訂正させろ」

剣士「私はまだ14だ、大人と言うにはまだ早すぎる気もするが」

商人「!?」

少年「!!?」

黒髪少女「あら……あまりにも大人びて綺麗だったので、これは失礼しました」

商人「ウソだろ……私より8つ下……」

少年「お、俺の3つ上……」

黒髪少女「随分衝撃的だったみたいですね」

剣士「?」


562 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/23(火) 01:38:02.71 ID:KAeyhUjO0
剣士「ともかく、私からお前に教えられることは何もない」

少年「うーん……それでもいいや、見てる」

剣士「話を聞いていたのか?」

少年「意見は違えど俺はおねーさんの剣に惚れたんだ、だから見て学ぶ!」

商人「あなたも強情ですねぇ」

少年「おねーさんが教える気が無いのなら俺は俺なりのやり方で強くなるさ」

少年「見るなとは言われてないしこのまま見学を続けるよ」

剣士「……勝手にしろ」

商人「おやおや?こういう実直なタイプは苦手ですか?」ニヤニヤ

剣士「そんなもの知らん」


563 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/23(火) 01:45:14.09 ID:KAeyhUjO0


母「まったくあの子ったら……」

黒髪少女「随分前からこんな物陰で見ていたようですが、止めなくていいのですか?」コソッ

母「あら、バレてましたか?」

黒髪少女「そりゃあ、私は素人ではないので」

母「あら素敵…………止めたいけれど、今はあの子の好きなようにやらせます」

母「危ないことは流石に止めますが……まぁ、途中で挫折するのがオチだと思いまうけど」

黒髪少女「お父様の背中を追いかけているようにも見えますが、あなたは否定的なんですね」

母「そりゃもう、命あっての人生ですから。あの子には危ない目に合わずに普通に生きていて欲しいんです」


564 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/23(火) 01:51:58.49 ID:KAeyhUjO0
黒髪少女「男の子は冒険に強く憧れるものですからね、歳を重ねればまた考えも変わるでしょう」

母「せめて、先立つ親不孝さえしなければいいんですけど」



剣士「せいっ!はっ!」ブンブン

少年「おぉ、いいねぇこのアングル」ズリズリ

商人「おーい、そんな地面這いつくばって近づいたら」

剣士「フンッ!」グシャ

少年「ウブオッ!?」

剣士「邪魔だ」

商人「そりゃ見えるか見えないかの位置まで来たら顔を踏みつぶされますよ」

少年「悔いは無い……グフッ」



黒髪少女「親不孝するならセクハラで警察に厄介になる親不孝のほうが先ですかね?」

母「将来が不安です……」


565 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/23(火) 01:57:46.93 ID:KAeyhUjO0
剣士「そうだ、犬」

商人「狼です。もう何回言ったこのフレーズ」

商人「で、なんでしょう?」

剣士「どうしたら斬姫を譲ってくれる?」

商人「今更その話かよ!?何回話を振っても堂々巡りだよ!?」

剣士「わからないからお前に聞いているんだ」

商人「だから金を払えと……って、いい加減このくだりも何回目だよ」

少年「それならねーちゃんの仕事を手伝ったら?」

剣士「仕事を手伝う?」

少年「うん、その斬姫っていうやつの値段分」

剣士「ふむ、それもそうか」

商人「オイ何勝手に話進めてんだ」


566 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/23(火) 02:02:23.09 ID:KAeyhUjO0
商人「そもそも私の仕事は誰かに手伝わせることなんてしません。この腕一つでやっている商売ですから!」

少年「でもねーちゃんなんか敵が多そうだよね」

商人「私に敵が多いわけじゃないですけど……まぁ確かに旅路で野盗に遭遇とかしょっちゅうありますけど」

少年「だったらなおさらいいじゃん!おねーさん強いし」

商人「いや、いくら強くてもねぇ……」

剣士「そうだな、いつ暴漢に襲われるかわからん。私を雇え」

商人「ここ最近遭遇した暴漢がお前だから拒否してんだよ私は」


567 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/23(火) 02:09:41.82 ID:KAeyhUjO0
眼帯少女「だったら今あなたが巻き込まれている事件を解決するまでの間だけ用心棒にするといい!!」ペラッ

商人「壁の中からこんにちは!?唐突に出てくるのはやめてください」

眼帯少女「……女将さんから借りたニンジャグッズ、壁と一体化できるシート」

商人「普通に壁と柄が同じだけのものじゃないですかこれ……ってかなんで事件云々の事知ってるんですか?」

眼帯少女「……途中まで一緒にいたの覚えてないの?」

商人「あー、確か怪人の人と睨めっこしてたような……」

眼帯少女「……グスン」

商人「だぁぁごめんなさいごめんなさい!ちゃんと覚えてますよ!」


568 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/23(火) 02:15:01.19 ID:KAeyhUjO0
剣士「事件?なんだ?解決したらくれるのか?」

商人「あなたは関係ないからちょっと黙ってろ……あ、いやそんなことないか。でもなぁ……」

剣士「私にできることなら何でもする。それしかお前に対する恩返しも斬姫を譲ってもらうことも思いつかない」

商人「うん、確かに一度交戦している以上アドバンテージはあるか……そうですね」

商人「わかりました、それでは今私が抱えている問題の手伝いをしてもらいます」

剣士「ああ、わかった」

商人「即答ですね、内容を聞いてませんがいいんですか?」

剣士「どのみち私に拒否する権利はない。私を好きに使え」


569 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/23(火) 02:21:48.24 ID:KAeyhUjO0
少年「好きに……!?」ピキーン

眼帯少女「……使う!?」ピキーン

商人「はい、お前らこそ真に黙れ。先に言っておきますが、あなたの言う恩はそれで帳消しにしますが」

商人「それに加えて斬姫をどうするかは別の問題として捉えておいてください」

商人「そこまで考えてやれるほど、私はお人よしではないので」

剣士「仕方がない、それでいい。だが……」

商人「そして、本当にあなたが自分のあの剣をもう一度手元に戻したいのなら、斬姫の事は誰かに教えを乞わずに自分で考えてください」

剣士「……ああ、お前が言うならそうしよう」

商人「よしよし、いい子ですね」


570 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/23(火) 02:29:10.77 ID:KAeyhUjO0
剣士「それで、私は何をする?」

商人「今は事件の事については待機です。私は色々と仕込みをしますが、あなたはそうですねぇ……ま、私に絶対服従ということで」

剣士「程度によるが、それで構わない」

商人「今のは冗談のつもりだったんですけどねぇ」


少年「……俺も、剣さえあれば……」

眼帯少女「……?」

――――――
―――



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