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後輩「ちょっと先輩!晩御飯どうするんですか!」2/5


後輩「ちょっと先輩!晩御飯どうするんですか!」




80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 21:51:27.47 ID:hqlVYEyt0
後輩「……先輩?」

先輩「……あ?」

後輩「ヘコんでます?」

先輩「……なんで私が」

後輩「いやー、だって、先輩別にあんな憎まれ役になる気じゃなかったんでしょ」

先輩「……」

後輩「みんなと、ちゃんとした穏やかな人間関係作りたかったんじゃないですか? わざわざ全員で話し合いとか提案して」

先輩「……んなわけねーだろ」

後輩「……なんか、先輩が友達少ないのも納得です」

先輩「……喧嘩売ってんのか?」

後輩「不器用なんですよね。色々と」

先輩「殴るぞ。本気で」

後輩「でも、私はちゃんと先輩のことよくわかってますから。そこらへんは安心してください」

先輩「……」

後輩「先輩が、本当は優しい人で、みんなと仲良くしたいだけってのは、よく知ってますから」




元スレ
後輩「ちょっと先輩!晩御飯どうするんですか!」





82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 21:53:40.78 ID:hqlVYEyt0
先輩「……」

ゴッ

後輩「いったーい! ちょっと! 今私いい話してたんですけど!?」

先輩「警告はした」

後輩「前言撤回! やっぱり単なる鬼です先輩は! 悪魔!」


先輩「……つーかよぉ」

後輩「悪魔の言葉は聞きません! 立ち去れ! 立ち去れ!」

先輩「お前、なんか前一度私が男と飯食ってるの見てキレてたけどさぁ」

後輩「……そんなことありましたっけ?」

先輩「柳が私のこと好きってのは別によかったのか?」

後輩「……ちょっと意味わかんないんですけど」

先輩「いや……別にいいんなら、いいんだけど」

後輩「まあ、柳君は知ってる人だし……」

先輩「……あ、そう」


83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 21:55:37.47 ID:hqlVYEyt0
男2「いやぁー、一時はどうなることかと思ったけど、先輩を共通の敵にして、なんか仲良くなっちゃったね、あの3人。柳は泣いてたけど」

後輩「これでいいのかなぁー……」

男2「いいんじゃない? ま、どっちと付き合うかでまたモメそうだけど」

男2「……しかしまあ、羨ましいねぇー。三人とも、なんだかんだで青春真っ只中だねぇー」

後輩「あれが青春?」

男2「三角関係、いや四角関係の片思い、あれが青春じゃなくてなんなんだよ」

後輩「それもそっかあ」


男2「……ま、かく言う俺も一応その末席を汚してはいるかなぁー」

後輩「……えっ?」

男2「いやぁ、まあ、なんつーか、一言でいうなら、あれだよ。あれ」

後輩「どれ?」

男2「えー……好きです。付き合ってください」

後輩「……はぇ?」

男2「えーっと、言葉まんまです。そのまま受け取ってください」

後輩「ほぇぇえええ?」


85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 21:57:40.98 ID:hqlVYEyt0
後輩「せんぱーい……」

先輩「なんだよそのダルい声。寝ぼけてんのか?」

後輩「私……藤原君に告られちゃいました」

先輩「はぁっ!? マジかよ?」

後輩「マジマジです」

先輩「ふーん……え、で?」

後輩「で、って何がですか?」

先輩「いやだから、返事だよ。付き合うのか?」

後輩「いや……ごめんなさいしました」

先輩「えっ? なんで? お前確か藤原のことカッコいいーとか言ってたじゃねーか」

後輩「いや、顔はカッコいいと思いますよ。でも、なんていうか、なんとなく……」

先輩「なんとなくじゃ理由になんねーだろ!」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 21:59:25.58 ID:hqlVYEyt0
後輩「いやだって、そういう風に返事したから……」

先輩「はぁあ? ひどくね? それは」

後輩「んー、なんていうかですねぇ、告白されたとき、藤原君とそういう関係になってデートしたりキスしたりとかが
   一切合切これっぽっちも想像できなかったんですよね。だから、断りました。それだけです。いやマジで」

先輩「……よくわかんねーな。これからのことだろそれは」

後輩「えー、それでこれからもお友達でいましょーとかなんとか言ってぇ、別れてからそりゃ無理だろなぁーって思って
   そう考えたらマズッたかなぁとか思えてきて、ビール買ってきてテキトーに飲んで、風呂も入らず布団に入って至る現在、です」

先輩「……お前、ちゃんと考えたのか? その場のノリとか、返事考えるのが面倒くさいとかで断ったんじゃねーだろうな?
   そんなんじゃ、相手にも失礼だし、お前にとってもよくないぞ」

後輩「そんなことありませんよ……あ、やば、面倒くさいから、とは言ったかも」

先輩「……ひでぇ」

後輩「だって……本音なんですもん。友達としてはいい人だけど、付き合うのは……」

先輩「お前のサークルん中じゃ、割とまともな奴だったのに、可愛そうに」

後輩「……先輩は、私がOKした方がよかったんですか?」

先輩「……いや、そういうわけじゃねーけど」


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:01:10.40 ID:hqlVYEyt0
後輩「……でも、あー、なんだろなー、この気持ちは。変な感じだなー」

先輩「……やっぱり、後悔してるんじゃないのか? そんな風にテキトーに断ったこと」

後輩「後悔じゃ……ないです。でも……藤原君、こんな返事されるとは思ってなかった、とか言ってて。
   断られるにしても、もうちょっとくらいはこっちのこと気遣ってくれると思ってたとかなんとかほざき倒しまして。
   あ、なんだ、私のこと分かってなかったんだなーって、思って。私のことそんないい人だと思っててバカだなーって。
   うーん、やっぱりこいつ、私のこと好きだなんて言っといて、私じゃない誰かのことが好きなんだなーとか
   こいつが見てるのはどの私なのかなー、本当の私も見て欲しいなーとか、そんな感じで」

先輩「……」

後輩「っていうか、私って普段みんなにどんな感じなの? とか」

後輩「むしろ、本当の私って? みたいな」

後輩「とかなんとか言っといて、結局私単にヤな女? とか」

後輩「そういうわけで……色々もやもやです」

先輩「……」

後輩「なんか……フッたのにフられた気分です」

先輩「最悪じゃねーか」

後輩「いやぁー、プラマイゼロでしょ」

先輩「最悪だよ」


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:03:19.07 ID:hqlVYEyt0
後輩「……」

先輩「……」

後輩「あの……もうちょっと、くっついてもいいですか?」

先輩「……ああ」

後輩「ついでに、撫でてください」

先輩「……」ナデナデ


先輩「……もういいか?」

後輩「……泣いてないです」

先輩「いや、それは知らん」

後輩「……やっぱり泣きます」

先輩「いやだから知らんっての」

後輩「……私は……先輩が私のことを見てくれてたら、それでいいです」

先輩「……」

後輩「……寝ます」

先輩「ああ」


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:05:45.70 ID:hqlVYEyt0
後輩「ほっほーう、これが噂のリクルートスーツですか」

先輩「社会と会社という名前の牢獄に投獄された囚人の囚人服だよ」

後輩「うわぁ、先輩がこんなの着るのヤダなぁ……なんか」

先輩「しょうがねーだろ」

後輩「しかし……髪が黒い先輩がこんなに違和感があるとは」

先輩「いやだからしょうがねーんだっつーの」

後輩「うーん、先輩がこれから就活とは……イメージが……」

先輩「……しょうがねーんだよ」

後輩「現実は厳しいですねぇ」

先輩「本当に厳しいのはこれからだよ」

後輩「……なんか、変な感じに寂しい」

先輩「……そうだな」


92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:07:31.29 ID:hqlVYEyt0
先輩「なんだよその袋」

後輩「えっへっへ、いいもの買ってきましたよ!」

先輩「……おっ、カニじゃねーか」

後輩「年末ですしね! ここはちょっと張り込みました!」

先輩「たまにはお前も気が効くな。よし、鍋しようぜ鍋」

後輩「その前に……」スッ

先輩「……なんだよその手は」

後輩「お金、半分出してください」

先輩「……前言撤回」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:09:08.03 ID:hqlVYEyt0
先輩「……なあ」

後輩「なんですか」

先輩「鍋、ちっちゃくね?」

後輩「まあ、一人鍋用の鍋ですから」

先輩「思いっきりはみ出してるじゃねーか」

後輩「鍋、この間割れちゃいましたもんね。っていうか割りましたからね、先輩が」

先輩「これじゃ火も通らねーぞ」

後輩「仕方ない、切りましょうか」

先輩「味が流れちまうだろーが」

後輩「仕方ないでしょ」


95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:11:08.28 ID:hqlVYEyt0
ギシギシ
後輩「せんぱーい! 硬くてきれませーん!」

先輩「そんななまくら包丁使って、のこぎりみたいな切り方してちゃあ、無理だろ」

後輩「じゃあ、どうすりゃいいんですか!」

先輩「えー、だから……こうやって包丁をあてて、刃の背の部分をなんかで叩けばいいんだ」

後輩「なんか叩くものありましたっけ……」

先輩「うーん……」

ガサゴソ
先輩「お、ハンマーがあったぞ」

後輩「……なんでそんなものが」

先輩「うってつけじゃねーか、さあ、これで一思いにやれ!」

後輩「よーし、行きますよ……おらぁあああああああああ!」

ガツンッ!
後輩「あっ! ほら先輩、切れましたよ!」

先輩「……そこまで力入れなくてもいいだろ」


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:13:03.26 ID:hqlVYEyt0
後輩「先輩先輩、み……三宅君と、は……は某さんがですね」

先輩「あのな、物語を始めるときはまず登場人物の紹介からはじめよう。な?」

後輩「うちのゼミの人です。で、それでですね今日三宅君と、はなんとかさんが……」

先輩「……ゼミ員の名前ぐらい覚えようぜ」

後輩「ゼミでいきなり結婚宣言しまして! 既に婚姻届も出したとかでして!」

先輩「へー」

後輩「……うっすい反応ですね」

先輩「だって知らないもんそいつらのこと。心底どうでもいいんだけど」

後輩「前々から同棲しててデキ婚だそうでして! もう大騒ぎですよ!」

先輩「ふーん」

後輩「……あの、もうちょっとなんかないですか?」

先輩「ない」


98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:15:40.90 ID:hqlVYEyt0
先輩「……お前さ」

先輩「もし私が誰かと同棲しだしたらどうする?」

後輩「はえ?」

先輩「いやだからさ、私がここから退寮して、どっかの男の家に転がり込んだらどうする?」

後輩「……ほえ?」

先輩「……なんだその反応」

後輩「え、ちょっと待ってください。整理しますので……」

先輩「そんなに複雑なこと言ったか……?」

後輩「えーっとえーっと……はぁあああああああああああ!? なんすかそれー!?」ガッ

先輩「お、おおおいおいおい、ちょちょちょちょっと待て!」ガクガクガク

後輩「誰と!? どこの馬の骨野郎の家に!?」ガクガクガク

先輩「まままてまてままて! そそんなわけねねねーだろろ! ももももしもの話だだだろうががが!」ガクガクガク

後輩「本当ですか! 本当なんですね!! そんな男はいないんですね!!!」ガクガクガク

先輩「いいいいねーよよよ! いねねねーからゆゆ揺さぶるるるるのをやややめろろろぉおお!!」ガクガクガク


101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:18:24.83 ID:hqlVYEyt0
後輩「……ごめんなさい」

先輩「あ、あたまがくらくらする……お前、なんだよその反応?」

後輩「い、いや、自分でもなんか良くわかんないです……」

先輩「意味わかんねーな……」

後輩「……先輩、本当に私をおいて出てったりしないですよね?」

先輩「しねーよ。何回言わせるんだよ。つーか、なんでそんなに過剰反応するんだよ」

後輩「……私一人じゃ生きられませんよぉ」

先輩「……お前な」

後輩「……」

後輩「……もし、そんなことになったら」

後輩「……先輩を刺してでも監禁してでも止め」

先輩「い、いやいやいやいや!」

後輩「じ、冗談ですよ!?」


102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:20:23.31 ID:hqlVYEyt0
ガラッ
後輩「あ、先輩。おかえりなさい」

先輩「……」

後輩「どうしたんですか? なんか、随分疲れてるみたいですけど」

先輩「……いや、別に」

後輩「今日の面接どうでした?」

先輩「……」

後輩「えっと、ご飯は?」

先輩「……食べる」

後輩「じゃあ、すぐなんか作りますね」

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:32:33.37 ID:hqlVYEyt0
後輩「……」モグモグ

先輩「……」モグモグ

後輩(こんなに落ち込んでる先輩って……初めて見たな)

先輩「……今日、グループ面接の時に高校の知り合いに会った」

後輩「えっ、偶然にですか。凄いですねそれは」

先輩「……そいつ、高校卒業するときに、ミュージシャンになるとか言ってたんだよな」

後輩「……へぇ」

先輩「大学行って、バンド組んで、ちっちゃいライブハウスでライブやって、インディーズでCD出して、
   大学卒業するころには絶対メジャーデビューする、とか言っててさ」

後輩「……」

先輩「まあ、要するに馬鹿なんだけどな」

先輩「でも……そいつが今日、バッチリスーツ着てよ『御社の経営理念に共感してー』とか言ってんだぜ」

先輩「もう笑うしかねぇだろ」

後輩「先輩……」

先輩「なんかもう、気抜けちゃって……」


110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:34:34.03 ID:hqlVYEyt0
後輩「……その人、先輩のどういう人だったんですか?」

先輩「……」

後輩「……付き合ってたんですか?」

先輩「……いや」

後輩「そうですか……」

先輩「あのヤロー、高校ん時『俺やっぱり巨乳がいいわー』とか言いやがったんだぞ、私に向かって」

後輩「……どういう状況ですかそれ」

先輩「ボッコボコにしてやった」

後輩「……よく分かりませんけど、それが先輩のトラウマの原因ですか」

先輩「あ? なんだよトラウマって」

後輩「いや、忘れてるんならいいです」

先輩「なんだよ、気になるだろ」

後輩「気にしないで下さいいい子だから」

先輩「なんだそりゃ」


111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:36:54.19 ID:hqlVYEyt0
先輩「はァー……」

後輩「今日はもう寝ましょうよ。疲れてますよ先輩」

先輩「……お前さぁ、子供の頃の夢ってなんかあったか?」

後輩「私ですか? そうだなぁ……お花屋さんだったかな?」

先輩「はっ、似合わねーなー。どこの花の子るんるんだよ」

後輩「は、花の子るんるんて……そういう先輩は?」

先輩「私か……私は……」

後輩「ほれ、私に言わせたんだから」

先輩「……ば、バレリーナになりたかった」

後輩「えっ」

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:38:52.73 ID:hqlVYEyt0
先輩「えっ、ってなんだよ」

後輩「……」

先輩「……」

後輩「……」

先輩「う、ウッソー……」

後輩「……かわいー」

先輩「う、うるせー!」

後輩「私はまたてっきりティラノサウルスになりたい、とかじゃないかと」

先輩「意味が全然わかんねーよ……」


115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:41:07.75 ID:hqlVYEyt0
先輩「……ま、ティラノサウルスになった方がマシだったかな」

後輩「……は?」

先輩「結局私は、21年生きてきて、何になれたんだか」

後輩「……」

先輩「多分そのうち何かになるんだろうと思っていたけど……何にもなれてねーよ」

後輩「……先輩」

先輩「このままずーっと、おんなじだろうな。私は……死ぬまで」

後輩「先輩」

先輩「……いや」

先輩「大丈夫だよ、ちょっと疲れてるだけだから」


117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:43:16.52 ID:hqlVYEyt0
後輩「……私の先輩はもっとカッコいいです」

先輩「……あ?」

後輩「もっと、カッコつけで、いじわるで、服がダサくて、そのわりには実際カッコいいです」

先輩「……」

後輩「そんな、私の憧れの先輩です」

後輩「……私は先輩に会えてよかった」

後輩「先輩は、私の先輩になってくれたじゃないですか」

後輩「それだけで……十分です」

先輩「お前……」

後輩「もう、寝ましょう」

先輩「……ああ、そうだな」

後輩「おやすみなさい。先輩」

先輩「おやすみ。……直子」


118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:44:50.87 ID:hqlVYEyt0
後輩「スー……スー……」

先輩「……」

後輩「むー……にゃむ……ぐぷー……」

先輩「……私も、お前に会えてよかったよ」

先輩「……ありがとう」

後輩「にゃむ……むー……」


119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:47:15.27 ID:hqlVYEyt0
後輩「イヤース!」

先輩「イヤース!」

後輩「おめでとう先輩!」

先輩「おめでとう私!」

後輩「いやー案外早く内定出てよかったですねぇ」

先輩「これでもうスーツからおさらばだ! 卒業までずっとジャージでいるぞ私は!」

後輩「えー、やだー、ださーい」

先輩「そして来年スーツのお前を笑ってやる」

後輩「いやー、卒業してるっしょー先輩はー」

先輩「はっはっはー、それもそうだな!」

後輩「ははははは!」

先輩「……卒業できてなかったらどうしよう」

後輩「うっ……、だ、大丈夫ですよ。多分」

先輩「……せっかくのお祝いが寮で缶ビールによっちゃんイカだしよ」

後輩「き、急に決まったんだから仕方ないじゃないですか。今度また改めてお祝いしましょう」

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:49:37.89 ID:hqlVYEyt0
先輩「あー、色々しんどかったなぁー」

後輩「ほんと、お疲れ様です」

先輩「来年は我が身だぞ。わかってんのか」

後輩「えっ、ええ、ま、まあ」

先輩「つーか今から始まってんだぞ。セミナー行っただけで就活した気になってんなよ。もうお前の同級生は自己分析やってんぞ」

後輩「うっ、ぐっ……」

先輩「まあ、本番はまだまだだよ」

後輩「そ、そうですよね。うん。先輩はこれから遊べるんだから。旅行とか行きましょうよ。卒業旅行」

先輩「卒業旅行かぁー。いいなぁ。どこ行く? どこがいいカニ?」

後輩「……時期的にカニは無理かと」

先輩「伊勢とかどうウシアカフク? 北海道とかもありウニジンギスカン。いや、ここは宮崎も捨てがたいトリマンゴー」

後輩「……先輩、そんなに食いしん坊キャラじゃないでしょ」

先輩「よぉーし、ここはどーんと海外だな。ヨーロッパとか」

後輩「いいですねぇ。あ、私モンサンミッシェルに行きたいです。名物のでっかいオムレツが食べたい」


122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 22:51:55.97 ID:hqlVYEyt0
先輩「ドイツのノイシュヴァンシュタイン城とか、スイスのアルプスとか。あっ、それよりパリだパリ! エッフェル塔! 凱旋門! ルーヴル美術館!」

後輩「シャンゼリゼ大通り! ノートルダム大聖堂! オペラ座! いっすねー! 行きましょうよ行きましょうよ!」

先輩「……んな金がどこにあるっていうんだよこのトンキチがぁああああ!! 行けて熱海ぐれぇええええだろぉおおおおお!!」

後輩「え、えー。なんつー理不尽なキレ方……あー、じゃ、お金貸しましょうか?」

先輩「はぁー? お前なんかに借りても、鎌倉までだろうがよ。どっかのネズミ王国ですら怪しいぞ」

後輩「……いや、私マジですけど」

先輩「どうマジなんだよ」

後輩「先輩と、ヨーロッパ各国めぐりツアー」

先輩「……いやいやいや。面白くないから、そういう冗談」

後輩「一度っきりなんですから。卒業旅行なんて。ここでお金は惜しまないですよ」

先輩「……何言ってんの? お前」

後輩「まあ、親の金ですけど……それでも、出世払い、っていう約束でなら、多分」

先輩「……お前、まさか、実家、金持ち?」

後輩「……えへ」

先輩「マジかよぉー……」


126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:01:32.74 ID:hqlVYEyt0
後輩「別に隠してたわけじゃないんですけどね」

先輩「なんでこんなボロい寮で、ビンボー学生生活なんかしてるんだ?」

後輩「そういう教育方針なんです。出す所では出してくれるけど、出さない所は絶対出さない」

先輩「ふーん……」

後輩「だから! 行きましょう! ヨーロッパ! 思い出作りましょう! 卒業旅行なら多分出してもらえます!」

先輩「……嫌だね」

後輩「なっ、なんでですか?」

先輩「後輩に金借りて、しかもそいつの親の金で、海外なんか行けるわけねーだろ。そこまで落ちぶれてねーよ」

後輩「そ、そんなこと言わないで下さいよ! 親の金って言っても私も返すつもりだし、先輩からだって返してもらうんですから!」

先輩「借りること自体がありえねーんだよ。そんなもんは」

後輩「そんな、そんな……」

先輩「身分相応ってもんがあるだろ。まあ、国内でも私は十分……」

後輩「そんなぁああ……」ポロポロ

先輩「うわっ! ちょ、なんで泣くんだよ!」


127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:03:33.80 ID:hqlVYEyt0
後輩「私本気にしたのにぃ! 初めての海外旅行、先輩と一緒にパリに行けると思ったのにぃ!」

先輩「い、いや、色々飛躍しすぎだろ」

後輩「先輩と一緒にパリジェンヌになれると思ったのにぃ!」

先輩「そ、そりゃ無理だろ。日本人は日本人……」

後輩「やだぁああああああ! ヨーロッパ行くぅううううううう!」

先輩「うるせぇ! わがまま言うな!」

後輩「やだやだやだ! 絶対行く!」

先輩「うるせぇっつってんだよ!!」

ゴッ

先輩「あっ……わ、わりぃ。殴る気は……」

後輩「うっ……うっ……先輩のアホー!!!」ダッ

先輩「あっ! こら! どこ行くんだよ! 待て!」


130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:05:49.86 ID:hqlVYEyt0
男2「こんな時間に呼び出されて、何かと思えば先輩と喧嘩したって……」

後輩「うっ……うっ……ごめん……」

男2「ちょっと期待したのになぁ」

後輩「……え?」

男2「いやいやこっちの話。……で? なんでそんなことになったの? あんなに仲良かったのに」

後輩「……卒業旅行、どこ行くかで、パリに行くって言ってたのに、先輩が私にお金借りるのはいやだって……」

男2「うーん、イマイチよく話が見えないんだけど」

後輩「だから、私がお父さんにお金借りて、それで先輩にも貸して、ヨーロッパ行こうって言ったら、先輩が嫌だって……」

男2「……はぁーん。なんとなーく分かったよ」

後輩「それで私が絶対行くっていったら、先輩怒り出して……」

男2「なるほどねぇー……あの人そういうの嫌いそうだもんなぁ」

後輩「なんで……? 私は、先輩と一緒に思い出作りたいだけなのに……」

男2「んー、まあ、俺は先輩の気持ち分かるよ。そりゃあ、誰だって後輩が親から借りてきた金をさらに借りて旅行とか、気が進まないよ」

後輩「……そうかなぁ」

男2「普通の人はそうなの」


131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:07:59.92 ID:hqlVYEyt0
後輩「私、普通じゃないの?」

男2「ま、先輩も普通じゃないけど、普通じゃないのにも色々あるんだよ」

後輩「……」

男2「……ヨーロッパとか、そんな無理しなくてもいいんじゃないかな」

後輩「……」

男2「先輩との思い出作りたいんだろ? それなら、別にどこに行ったって作れるはずだよ。……あの先輩となら」

後輩「……」

男2「旅なんて、どこに行くかより誰と行くかが大事なんだから。大事な人となら、どこに行っても楽しいし
  嫌いな奴なら、それこそアメリカでもフランスでも絶対楽しくないだろ」

後輩「それは……多分」


133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:10:11.34 ID:hqlVYEyt0
男2「そうやって、結局お金がなくて近場にしか行けませんでした、っていうのも大事な思い出になるんじゃないかな」

後輩「そう、かな……」

男2「まあ、もう一度先輩とよく話し合ってみなよ」

後輩「……うん。ありがとう、無理に呼び出して、話聞いてもらって。なんか楽になった」

男2「なぁーに。別に大したことしてないって」

後輩「帰って、お互いに納得いくまで先輩と話し合ってみる……じゃあ、またね」

男2「ああ、また」


男2「やれやれ……」

男2「まったく妬けるねぇ……」

男2「……」

男2「……ま、いっか」


135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:13:23.94 ID:hqlVYEyt0
後輩「うぉおおおお! 先輩! ヒコーキ! 飛行機がいます!」

先輩「そりゃ空港なんだから当たり前だろ……」

後輩「私飛行機初めてなんですよねー! 楽しみです!」


後輩「おおおお、先輩先輩、スッチーがなんかやってますよ」

先輩「非常時の対応だろ。よく見とけよ、特にお前は。つかスッチーて、案外古いなお前は」

ポーン
後輩「お、お、い、いよいよ離陸ですか! えと、シートベルトはこれでいいんですよね?」

先輩「……頼むから静かにしてくれ」

ギュィイイイイイイン
後輩「は、はやいっ!!! 押し付けられるぅううううう!!」

先輩「……」

後輩「ぉおおおおおお! 飛びました! 先輩飛びました! 浮かびましたよ先輩!!!」

先輩「……誰か席代わってくれぇ……」



136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:15:36.68 ID:hqlVYEyt0
後輩「ああああああ! 先輩! 陸が見えましたよ! ほら! 島が! 山が! 海青っ!」

先輩「はいはい島島」

後輩「町ですよ! 町も見えました! わー、おもちゃみたい!」

先輩「はいはい町町」

後輩「ついに着陸ですね! ドキドキします!」

先輩「はいはいドキドキドキドキ」

ギュイイイイン ドッ ゴォオオオオオオ
後輩「ひぃいいいいいいいい!」

先輩「……うるせー」

後輩「ちゃ、着陸成功ですか?」

先輩「当たり前だろ」

後輩「わー!」パチパチ

先輩「いい加減にしろ!」ゴッ

後輩「痛! なにするんですか!」

先輩「こっちの方が恥ずかしいんだよ!」


138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:17:28.66 ID:hqlVYEyt0
後輩「先輩ー! なんか戦闘機みたいなのがいますよ!?」

先輩「自衛隊か米軍だろ」

後輩「あっ! 飛びました! はえー! うるせー!」

先輩「お前の方がうるせーよ!」

後輩「あっ、ほらほら『めんそーれ』って書いてますよ! いらっしゃいって意味ですよね! 先輩撮って撮って!」

先輩「おい、まだここから乗り継ぎなんだぞ。あんまりはしゃぎすぎると後で疲れるぞ」

後輩「先輩先輩! ちんすこう売ってますよ! 買いましょう!」

先輩「帰りにしろ! なんで今買うんだよ」

後輩「いや、途中のお菓子に……」

先輩「土産もんだよそれは! 持って来たじゃがりこでも食ってろ!」

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:20:27.21 ID:hqlVYEyt0
後輩「あっ! 見えました! 島ですよ島! 平べったい!! 珊瑚が!! 珊瑚礁が!!!」

先輩「お前スタミナあるなぁ」

後輩「わーちっちぇー、先輩これ飛行機行き過ぎちゃうんじゃないですか!?」

先輩「んなわけねーだろ……」

後輩「ぎゃぁああああ! 着陸だぁあああああ!!」


後輩「あっ! 先輩シーサーシーサー! 貝で出来てますよ!」

先輩「そりゃシーサーぐらいいるって沖縄なんだから……」

後輩「あははは、これちょっと先輩に似てますよ!」

先輩「……」ゴッ

後輩「いでっ! ちょっと! 文句があるなら口で言ってください!」


145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:22:36.37 ID:hqlVYEyt0
後輩「案外そんなベラボーに暑くもないんですねー」

先輩「そうだなぁ。気温自体は東京とかわんねーしな」

後輩「流石に日差しは相当強いみたいですけど……」

カッ

先輩「……暑っ」

後輩「な、なんですかこの太陽は!」

先輩「暑い暑い暑い! むしろ痛い! 日差しが痛い!」

後輩「ぎゃぁあああ! 焼けるぅううう!」

先輩「お、おい! 日焼け止め出せ! こんなもんまともにいたら1時間で漁師色だぞ!」

後輩「まさか南国の太陽がこれほどのものとは……」

先輩「正直ナメてたなぁ……」


147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:26:27.27 ID:hqlVYEyt0
先輩「おい、次どこを曲がるんだよ」

後輩「……え、えーっとですねぇ。次の次の道を右だと思うんですけど」

先輩「思うんですけどって、しっかりしろよ。ナビ役なんだぞお前は」

後輩「そろそろ四つ角のはずなんですけど……あれっ、今どこだ?」

先輩「なっ、ちょっと待て! 現在地わかってねーのか?」

後輩「ま、まってください。あっ、ほらそこの四つ角……じゃないですね。なんでY字路なんだ?」

先輩「……まさか、本気で今どこかわかんねーのか?」

後輩「だ、だって! ずーっと同じようなサトウキビ畑ばっかりでどの道がどれやら……」

先輩「つ、使えねーなお前は……地図ぐるぐる回しやがって……」

後輩「なっ! 先輩だってわかってないんでしょ!」

先輩「やっぱナビ付を借りりゃよかったなぁ」

後輩「先輩がケチるから……」


148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:29:29.39 ID:hqlVYEyt0
後輩「や、やっと着いた……」

先輩「何が空港から車で15分だよ。1時間ぐらいかかったじゃねーか」

後輩「まあ、相当迷ってましたからねぇ……」

先輩「あー、なんかもう疲れた……」


後輩「おー、結構いい部屋じゃないですか」

先輩「よっこいしょ、っと……」モフッ

後輩「なんか年寄り臭いなぁ。ベッドに飛び込むときはもっと元気じゃないと。よいしょっ、と」マフッ

先輩「……お前も随分大人しくなったじゃねーか」

後輩「いや、流石にちょっと疲れまして……」

先輩「だから言っただろ。まぁ、来るだけで一苦労だもんなぁ……」

後輩「これじゃイマイチリゾート気分が盛り上がりませんなぁ……あ、そうだ、海が見えるはずだけど」

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:36:54.38 ID:hqlVYEyt0
ガラッ
後輩「おっ……おおおおおおお」

後輩「先輩! 先輩! ちょっとちょっと!」

先輩「なんだようるせーな」

後輩「ほら! 海! 海です!」

先輩「あー? そりゃ海ぐらい……おお」


後輩「……綺麗ですね」

先輩「……青いな」

後輩「凄い色ですね……」

先輩「南の海なんだなぁ」

後輩「また、私達とんでもないとこに来ちゃいましたね」

先輩「……」


152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:40:15.81 ID:hqlVYEyt0
ボクガウマレター コノシマノーソラーヲー
先輩「おい、うまいぞこれ」モグモグ

ボクーハドーレクライーシッテイルダロー
後輩「いやぁ~リゾートホテルのバイキングでオリオンビールに泡盛にワインとかたまりませんねぇ」

カガヤクーホシモー ナガレルクモーモー
先輩「お前は飲んでばっかだな」ガツガツ

ナマーエヲキカーレテモワカラーナイー
後輩「いやいやちゃんと食べてますよぉ。沖縄生ライブつきとかもうサイコーです」

デモーダレヨリーダレヨリモシッテイルー
先輩「ライブは別にいらんけどな私は」バクバク

カナシイトキモー ウレシイトキモー ナンドモミアゲテーイターコノソラヲー ハイッ!
後輩「イーヤァーサァーサァー!!」

先輩「満喫してんなぁ……」

後輩「なにやってんですか! 先輩も次は一緒に言ってくださいよ!」

先輩「え、えー」

後輩「えーじゃない!!」



155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:44:18.42 ID:hqlVYEyt0
後輩「……先輩、まだ起きてます?」

先輩「……ん」

後輩「なんか……広くて落ち着きませんね」

先輩「いや、それほど広さは寮と変わらんと思うけど……」

後輩「……」

後輩「……なんか、変な感じ」

先輩「何がだ?」

後輩「こうやって、いつもと同じように先輩と同じ部屋で寝てるのに、東京から1500キロも離れてる所にいるなんて」

後輩「不思議な感覚です」

先輩「……そうだな」

後輩「……」

後輩「……明日も、晴れるといいですね」

先輩「……ああ」


156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:47:53.51 ID:hqlVYEyt0
後輩「いやぁー見事に晴れましたね」

先輩「暑いわ!」

後輩「熱中症にならないようにしないと……」

先輩「焼けるわ!」

後輩「さあ、今日は忙しいですよ!」


-東平安名岬-
先輩「うぉおおああああああああ!!」

後輩「どぉああああああああああ!!」

先輩「青っ!!」

後輩「青っ!!!」

先輩「おい! 灯台登るぞ灯台!」

後輩「人力車いますよ! 人力車!」

先輩「よっしゃ! 乗るぞ! 乗れ乗れ! 走らせろ!」

後輩「わー! 鬼畜ー!」

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:51:19.45 ID:hqlVYEyt0
-車中-
後輩「いやぁああああ、綺麗でしたねぇええええええ!!」

先輩「すげぇーな! 絵葉書そのまんまだったじゃねーか!」

後輩「絵葉書より綺麗でしたよぉお!」


先輩「ところで……飯は?」

後輩「店らしきものは……ありませんね……」


-新城海岸-
先輩「おい、このカニのから揚げうめーぞ」バリバリ

後輩「このたこ焼きもなかなか」モグモグ

先輩「うろうろしてないで真っ直ぐきときゃよかったな」ボリボリ

後輩「先輩が海の家の食事なんかきっとマズイって言うから……」モギモギ


159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:54:54.41 ID:hqlVYEyt0
「はい跳んで~」

後輩「とうっ!」

先輩「うりゃっ!」パシャッ

「はいもう一枚! 跳んで~」

後輩「はっ!」

先輩「にゃっ!」パシャッ

「もっと笑わなきゃ! はいもう一回!」

後輩「イヤスッ!」

先輩「にゃにゃっ!」パシャッ


後輩「いやぁー、いい写真を撮ってもらいましたねー」

先輩「……恥ずかしかったぞ、あれ」

後輩「旅の恥はかき捨てですよ! それより! シュノーケリングですよ!」

先輩「お前泳げんのか?」

後輩「こう見えても小学校時代は南三小の全魚人って呼ばれてましたからね!」

先輩「……全魚人?」



161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/09(日) 23:56:59.34 ID:YEzW6d0Ri
唐突に思い出した
後輩が五月病になる話書いた?


162 名前:1[]投稿日:2011/10/10(月) 00:00:55.76 ID:7Z73TB6FO
>>161
SSスレを立てるのは初めてです



164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 00:01:38.10 ID:hGFhns7U0
後輩「せせせせんぱい! 魚が! 魚ががぼがぼ!」チャプチャプ

先輩「……」チャプチャプ

後輩「しょっぱっ! せんぱっ! 魚がばおばぼっぁ!」チャプチャプ

先輩「むおー」チャプチャプ

後輩「あうおあうあおうあおあうあ!!」チャプチャプ


-車中-
後輩「いやもう、ベラボーでしたね!」

先輩「あんなに魚いるもんなんだな」

後輩「ニモが! ニモがこっちにガン飛ばしてました!」

先輩「つーかお前、シュノーケリング中に無理やり喋んなよ」

後輩「あの感動を声にだせいでか!」

先輩「何語だそれ」


165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 00:04:19.80 ID:hGFhns7U0
-西平安名岬-
後輩「南国の夕日はまったりしてますねー」

先輩「あー……そうだな……」コックリ

後輩「っていうか、もう夕方って時間でもないですけど。やっぱり相当日の入りが遅いんですね」

先輩「うん……」コックリコックリ

後輩「……先輩?」

先輩「スー……」ピトッ

後輩「ありゃ」

先輩「スー……」

後輩「……珍しくはしゃいで、疲れたみたいですね」ツンツン

後輩「……」

後輩「……かわいいなぁ」プニプニ

先輩「ん゛ー……」


166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 00:07:50.55 ID:hGFhns7U0
-ホテル-
後輩「あー疲れたぁ」

先輩「もー無理だぁ……お前に合わせてつい飲みすぎた……」

後輩「うはぁ、もうこんな時間か」

先輩「もう風呂いいやぁ。明日入ろう……」

後輩「……」

後輩「あの、先輩」

先輩「なんだよ。もう寝るぞ私は」

後輩「もうちょっと付き合ってくれませんか」

先輩「あ? なにをだよ」

後輩「深夜のお散歩」

先輩「はぁ? やなこった」

後輩「近くのビーチまで行ってみましょうよ」

先輩「なんでだよ。絶対にヤだね」


168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 00:11:03.46 ID:hGFhns7U0
後輩「……」

後輩「……だって」

後輩「明日帰っちゃうんだし」

先輩「……そりゃそうだけど」

後輩「それに……昨日曇ってたから星、見てないですし。宮古島来て星見ないとか」

先輩「……」

後輩「すぐそこじゃないですか」

先輩「……」

先輩「……じゃあ、行くか」

後輩「すみません」

先輩「……謝ることじゃねーよ」


170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 00:13:21.81 ID:hGFhns7U0
後輩「しっかし暗いですね」

先輩「この懐中電灯の電池が切れたらどうする?」

後輩「こ、怖いこと言わないで下さい」

先輩「ヤシガニふんずけてもわかんねーぞ」


後輩「……えーっと、ここはもうビーチですか?」

先輩「ぽいな。ほら、海あるぞ」

後輩「よっこらしょっと」

先輩「お前もこの二日で随分年寄り臭くなったな」

後輩「いいんですよ! 地べたに座るときは!」

先輩「なんだその理論」

後輩「……」

先輩「……」

後輩「静かですね」

先輩「……」カチッ


172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 00:15:41.06 ID:hGFhns7U0
後輩「あっ、なんで灯り消すんですか」

先輩「星見るんなら邪魔だろ」

後輩「そうですけど。先輩の顔も見えませんよ」

先輩「……」

後輩「……先輩?」

先輩「……」

後輩「先輩、そこにいるんですよね」

先輩「……」

後輩「ちょっ、先輩!? 先輩!!」

先輩「なんだようるせーな」

後輩「なんで黙るんですか!」

先輩「いやぁ、予想通りのリアクションをありがとう」


173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 00:16:17.14 ID:BpeGSXT10
ばかだな。星見るために懐中電灯消したんだろうが


175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 00:18:20.64 ID:hGFhns7U0
後輩「まったくもう……あっ」

先輩「なんだよ」

後輩「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

先輩「おいどうした?」

後輩「先輩、顔何処ですか」サワサワ

先輩「あ? なにやってんだ。ほらここが顔……わっ! なにすんだ! 放せ!」

後輩「いいからいいから。目隠し外すのと同時に空見てください」

先輩「あー?」

後輩「行きますよー」

後輩「はいっ!」パッ

先輩「……」


176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 00:20:41.23 ID:hGFhns7U0
後輩「どぉおおおおおうですかこの星空!! 目が慣れて来たらこれですよ!」

先輩「……いや、さっきから見てるし」

後輩「はぁあああ!? だったらもっと感動しなさいよ!」

先輩「……」

先輩「……言葉も出ねーんだよ」

後輩「え? なんて?」

先輩「なんでもねーよ」


後輩「あれさそり座ですよね! こっちがいて座! すごい! 星座が全部わかる!」

先輩「おい。あのもやもやしてるの何か分かるか」

後輩「え? 雲じゃないんですか?」

先輩「多分天の川だろ」

後輩「あっ、天の川ぁあ!? 実在したんですか!?」

先輩「いや、実在はするだろ」

後輩「すげーすげー!」


177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 00:22:59.84 ID:hGFhns7U0
後輩「あああああ! 流れ星! 見ました!? 見ました!?」

先輩「見たよ。はしゃぎすぎだろ」

後輩「だって、流星群の日でもなんでもないのに!」

先輩「……ちなみに、あの動いてるの何か分かるか?」

後輩「え? どれ?」

先輩「あれだよあれ」

後輩「えー……あっ、見えました。飛行機じゃないんですか?」

先輩「はずれ」

後輩「えっ、じゃ、UFOですか!?」

先輩「んなわけねーだろ……多分、人工衛星だ」

後輩「……人工衛星?」

先輩「そう」

後輩「……見えるんですか、そんなもん」

先輩「見えてるだろ」

後輩「ひぇええ……」


178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 00:24:40.55 ID:hGFhns7U0
後輩「っていうか、なんかミョーに詳しいですね」

先輩「え、い、いや、一般常識だろ、これぐらい」

後輩「さすが、ガイドブックと星の本で勉強してただけのことはありますね」

先輩「……なんで知ってんだよ」

後輩「へっへー。部屋で見つけてました」

先輩「……このっ!」バサッ

後輩「うわっ! ちょっ!」

先輩「砂まみれになっちまえ!」バサッ

後輩「こら! やめなさい! ええいお返しだ!」バサッ

先輩「なにを! やるかー!」バサバサ

後輩「こいつ! こいつ!」バッサバッサ

先輩「ペっペっ! 口に入った! ヤロー! 許さねぇ!」バサバサバッサ

185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 00:59:20.06 ID:hGFhns7U0
後輩「……はぁー」

先輩「お、観念したか」

後輩「……」

後輩「……明日、帰っちゃうんですよねぇ」

先輩「……まだ明日一日あるだろ」

後輩「いやぁ……」

後輩「なんか、こうやって先輩とじゃれあえるのも、あと僅かかと思うと」

先輩「……」

後輩「……」

先輩「……来年の3月だろ。まだまだだって」

後輩「来年の夏にはもう一緒に旅行にも行けないんですねぇ」

先輩「……」


186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 01:02:46.86 ID:hGFhns7U0
後輩「……ずっと、このままでいれたらいいのに」

先輩「……」

後輩「ずっと学生のままでいれたらいいのに……」

先輩「……学生は皆そう思ってるよ」

後輩「世の中世知辛いですねぇ」

先輩「……そうだな」


後輩「……」

後輩「あの、先輩」

先輩「ん?」

後輩「抱きしめてもいいですか」

先輩「え……ダメ」

後輩「な、なんでですか!!」

先輩「い、いや、なんとなく」


189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 01:05:58.80 ID:hGFhns7U0
後輩「そんな理由じゃダメです! 抱きしめます! 抱きしめさせてくれなかった今から海に走って入水します!」

先輩「な、なんだよそりゃ。……まあ、別にいいけど」

後輩「じゃあ、遠慮なく」

後輩「……」ギュッ

先輩「……」

後輩「……ほっそ」

先輩「……知ってる」

後輩「……あったか」

先輩「それは……お前もだ」

後輩「南の島でこの体温はいりませんね」

先輩「……自分からやっといて……」


190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 01:09:08.36 ID:hGFhns7U0
ザー…… ザー……
後輩「夜の波の音って怖いですね」

先輩「……そうだな」

後輩「……」

先輩「……」

後輩「……うっ」

先輩「ん?」

後輩「……ううう」

先輩「泣いてんのか?」

後輩「ううううー……」

先輩「……」ポンポン

後輩「せんぱい……」

先輩「……」ナデナデ


192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 01:12:36.40 ID:hGFhns7U0
後輩「……うーうー」

先輩「……確かに、不思議な感覚だな」

後輩「うー……う?」

先輩「なんで私は今、宮古島でお前なんかと抱き合ってるんだ?」

後輩「うー……うううー」

先輩「どこでどう因果がめぐり合ってこうなったんだか……」

後輩「うう」

先輩「……どっかでなにかが間違ってたら、こうはなってなかったんだろうな」

後輩「うー……」

先輩「……不思議だな、人生って」

後輩「……そうですね」

先輩「……いきなり泣きやむなよ」


193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 01:15:57.51 ID:hGFhns7U0
後輩「……先輩」

先輩「あ?」

後輩「……また、一緒に来れますよね。旅行」

先輩「……」

先輩「当たり前だろ」

後輩「……はい」

先輩「そろそろ帰ろうか?」

後輩「そうですね。いくらなんでももう寝ないと」


後輩「あー、一気に眠くなってきたー」

先輩「……」

先輩「……ずっと一緒だよ。お前と私は」

後輩「え? なんか言いましたかー?」

先輩「いいや?」

後輩「?」


194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2011/10/10(月) 01:18:46.56 ID:72LZ3SMB0
ずっと一緒にいればいいよ


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[ 2012/03/05 22:33 ] 先輩「」or後輩「」 | TB(0) | CM(1)
これ大好き。
[ 2012/03/19 22:07 ] [ 編集 ]
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