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男「最近現実が二次元に侵略され始めてて困る」女「諦めなよ」4/4


男「最近現実が二次元に侵略され始めてて困る」女「諦めなよ」



180 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:31:06.93 ID:wZBCjrPM0
――――――――1週間後・高校

男「……」スタスタ

会長「……男?」

男「放課後、屋上」スタスタ

会長「……」

女「……」

友「……頑張れ」




元スレ
男「最近現実が二次元に侵略され始めてて困る」女「諦めなよ」
[SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServise掲示板]





181 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:32:02.25 ID:wZBCjrPM0
男「……」

会長「答えは出たの?」

男「どいつもこいつも」

会長「え?」

男「俺には関係なかったのによ」

会長「……」

男「こんだけ頭を使わされたのは5年振りだ」

会長「そう……でもやっぱり返事はいらない」

男「……何?」



182 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:32:33.54 ID:wZBCjrPM0
会長「さっさと行きなさい。
   ここで無駄話してる余裕あるの?」

男「何言ってんだお前」

会長「私は男みたいに強くない」

男「あ?」

会長「答えはわかってても聞きたくないの……これ以上言わせないで」

男「おい」

会長「ほら、行って。
   私今から泣くから……見られたくない」グイッ

男「……一言だけ言っとくぞ」スタスタ

会長「何よ」

男「お前の事は嫌いじゃない」バタン



183 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:33:08.58 ID:wZBCjrPM0
会長「何よそれ……答え言ってるようなもんじゃない」

会長「慰め……なんか……いら、ないわよ」

両目から涙が零れ落ちる。

『女としては馬鹿丸出し』

会長「……うる……さいわよ馬鹿」

会長「馬鹿……ひっく」ポロポロ

会長「う……ひっく……うぁあああぁぁ……ひっく」



184 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:33:37.76 ID:wZBCjrPM0
ピピピピ

女「ん?」

女「会長からだ……。メアド、消し忘れてたよ」ピッ


【From】会長
【Sub】
――――――――――――――――――――――――
        馬鹿


女「……何これ」



185 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:34:20.93 ID:wZBCjrPM0
――――――――良家

『落ち着きなさい』

義兄「そんな馬鹿な事が!」

『これは決定事項だから』プツッ

全身が震える。

義兄「有り得ない」

あいつは5年前にどこかへ消えた筈だ。

義兄「……俺が追いやった筈だろ?」

義兄「どうしてここにいる」

憎憎しげに視線を男に向ける。

義兄「男」

男「……お久しぶりですね、兄さん」




186 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:34:47.67 ID:wZBCjrPM0
義兄「兄さん? ……兄さんだと? 嘗めているのか!」

男「落ち着いてください」

義兄「よくも抜けぬけとその面を俺の前に晒せる物だ」

義兄の声の節々に怒気が篭っている。

男「5年振りの再会なのに随分と冷たいですね」

義兄「俺の知っているお前はそんなふざけた冗談を抜かさない」

男「……少し、変わったのかもしれません」






187 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:35:27.97 ID:wZBCjrPM0
義兄「出て行け、俺はお前と違って忙しい」

男「ですが私にも聞きたい事がありまして」

義兄「お前に話す事など何もない!」

男「……」

義兄「話す事があるとしたら……そうだな」

義兄は冷笑を浮かべる。

義兄「今の俺は昔とは違う。その意味がわかるか?」

男「……いえ」

義兄「もはやここにお前の居場所はない。
   ……必要とされているのはこの俺なんだよ」





188 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:35:55.22 ID:wZBCjrPM0
男「そうですか」

義兄「はは、お前はやはり普通じゃない。感情がないのだから当然か」

男「感情はありますよ」

義兄「……どうしてこんなヤツを、どうして親父は俺じゃなくお前を気に入っていたんだ」

男「……恐らく」

義兄「お前の意見は聞いていない!」






189 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:36:23.08 ID:wZBCjrPM0
義兄「何故だ! 俺は実の息子だぞ!? 体が病弱だったからか!?」

息は荒い。

義兄「お前さえいなければ! 
   養子に来るのがお前じゃなかったらこんな事にはならなかった!」

義兄「勝てないんだよ! いくら努力してもお前には!
   俺がどんなに頑張っても必要とされないんだぞ!? その苦しみがお前にわかるか!?」

男「わかりませんね」

男をあざ笑うかのように義兄は顔を歪める。

義兄「……だろうな。
   所詮お前は人として欠陥品、今も機械のまま、そうだろ?」

男「しかし理解しようとする事はできるかと」

義兄「……何?」







190 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:36:59.39 ID:wZBCjrPM0
義兄「何を、言っている」

男「1年前まで、私はずっと他人の事について考える事は無駄だと思っていました。
  いえ、ただずっとそう思っていたかったのかもしれません。本心から逃げる為に」

男「この5年間でさまざまな人と出会いました。
  問答無用で殴りかかってくる人、事ある度に巻き込んでくる人、難解な問いを問いかけて来る人達」

義兄「……」

男「価値観が多少変わったのは確かですが。
  その出会いが私を変えたのかは正直わかりません、むしろわからない事が増えていますから」

義兄「結局お前は何が言いたい」

男「他人の事について考えてみました、貴方の事も」







191 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:37:52.15 ID:wZBCjrPM0
奇を見るように男を見る。

義兄「お前は……誰なんだ?」

男「家族、でしょうか」

義兄「やめろ、……お前はそんなヤツじゃない。人の事を考えられるわけないんだ!」

義兄「お前は冷徹で残酷な人間でなければいけないんだ! じゃないと」

男「自分を責めてしまう……ですか?」

義兄「……っ!」

男「ずっと兄さんは私の事を恨んでいるのだと思っていました。
  でも他に意図があったかもしれない、だから一週間ずっと考えてみたんです。過去の記憶を探りながら」

義兄「やめろ」

声は震えている。

男「貴方は私の事を本当に恨んでいるわけじゃない」

義兄「やめろ!」

男「ただ恐ろしかっただけなんですよね」








192 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:38:31.58 ID:wZBCjrPM0
――――――――5年前

義兄「俺の所為じゃない」

懸命に自分に言い聞かせる。

義兄「あいつが勝手に出て行ったんだ、俺は悪くない」

声が震える。

義兄「あいつが悪いんだ。俺の物を全部とっていくから……」

『ごめんなさい』

義兄「俺の……所為じゃ……」

義兄「俺は悪くないじゃないか……! どうして……」

――――――――







193 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:39:01.74 ID:wZBCjrPM0
義兄「……俺にはお前の言っている意味がわからない」

男「貴方の観点から俺を見ると、確かに機械にしか見えませんから」

義兄「お前がそんな事をできるわけが……」

男「まだ体の弱かった貴方にとって……私は何だったんですかね。
  貴方の代わりでしょうか、それとも貴方を死に追いやる悪魔でしょうか」

義兄「……っ」

男「どちらにせよ恐怖の対象である事に変わりはありませんが」









194 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:39:29.18 ID:wZBCjrPM0
義兄「……どうしてお前は平然とそんな事を話せる」

男「さぁ、幼少期が原因の1つではあると思いますが。ただ、1つ思う所はあります」

義兄「何だ」

男「あの時にちゃんと他人の事を考えていたら……こんな事にはならなかった、と」

義兄「本当にお前は……」

男「1つ、貴方に言っておかなければいけない事があります」

義兄「……」

男「私がこの家を出て行ったのは貴方の所為ではありません。
  ……私が貴方の事を恨んだ事など一度もないのですから」











195 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:40:09.75 ID:wZBCjrPM0

義兄「そこまで……お前は……」

男「これからも私が貴方を恨む事は有り得ません。
  そして貴方に害を及ぼす事も有り得ません、貴方が困っている時は必ず協力します」

義兄「……っ」

男「私は貴方の家族ですから」

義兄「本当に……俺の所為じゃないんだな?」

義兄の声は震えている。

男「はい」

義兄「そうか……そうかぁ……」

目の前で咽び泣く兄を、弟は静かに見守った。











196 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:40:37.98 ID:wZBCjrPM0
義兄「……聞きたい事があるんだろ」

男「ああ、つい話が脱線してしまいましたね」

単刀直入に話を切り出す。

男「女について、……どう思っているんですか?」

義兄「女、だと? まさかお前」

男「いえ、そういう意味ではないのですが」

義兄「……別に、幼い頃にはもう決まっていた事だ。
   どうも思っていない、俺の意思が関係するものじゃないからな」

男「そうですか。では破棄する事が可能ですね」

義兄「……お前は俺に独り身になれと?
   式が3週間後に控えているというのに」

男「はい」

義兄「はは、やはりお前は怖い」











197 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:41:06.13 ID:wZBCjrPM0

義兄「胸のつっかえがとれた」

男「そうですか」

義兄「俺は今こうして順調に事を上手く進めている。
   だがその間に必ずその代償としてお前を突き落としたんだと……無意識にだが頭に残っていた」

義兄「1つ聞いてもいいか」

男「どうぞ」

義兄「どうしてこの家を出て行った? 
   俺の意見に左右されるような人間じゃなかった筈だ」

男「……純粋に出て行こうと思ったからですよ」

義兄「それだけか」

男「はい」












198 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:41:33.09 ID:wZBCjrPM0
男「あの頃の私は生きているだけで十分でした。
  ですから私を生かしてくれる人には必ず感謝しました。
  ……どんなにひどい仕打ちを受けたとしてもです、その基準はわかりませんが」

義兄「……」

男「この家で暮らすようになって、生きるのが非常に楽になりました。
  その恩に応える為に義父が私に命じた事は死ぬ気で完遂しました。
  その事がこの家に報いる事だと、ずっと思っていました」

義兄「お前は……」

男「ですがそれは間違っていました」

男は静かに言葉を続ける。

男「貴方の苦しそうな顔を見た時、私は貴方が生きる事を邪魔しているのだと気づきました。
  私は生きているだけで十分でしたから、この家を出て行くことにしました」

男「私には家族がわかりません、愛情がわかりません、憎しみがわかりません。
  ……ですが、この家よりも貴方を苦しめる事の方があの時の私にとって重大だったのです」













199 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:42:01.83 ID:wZBCjrPM0
義兄「……それをもっと早く言ってくれれば」

男「今だから言える事ですから」

義兄「意味のない事だったな」

男「ええ、たられば、というヤツですね」

義兄「……その無機質な喋り方、何とかならないのか」

男「少しずつ、変わっていくかもしれません」

義兄「そうか」













200 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:42:28.57 ID:wZBCjrPM0
兄「しかし婚約を破棄するのは簡単じゃないと思うんだが。
   当然経済的な事柄も絡んでくるはずだ、どうにかできるのか?」

男「なんとかしますよ」

義兄「はは、お前なら本当にできそうだな」

男「死ぬ気でやれば大抵の事はできます」

義兄「天才は恐ろしい」

男「天才ではありません。死ぬ気でやるか、やらないかの違いです。
  兄さんもやろうと思えばできますよ。大丈夫です、死ぬ気でやっても案外死にませんから」

義兄「……俺は遠慮しとく」














201 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:42:54.81 ID:wZBCjrPM0
義兄「……さて、俺も兄として何かしてやらなければいけないな」

義兄「少しでも罪滅ぼしになれがいいが」スタスタ

心なしか足取りが軽い。

義兄「はは、今から何をしようとしているのか俺はわかっているのか?」スタスタ
















202 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:43:22.00 ID:wZBCjrPM0

コンコン。

義父「入れ」

義兄「失礼します」ガチャ

義父「何か用か」

義兄の手は微かに震えている。

義兄「……はい」スッ

義父「……何故頭を下げる?」

義兄「この度の婚約を破棄させてください」

義父「何だと?」

















203 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:43:59.19 ID:wZBCjrPM0
義父「お前は今自分が何を言っているのかわかっているのか」ギロッ

義兄「……っ! ……わかっています」

義父「私に媚を売る事ばかりを考えていたお前が」

義兄「……」

冷や汗が流れ、息が詰まる。

義父「よくもそんな口を聞ける」

義兄「で……すが」

義父「黙れ。この婚約にお前や許婚の意思など関係ない。
   一体どれだけの金が動いていると思っている」

義父「それともその損失をお前が取り返せるとでも言うのか」
















204 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:44:44.36 ID:wZBCjrPM0
義兄「で、できます」

義父は虚をつかれたかのように聞きなおす。

義父「今、何と言った?」

義兄は一呼吸置いて、再び口を開けた。

義兄「やってみせます。死ぬ気でやれば出来ない事はありません」

義父「……損失はこちらだけではない。相手の面倒も見るというのか」

義兄「はい」

義父「お前にそんな事ができるわけが」

義兄「問題ありません」

義父は目をみはる。

義兄「家族が帰ってきましたから」















205 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:47:01.27 ID:wZBCjrPM0
義母『どうしたの、いきなり』

義父「此度の婚約は破棄する」

義母『……どういう事?』

義父「義兄が責任を負うようだ」

義母『貴方に口答えしたのね』

義父「ああ、とても信じられんが。両者共に結婚を望んでいないから、とな」

義母『それで、これからどうするの?
   とても義兄では責任を負いきれないと思うのだけど』

義父「男がいる」












206 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:47:28.15 ID:wZBCjrPM0
義母『……戻ってくると予想してたのね』

義父「それは愚問だろう、俺も一端の経営者だ。
   ……まさかこんな形で戻ってくるとは思っても見なかったがな」

義母『……』

義父「だが恐らく我が者が経済的に打撃を受ける事は間違いないな。
   若造2人が簡単に全てを解決できるほど、この世は甘くない」

義母『今日の貴方はなんだか優しいのね、いつもでは考えられないけれど』

義父「そう言ってくれるな。ただの先行投資だよ。
   この先を長い目で見れば大きなプラスとなる。今日ほど嬉しい事はないだろう」

義父の瞳は穏やかで優しい。

義父「私の息子達が……ここまで成長していたのだからな」












207 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:47:54.26 ID:wZBCjrPM0
――――――――翌日・高校

友「眠そう」

男「いろいろと疲れた」

友「へぇ、男が疲れる事ってあるんだ」

男「俺も人間だ」

友「……でも楽しそう」

男「むしろ面倒」

友「そっか」












208 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:48:21.65 ID:wZBCjrPM0
女「男! ちょっと話があるんだけどいい?」

男「人前」

女「そんなのどうでもいい! ちょっと来て!」スタスタ

男「……」

男「だりぃな」スタスタ

友「……どういう事?」

クラス女「と、友さん2人共何かあったの?」

友「さぁ……」

会長「……」










209 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:48:48.68 ID:wZBCjrPM0
女「どうしてこんな事したのかな」

男「……は?」

女「ふざけないでよ!」

男「……」

女「婚約が破棄になったの……知ってるよね。男が何かしたんでしょ?」

男「それがどうした」

女「そんなの頼んでない! してほしいなんて言ってない!」

男「そうだな」

女「え?」










210 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:49:20.64 ID:wZBCjrPM0
男「別に誰かに頼まれてやったわけじゃない」

女「……何、いってんの?」

男「俺が勝手にやった、お前は関係ない」

女「……あはは」

女「本当にいい迷惑だよ。勝手に巻き込んでさ」

男「お前がいつもやっている事だ」

女「そんなのとはわけが違うよ! 
  ……会長とはどうしたの? ……まさか断ったわけじゃないよね」

男「ああ、そういう事になってんのか」

女「嘘……でしょ?」











211 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:49:46.74 ID:wZBCjrPM0
女の両目から滴が零れる。

女「男さぁ……本当に何やってんの?」

男「……」

その声は震えている。

女「全部台無しじゃん。私のやった事ぜーんぶ」

女「本当に……どうして……?」ポロポロ

男「必要だったからやった」

女「……え?」

男「わかりにくかったか?」

男「俺にはお前が必要だ」











212 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:50:14.99 ID:wZBCjrPM0

女「……っ」

男「友に言われた。
  今まで気づかない振りをしてた物に向き合うべきだ、とな」

男「俺は何がしたいのか、本当の自分とは何なのか。一週間俺は死ぬ気で考えた」

女「……」

男「だが考えれば考えるほど、答えは見えなくなった。ただ1つわかった事は」

男「俺は変わりたい、そう思っているって事だけだ」












213 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:50:52.22 ID:wZBCjrPM0
女の眼が見開かれる。

女「……!」

男「どう変わりたいのかは俺にもわからない。
  だが、今の自分の何かを変えたいのは確かだ」

男「俺は何か変われたのか、それすらもわからないがな。
  ……もしお前の眼から見て何か変わっているとしたら」

男「恐らくお前のお陰だ……いや、お前の所為と言った方がいいのか」

女「……」

男「おい、何か反応しろ」

女「いき、なり……そんな事言われたってどう、反応すればいいのさ」ジワッ

男「どうして泣く」

女「う、うるさいな。私にだってわかんないよ」ポロポロ













214 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:51:43.45 ID:wZBCjrPM0
男「お前はすぐ泣くな」

女「男の所為だろ!?」

男「……正確に言えば、俺が変わった原因はお前だけじゃない」

女「そうだね」

男「会長や友……中学時代の輩、色々な奴が俺を変えた。
  誰か1人でも出会わなかったら……今の俺はいない」

女「……」

男「俺にとってはそいつら全員が必要なんだ」












215 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:52:14.65 ID:wZBCjrPM0
女「なんか男……今すごく恥ずかしい事言ってるよね」

男「うっせぇ、俺だって何でこんな事をお前に話しているのかがわからん」

女「ふふ、どうしてだろうね?」

男「これで、理由は話した」スタスタ

女「ちょっと待って、1つ聞いてもいいかな」

男「何だ」

女「好きってどういう事か……わかる?」

男は静かな声で答えた。

男「……まだわからない」

女「うん……うん、そっか。まだ、ね」












216 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:52:55.41 ID:wZBCjrPM0
男「言い忘れていた事がある」

女「ん?」

男「お前、俺に色々巻き込んで迷惑かけたと言っていたな」

女「……うん」

男「謝っただけで許されると思っているのか?
  お前は今まで1年間ずっと俺の妨害をしてきたんだ」








217 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:53:24.97 ID:wZBCjrPM0
女「……」

男「だから俺に協力しろ」

女「……え?」

男「まだ変われるのなら俺は変わっていきたい。
  お前が心から面白いと思う物を俺に教えろ。……それで許してやる」

女の瞳が潤む。

男「また泣くのか」

女「ふふ、知らなかったよ」

女「男ってツンデレなんだね」ニコ

男「黙れ」









218 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:53:56.75 ID:wZBCjrPM0
会長「それってどういう事ですか」

会長父「言葉の通りだ……もう頑張らなくていい」

会長「どうしてですか。私はまだ頑張れます」

会長父「もう無理に結婚をする必要もない」

会長「どうしてそんな事言うんですか!」

会長父「……会長?」

会長「私が頑張らなきゃ家の会社は駄目になってしますんです!
   何もかも諦めて、……この前やっと全部終わって決心がついたのに!」ポロポロ

会長「そんな事言わないでくださいよ……私はこれからどうしたらいいんですか」

会長父「お前……何か勘違いしてないか?」

会長「……え?」









219 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:54:30.96 ID:wZBCjrPM0
会長「良家と契約がとれたって……そんな御伽噺があるわけない」

『お前の事は嫌いじゃない』

会長「どうしてこんな事したのよ」ギュ

会長「……他人は関係ないって言ってたじゃない」

涙がこぼれる。

会長「貴方ってずるい、ずるいわ」

会長「これじゃ……嫌いに、なれないじゃないの」

ピピピピ

会長「……メール?」









220 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:54:57.60 ID:wZBCjrPM0
――――――――翌日

男「……」パチ

男「……7時」

男「寝坊かよ」

ピンポーン

男「……」スタスタ

ピンポーンピンポーン……ピンポンピンポンピンポーン

男「うぜぇ」ガチャ

女「おはよう! 男!」ニコッ









221 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:55:40.23 ID:wZBCjrPM0
女「男が寝坊するなんてね、何かあった?」

男「別に」

女「あっ、聞いてよ男。会長ったらひどいんだ! コレ見てよ!」

男の目の前に携帯が突き出される。

男「……」


【From】会長
【Sub】馬鹿
――――――――――――――――――――――――
  馬鹿馬鹿。貴方って本当に馬鹿ね。
  私なんかよりよっぽど馬鹿丸出しだわ。


女「いくらなんでも馬鹿馬鹿言い過ぎだよね!?」

男「どうでもいい」

女「ん? ……これ下にスクロールできる」



                ……でもありがと。
――――――――――――――――――――――――


女「私の周りはツンデレばっかりだよ!」

男「うるせぇ」









222 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:56:07.98 ID:wZBCjrPM0

女「ねぇ男、最近悩んでる事があるんだけど」

男「……あ?」

女「最近現実が二次元に侵略され始めてて困ってる」ニコッ

男は顔をしかめる。

男「……随分と嬉しそうじゃねぇか」

女「男も喜んでよ。
  今の男はヒロイン2人に好意を寄せられている主人公なんだよ?」

男「……」

女「それも私達はまだピチピチの高校2年生! イベントは盛りだくさんだよ!
  高校3年になったら新しいヒロインが出てきたりしてさ! ワクワクするね!」

男「……お前って」

女「ん?」

男「本当に可笑しな奴だな」ニコ

それは笑顔とも言えない、本当に微かな笑みだった。









223 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:56:53.97 ID:wZBCjrPM0
女「……」

男「何黙ってっ……」

女「……」ギュ

男「……何やってんだお前」

女「本当に……見れちゃったよ」ギュウ

男「……」

男「……おい、離れろ」

女「……うん」パッ

女「さあ! 早くしないと学校送れちゃうよ?」

男の腕を引っ張る。

男「そこまで急ぐ必要ねぇだろ」

女「駄目駄目! こうしてる間にも面白い事に出会えなくなっちゃうかもしれないだろ?」

男の面倒くさそうな顔と対照的に、女は花が咲くような満面の笑みを見せた。

女「だって私達の世界は本当に楽しくて面白い事で溢れているんだからねっ!!」ニコッ




                                         fin









224 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]投稿日:2012/03/06(火) 11:59:05.79 ID:NPhqVJE80
乙!
面白かった


225 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[saga sage]投稿日:2012/03/06(火) 12:28:00.18 ID:L0ywbTYlo
おつ!


226 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)[sage]投稿日:2012/03/06(火) 13:13:12.66 ID:lfMtNhTAO
何も言わず一気に投下終えるストイックなスタイルとこの話は…惚れ惚れする
乙!


227 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)[sage]投稿日:2012/03/06(火) 14:08:15.64 ID:7zSODq+So
昨日のか
面白かったよ


228 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]投稿日:2012/03/06(火) 15:17:22.99 ID:jqRZviQSO
まさか一気に投下し終わるとは……



229 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]投稿日:2012/03/06(火) 15:38:28.62 ID:NMh3a1GCo
やべー、めっちゃ面白かった


230 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]投稿日:2012/03/06(火) 16:08:57.83 ID:3w7otvan0
乙!
おもしろかった


231 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]投稿日:2012/03/06(火) 17:22:25.53 ID:5oJ55XAWo
惚れました
過去作あったら教えて下さい
酉を付けて貴方を探す術を下さい


232 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]投稿日:2012/03/06(火) 17:23:02.41 ID:Ebv8jSgAO
すっきり面白い
乙!


233 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]投稿日:2012/03/06(火) 17:39:36.26 ID:/03QcHCho
面白かった乙


234 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 17:43:37.21 ID:wZBCjrPM0
正直に言うとvipで途中まで投下してたんです、昨日の話ですが。
さる規制喰らいまくって時間猶予的に無理になったからここへ逃げてきました。
vipでは地の文が単発すぎる、視点がコロコロ変わって読みづらい、内容が臭すぎるという点で指摘を頂きました。
上記の点で不快に思った方がいたら申し訳ない、改善できるように努力します。

またいつssを書くのかはわかりませんが、これから投下するのはvipではなくここになりそうです(時間的余裕の点で)。
駄文ですが、読んでくれて有難うございました。










235 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]投稿日:2012/03/06(火) 18:23:45.41 ID:c6aCHjRjo
惚れ惚れした
>>1乙!


236 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]投稿日:2012/03/06(火) 19:02:36.85 ID:Ll78PxVdo
お疲れ
面白かったよ

VIPは批判が多いけど、逆にSS速報だと批判がまったくないかもしれないからまぁ使い分けてくれ

VIPのさる規制については
1時間に8回くらい以上レスするとなっちゃうんだっけかな
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[ 2012/03/06 21:19 ] 男「」or女「」 | TB(0) | CM(0)
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