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姫「お願い……助けてぇっ……!」2/2




姫「お願い……助けてぇっ……!」




73 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 00:25:27.81 ID:jij4V/nh0
ワー…… ワー……

もうすっかり夜も更けた頃、にわかに城内が騒がしくなった。
剣の稽古で疲れ、ぐっすり眠っていた姫も目を覚ます。

姫「なに……なにかあったのかしら……? 火事……?」

バタンッ!

姫の部屋に、隊長が飛び込んできた。

隊長「謀反ですっ! 姫、お逃げ下さいっ!」

姫「む、謀反!?」

隊長「大臣です! 大臣の手勢が陛下を捕え、すでに城の大部分を制圧しています!
   まもなくここにも兵が来るでしょう!」

姫「そ、そんな……」ガタガタ

隊長「国王陛下が捕えられたため、国王を支持する兵たちは身動きができません!
   姫様の部隊だけでなんとか脱出します。さ、早くっ!」

姫「わ、分かったわ……」

かろうじて返事はできたが、姫の頭の中は真っ白になっていた。




元スレ
姫「お願い……助けてぇっ……!」



74 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 00:27:29.94 ID:jij4V/nh0
隊長と姫は部隊を率いて、城外への脱出を図る。
しかし、次々に襲いかかる大臣軍によって兵士は次々に倒れていった。

兵士A「姫……!」ドサッ
兵士B「ぐあっ……くそぉ……!」バタッ

城の近くにある森まで逃れた時には、隊長と姫は二人きりになっていた。

隊長「ここまで来れば……なんとか……」ハァハァ

姫「でも……どうしてこんなことに……」ハァハァ

隊長「大臣には、元々この国を手に入れようという野心があったのでしょう」
  (──にしても、まさか陛下がご存命の時に謀反を起こすとは……。
   おそらくこのところ急成長した姫が、力をつけるのを恐れたのだろう……)

姫「! ──隊長、後ろっ!」

ドスッ!

隊長「ぐあっ……!(不覚──!)」ドサッ

隊長の脇腹には、鉄爪が突き刺さっていた。この爪攻撃に、姫は見覚えがあった。

姫(あ、あの時の人たちと一緒……!)

暗殺者E「死んでもらいますよ、姫君……ククッ」


76 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 00:30:46.49 ID:jij4V/nh0
姫(じゃ、じゃあ……大臣はあの時から私を狙って……!)ガタガタ

暗殺者E「ククッ、国一番の剣士といえど、不意を突かれればこの程度」ジリ…

隊長「だれがこの程度、だと……!?」ムクッ
暗殺者E「な!?」

ズシャッ!

暗殺者E「がふっ!」

隊長の一閃で、暗殺者の首が飛ぶ。しかし、暗殺者は一人だけではなかった。

さらに4人の暗殺者が襲いかかる。

隊長(姫は動揺なさっている……戦わせるわけにはいかん!)
  「姫……! 私の後ろにっ!」チャキッ

姫「た……隊長……」ガタガタ


77 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 00:32:36.33 ID:jij4V/nh0
隊長の傷は内臓にまで達していた。
しかも、隊長の基本に忠実な剣と、暗殺者たちの変則的な動きの相性は最悪だった。

隊長「うおおおおっ!」

ザンッ!

暗殺者I「ぐがぁ!」ドザッ

どうにか4人とも倒したが、隊長も全身に深手を負ってしまっていた。

姫「あ、あぁ……た、隊長っ!」

隊長「姫……様……どうやら、私はここまでのよう、です……。逃げ……て……」

姫「ダ、ダメよぅ、一緒に……一緒に!」

隊長「ひ、め……あなたに、お仕えでき……楽しかっ……」

姫「あ」

姫は自ら剣を取り、山賊や野盗と戦ってきた人間である。
人の生き死にの場面には幾度となく出くわしている。

ゆえにすぐ分かってしまった。
隊長は死んだのだ、と。


78 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 00:33:52.17 ID:jij4V/nh0
「こっちで音がしたぞーっ!」 「姫かもしれない!」 「捕えろーっ!」

森の外から大臣の追っ手が迫っている。姫には隊長の死を悲しむ暇などなかった。

姫(逃げなきゃ……)

姫(逃げなきゃ──)

姫(逃げなきゃっ!)

姫(私を守ってくれた隊長や、みんなのためにっ……!)

姫は走った。ひたすら走った。夜通し走り続けた。



81 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 00:36:28.47 ID:jij4V/nh0
明け方──
自警団アジトにいつもの朝が訪れていた。

門番「交代だ」
夜門番「ういーっす」

門番(ふぅ~……いい朝だ。今日はなんかいいことがありそうだな)

いつものように、見張り台に立つ門番。

すると──

門番(なんだぁ……だれか近づいてくるぞ……? 朝っぱらから……)

門番(えらいよろついてるな……怪我人か? ん、しかも女じゃねぇか!)

門番(いや、あれは──あれは……!)

門番(姫じゃねえか!)

門番はすぐに門を開け、疲労困憊の姫をアジト内に迎え入れた。



82 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 00:39:46.95 ID:jij4V/nh0
これから朝食というところだったアジト内が一気にあわただしくなった。

「姫が来たって!?」 「えらい疲れてるみたいだ!」 「城でなんかあったのか!?」

姫「………」ハァハァ

団長「呼吸が落ち着いたらでいい。聞かせてくれ。何があったのかを」

姫「………」ハァハァ

団長の顔を見た途端、姫を支えていた何かが崩れた。

姫「うっく……ううぅぅぅ~~~……」ポロポロ

姫「夜中に……大臣がっ……! お父様……つかまっ……隊長が来て……
  私、逃げ……みんな……隊長も死ん……私……走って……!」ポロポロ

姫「私の……私のせぃ……うぅぅ~~~……!」ボロボロ

ほとんど言葉になっていなかったが、団長は何があったのか理解できた。

姫「ううっ、っ~~……」ボロボロ

姫「お願い……助けてぇっ……!」



84 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 00:43:35.31 ID:jij4V/nh0
団長「かしこまりました、姫」

姫「!」

これまで姫に対してぶっきらぼうな口調だった団長が、初めて敬語で接した。

臣民として、姫に対する心からの敬服。
武人として、隊長の遺志を継ぐという意思表示。

姫「え……?」

団長「ご安心を」

団長「我々自警団一同、姫のために動きます」

団長「隊長殿の無念……我々が必ず晴らします!」

姫「ありが、とう……」ポロポロ

団長の胸の中で姫は泣き崩れ、眠ってしまった。

団長「……副団長、今すぐ全員集めてくれ」

副団長「分かった」

86 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 00:48:31.86 ID:jij4V/nh0
すぐさまアジト内の全員が、団長のもとに集まった。

団長「聞いてくれ」

団長「昨夜、城で大臣の手によるクーデターが発生した」

団長「国王の安否は不明だが、姫は先ほどこのアジトに逃れてきた」

団長「俺はなんとしても、このクーデターを阻止するつもりだ」

団長「俺にみんなの力を貸してくれっ!!!」

オオオオオオオオオオッ!

アジトが沸き上がった。

副団長「あのクソヤロウが……テメェのどこが国を治められる器かっての……。
    この手で首を叩き落としてやる……!」

狙撃手「ふん……久々の大仕事だ。弓がうずくぜ」

盗賊「城への侵入は元プロの俺に任せてくれよ」

女僧侶「久々に腕がなりますわね……!」バキボキ

芸人「ぼくも──って、え!?(バキボキって……)」


87 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 00:50:58.41 ID:jij4V/nh0
城 大臣室──

大臣「ちっ、姫は逃がしたか……。まったく使えん奴らだ」

護衛「しかし、厄介な親衛隊長を仕留めることができましたし、
   姫の部隊全員の死体を確認しています。もはや再起は不可能かと。
   国王も幽閉してある以上、王を支持する面々も我々に手出しはできません」

大臣「ふん……まぁな。あの小娘が今更どう動こうが、この状況は覆せん」

護衛「──にしても、本来は国王が死んでから実行する予定でしたが、
   ずいぶんと予定を早められましたな」

大臣「あの小娘だ。女とはいえやはり王家の血をひいているというべきか。
   このところ急速に成長し、人心を引きつけるようになってきた」

大臣「あれ以上のさばられると、城内に姫を支持する派閥ができてしまい、
   クーデターどころではなくなってしまうからな」

大臣「あとはうまい具合にあの病弱国王を操縦し、私が全権を握る。
   ようやく私がこの国の支配者となれるわけだ」

護衛「その時は──」

大臣「約束通り、お前を軍団長にしてやる。クックック……。
   腕はいいが非情な性格が災いして上に立てなかったキサマもまた、
   ようやく日の目を見られるというわけだ」

護衛「ありがとうございます」ニヤッ


88 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 00:53:25.06 ID:jij4V/nh0
自警団アジト──

団長「姫は?」

副団長「女僧侶たちが寝かせてやったよ。ぐっすり眠ってる」

団長「そうか」

団長「やることは二つ。国王の奪回と大臣の捕縛あるいは殺害、だ」

副団長「しっかし、国王は生きてるのかねえ?」

団長「大臣とてそこまでバカではないだろう。
   王を殺したのでこれからは私が王です、が通用する国柄ではない」

副団長「ま、そりゃそうか」

団長「大臣は城の守備は、自分の息がかかっている者だけにしているはず。
   つまりこの戦い、実質的な敵は大臣の手勢だけだろう。
   しかしそれでも、まともにぶつかれば俺たちは100パーセント負ける」

副団長「いかにして、大臣と兵士たちを引き離すかがポイントってことか」


89 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 00:56:00.48 ID:jij4V/nh0
時間を経てば経つほど、大臣側の防備が整い不利になる。

一通りの作戦を立てた自警団は、さっそく出撃することにした。

すると、疲労困憊で熟睡していたはずの姫が起き上がってきた。

姫「待って、私も行く!」

団長「ダメです。姫にもしものことがあれば、
   あなたを命懸けで守った隊長殿に顔向けができなくなります。
   このアジトで待っていて下さい」

姫「ここで私が行かなければ……あなたたちだけを戦わせたりしたら、
  私のやってきたことなんて本当にままごとだわ!
  お願い、絶対足手まといにはならない! 連れてって!」

団長「……分かりました。姫にはかないません。ただし絶対に死なないで下さいね」
  (きっと隊長殿もこういう時、断り切れなかったんだろうな)

姫「ありがとう!」


90 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 00:58:59.64 ID:jij4V/nh0
正午過ぎ──
城に向かってくる軍勢があった。もちろん、すぐに大臣に報告がなされる。

大臣兵A「大臣、城近くの平原に小規模ながら部隊が集結しております。
     この城に攻撃をしかけてくるつもりかと」

大臣「なんだと? そいつらは何者だ?」

大臣兵A「自警団の連中と思われます」

大臣「自警団!? なぜ、あの野良犬どもがわざわざこんなところに……。
   ──そうか。なるほど姫め、自警団とつながっておったか」

大臣「ふん、かまわん蹴散らせ! 叩きつぶせ!
   野良犬どもに正規軍の恐ろしさを思い知らせてやるのだ!」

大臣兵A「し、しかし……自警団には大臣のご子息が──」

大臣「バカめ! あれは私の失敗作だ、息子でもなんでもない。
   ちょうどいい機会だ、見つけたらついでに殺してしまえっ!」

大臣兵A「……はっ、では出撃いたしますっ!」


91 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:01:13.66 ID:jij4V/nh0
城から、大臣の兵たちが次々と出撃する。

団員A「うひょ~出てきた、出てきた」

団員B「俺たちゃ、ほとんどろくな生まれじゃねえが、逃げ足だけは速いぜ!」

団員C「よし、みんな散れっ! 死ぬなよ!」

ワアァァァァァァ!

大臣兵A「な、なんだぁ……奴ら逃げていきやがる」

大臣兵B「俺たちの勢いに恐れをなしたんだろうぜ。ええい、逃がすか。
     追いかけて、ひっ捕えろ!」

大臣兵A「ここで手柄立てときゃ、あとでいい地位につけるかもしれないしな」


92 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:09:21.97 ID:jij4V/nh0
すると、新しい報告が入ってきた。

大臣兵C「大臣っ! 城西門から、すさまじい数の矢が飛んできていると報告が!」

大臣「矢だと……? どうせ自警団だろう、下らんことをっ! こちらも弓で応戦しろ!」

大臣兵C「は、はいっ!」

さらに報告が入る。

大臣「ええい、今度はなんだ!?」

大臣兵D「はっ、先ほどから拷問にかけている──」

大臣「ああアレか、もう拷問の必要はない。
   姫のいる場所は自警団のアジトだと分かったからな。
   といってもあの傷では、放っておいてもくたばる。その辺に捨てておけ」

大臣兵D「はっ!」

護衛「クククッ、にわかに騒がしくなってきましたな」

大臣「しょせんは野良犬の遠吠えよ。すぐに収まる」


93 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:10:38.21 ID:jij4V/nh0
城西門──

ヒュヒュヒュヒュヒュ……!

無数の矢が大臣軍に降り注ぎ、かなりの打撃を与えていた。

大臣弓兵A「く、くそっ! 矢の雨あられだ!」

大臣弓兵B「こりゃあ、かなりの数の弓使いが潜んでるぞ」

この無数の矢の正体は、狙撃手率いる自警団の弓部隊だった。

狙撃手「うはははーっ! 
    一度こうやって思う存分、矢を撃ってみたかったんだよなぁー!
    サイコーッ!」

ビュビュビュッ!

狙撃手は矢を同時に十数本つがえ、しかもそれを連射していた。

団員D(一人で50人……いや100人分くらい撃ってるよ、この人……)

団員E(それでも敵兵以上の命中精度だし……恐ろしや)

団員F(完全に目がイッちゃってる……)


94 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:11:24.25 ID:Y3b+jB3Ji
>>93
無理だろww


95 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:13:16.27 ID:jij4V/nh0
城の裏口──

団長、姫、副団長、女僧侶、盗賊、芸人の6名が集結していた。

ガチャッ

盗賊「開いたぜ。へへっ、ちょろいちょろい」

姫「……みんな、大丈夫かしら」

副団長「心配するな、姫さん。
    大臣の本隊を引きつける部隊は逃げるのが得意なのばかりを選んだし、
    狙撃手たちは大臣の弓部隊にやられるほどヤワじゃない」

団長「では手はず通りに、大臣のところには俺と副団長で向かう、
   地下牢の国王救出は姫と盗賊、女僧侶と芸人はかく乱を頼む」

副団長「……やっぱり姫さんに俺か団長がついた方がいいんじゃないか?」

姫「大丈夫よ。私はほとんどの兵士に勝てる自信があるし、
  大臣の性格なら、お父様のところより自分の近くにいっぱい兵を置くだろうし」

副団長「まぁ、あのバカならそうするだろうな」

団長「侵入するぞ」


96 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:15:56.65 ID:jij4V/nh0
芸人「昔、城下町の演説で声を聞いたことがあってよかったよ。スゥ~……」

芸人「私は大臣だっ! 全兵に次ぐ、今すぐ城下町に集合せよっ!」

芸人「繰り返すっ! 今すぐ城下町に集合せよっ!」

芸人「繰り返すっ! 今すぐ城下町に集合せよっ!」

姫(すごい、完全に大臣の声だ……!)

芸人は女僧侶といっしょに城内を駆け回る。

「大臣の声だぞ!」 「城下町に敵が来てるのか?」 「すぐ城外へ出ろっ!」 ダダダッ

団長「これで少しはラクになるだろう。俺たちも行くぞ。
   姫、死ぬなよっ! 盗賊、姫を頼むぞ!」

姫「うんっ!」
盗賊「分かりましたっ!」


97 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:17:46.49 ID:jij4V/nh0
城 大臣室──

大臣「私が町に向かえ、と命令を出しまくっている、だと!?
   バカな、そんな命令は出していないぞ!」

大臣兵D「し、しかし現に……」

大臣「敵の罠に決まっているだろうが! このボンクラどもめ!
   さっさと私になりすましている奴をひっ捕えろ!」

大臣兵D「はいっ!」

護衛「どうやらネズミが入り込んだようですな。
   国王を奪われると、少々やっかいなことになりますが……」

大臣「ふん、あの老いぼれはさっき発作を起こしておったからな。一歩も動けん。
   それよりネズミたちが私を襲ってきても、大丈夫だろうな……?」

護衛「ご安心下さい。私の部下が、この部屋の周囲を固めております。
   それに私の剣術は、親衛隊長が死んだ今この国でナンバーワンです。
   自警団如き、たとえ100人来ようと返り討ちにしてみせましょう」

大臣「………」



99 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:24:03.73 ID:jij4V/nh0
城 地下牢──

盗賊「くっ……番兵がいますぜ。しかも5人も……」ヒソヒソ

姫「大丈夫。私に任せて」ヒソヒソ

盗賊「えっ? ちょっ」

姫は盗賊に剣を預けると、番兵たちの前に姿を現した。

姫「みんな」

番兵A「うわっ、ひ、姫っ!? な、なんでこんなところに──!」

番兵B「と、捕えないと……」

番兵C「あ、あぁ、だが──」

番兵D「………」

番兵E「俺たちは……」

もちろん、番兵たちには大臣の息がかかっている。
大臣の命令に背けば、自分はおろか家族の命すら危うい。

しかし、武器を持たずに身を晒した姫の姿に、手を出せなくなってしまっていた。
彼らとて、姫を赤子の頃から見てきた人間なのだ。


100 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:24:58.90 ID:jij4V/nh0
番兵A「我々は……姫に手出しをすることはできません。
    陛下はこの奥の牢屋にいます。どうかこの国をお救い下さい……!」

姫「ありがとう、みんな……」

番兵A「しかし、我々は鍵を持たされていませんので……」

盗賊「姫、牢屋の鍵くらい俺が開けますぜ」

姫「ちょっと待って、私にやらせて」カチャカチャ

姫は懐から針金を取り出すと、国王が捕らわれている牢屋をピッキングしてみせた。

姫「やった、できたわっ! どうだった、師匠?」

盗賊「お、おみごと……!(こりゃあ、すげぇ才能だ……!)」


101 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:27:27.04 ID:jij4V/nh0
しかし、元々病弱な上、粗末な牢に閉じ込められていた国王は衰弱しきっていた。

国王「ん……おおっ……! 姫よ、無事じゃったか……!」ゴホッゴホッ

姫「お父様、しっかりして!」
盗賊(これじゃ連れ出すのは難しいな……)

国王「すまん……ワシがふがいないばかりに……!
   大臣の野心を抑えられず、つけいるスキを与えてしもうたわ……」ゴホゴホ

姫「もう大丈夫よ、私がここにいるわ」

国王「ふっ……姫、顔に書いてあるぞ。本当は戦いたいんじゃろう?
   この城のどこかで、大切なだれかが戦っているんじゃろう?」

姫「!」

国王「ワシは情けないことにこのありさまで、しばらくは一歩も動けぬ。
   姫、ゆくがいい。ワシは大丈夫じゃ……」

姫「ごめんなさい、お父様……。私には、もう少しだけやることがあるの」

姫「盗賊、お父様をお願い!」ダッ
盗賊「えぇっ!? お、お願いって──」

盗賊「あ……の、国王様、肩でもお揉みしましょうか?」

国王「う、うむ……頼む……」ゴホッゴホッ


102 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:30:21.80 ID:jij4V/nh0
城内廊下──

団長と副団長は、襲いかかる敵兵を倒しつつ大臣を目指していた。

「ぐあっ!」 「こいつら強いぞ──ぐわっ!」 「ギャアッ!」



副団長「はぁ、はぁ……。芸人たちがかく乱したとはいえ、まだけっこう数がいるな」

団長「大臣のおこぼれに期待してるような連中とはいえ、正規兵だ。気を抜くなよ」

副団長「だれが抜くかよ──ん? あそこにだれか倒れてるぜ」

団長「老人、だな……。助けられるか分からんが……手当てをしてみるか」

倒れていたのは、姫の執事だった。

副団長(ひどい傷だ……。これはもう、助からねえ……)

副団長「俺の記憶が正しければ、たしかこの人は城の執事だったはず。
    姫の逃走先を知ってる可能性があるから、拷問されたんだな……」

執事「うぅ……」

団長「(気休めにもならないだろうが……)応急手当ての心得はある。
   じっとしていてくれ」


103 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:32:08.16 ID:jij4V/nh0
執事「──若っ!? 若ではありませぬか!?」

団長「?」

執事「ゲホッ、ゴホッ。わ、私は昔、あなたのお世話をしておりました……!
   おおっ……まさか本当に生きておられたとは──!
   姫をっ……姫をどうか……」

団長「若……? 副団長、分かるか?」

副団長「ん……。あぁ、多分だが……国王の息子のことだろう。
    姫さんには兄さんがいたんだよ」

副団長「たしか俺と同じぐらいに生まれた人だったはずだ。
    でも子供の頃に死んじまったから、俺も見たことはないけどな」

団長「死んだ?」

副団長「あぁ……事故にあってリバー川で水死したって話だ……」

団長「………」



 
105 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:35:29.30 ID:jij4V/nh0
団長「執事殿……。残念ながら、人違いだ。俺は自警団の団長だ。
   しゃべるとますます苦しくなる。すぐ手当てするから──」

執事「!」

執事「そ、そうでしたか……あ、あなたが、あの……!
   自警団の噂は城にも届いておりましたが、実際に拝見はしてなかったので……。
   とんだ、失礼を……ゴホッ。どこか面影があったもので……」

団長「しゃべってはダメだ」

執事「ひ、姫を……どうか……」

団長「……分かった。必ず姫は守る。約束する。
   隊長殿の分も、あなたの分も、そして姫の死んだ兄の分も……必ず」

執事「あ、ありが……と……ぅ……」

団長「………」

副団長(死んだか……。姫さん、アンタの執事は執事の鑑だったぜ)

団長は執事の目を閉じてやると、立ち上がった。

団長「急ごう」


106 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:39:29.17 ID:jij4V/nh0
城内──

その頃、かく乱作戦をしていた芸人と女僧侶は兵士5人に囲まれていた。

大臣兵D「大臣の声を真似るとは器用な奴もいたもんだな。だが、もう終わりだ」

芸人(くそっ……ここまでか。でも、女僧侶だけはなんとか逃がさなきゃ──)

女僧侶「芸人さん、さがっていて下さい」スッ

芸人「え?」

女僧侶「はぁっ!」バッ

大臣兵D「と、跳んだ!?」

女僧侶「はっ!」 「よっ!」 「とぉーっ!」 「えいっ!」 「せりゃっ!」スタッ

眉間、顎、ノド、ミゾオチ、股間。
女僧侶は5人にそれぞれ一撃ずつ入れ、打ち倒してしまった。

芸人「こ、これはいったい……?」

女僧侶「大丈夫、殺生はしておりません」

芸人「いや、そういうことじゃなくて……」
  (自警団最強は団長でも副団長でもなく、もしやこの人では……)


107 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:40:32.51 ID:jij4V/nh0
城西門──

大臣側の兵が追加されたことにより、弓矢合戦は自警団側が押されていた。

団員D「くそっ、もっと敵をここに引きつけなきゃいけないのに!」

狙撃手「……ここまでか」

団員D「狙撃手さん、諦めたらダメです! ここで敵を引きつけないと、
    城に入った団長や姫たちが危なく──」

狙撃手「ちげぇよ」

団員D「え?」

狙撃手「手加減するのはここまでか、って意味だよ。
    俺の愛弓に負担がかかるからやりたくなかったが、しかたねぇ。
    ──三倍速っ!」

ビュババババババッ!

団員D(速っ!)

狙撃手「ボヤボヤすんな。俺が本気で連射したら矢なんていくらあっても足りねぇ!
    敵が撃ってきた矢も全部拾って持ってこい!」

団員D「はっ……はいっ!」



 
109 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:43:58.86 ID:jij4V/nh0
再び城内──

団長と副団長は、大臣室の目前まで迫っていた。

しかし、暗殺者たちが二人を待ち受ける。

副団長「あいつらが、前に姫さんとお前を襲った──!」

団長「暗殺者どもだ」

副団長「ちっ、大臣も悪趣味なのを飼ってやがるぜ……」

暗殺者J「待っていたぞ、野良犬ども」
暗殺者K「この爪で切り裂いてやる」
暗殺者L「ここから先へは通さん」
暗殺者M「キサマらを片付けたら、姫の番だ」

団長「動きに惑わされるなよ」

副団長「分かってるよ。奴らのことはお前から聞いてるからな」



111 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:46:04.71 ID:jij4V/nh0
暗殺者たちは巧みな連係プレイで攻めてきた。
互いの体で死角を作り、死角からすばやく飛びかかる。

副団長「コンビネーションか……」

副団長「ふん、俺と団長だって十年来の付き合いなんだ。
    俺たちのコンビネーションも見せてやろうぜ」

団長「コンビネーション? 俺とお前が? あったか、そんなの?」

副団長「いや……ないけど」

団長は一度戦った際、すでに暗殺者たちの弱点を見抜いていた。
むろん、副団長にも教えてある。

変則的な動きに付き合わなければ、純粋な攻防技術は稚拙である、と。

ズシャッ! ザシュッ! ビシュッ! ザンッ!

「ぐえっ!」  「げぁっ!」  「ぐうっ!」  「がはぁっ!」

二人は巧みな個人技で暗殺者たちを斬り倒した。


112 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:50:12.75 ID:jij4V/nh0
大臣室──

バンッ!

団長と副団長がなだれ込むと、大臣はおらず、護衛が一人いるだけだった。

団長「大臣はどこだ?」

護衛「ネズミがずいぶん頑張っているというのでな、念のため避難してもらった」
  (ふん、あの臆病者め……。私がいれば安全だというのに……)

団長「大臣を逃がすわけにはいかん。副団長、頼む」

副団長「分かった、任せろ。お強そうなボスは頼んだぜ」ダッ

副団長は部屋から出て行った。

護衛(クククッ、大臣は秘密通路を使ったのだ。見つかるものか)

団長「クーデターの片棒を担いだのはお前だな?」

護衛「その通り。私は兵士としてはまちがいなくこの国でナンバーワンなのだが、
   いかんせん周りがそれを認めようとしなくてな」

護衛「大臣が王になれば、私は軍団長になれる」

団長「だが、お前たちのクーデターはもう頓挫しかかっているぞ?」

護衛「おそらくキサマが自警団の長だろう? キサマを殺し、姫を殺せば、
   あとはどうにでもなる……!」


113 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:51:41.41 ID:jij4V/nh0
両者、すばやい踏み込みから斬り込む。

ガキンッ! ギリッ…!

しばらく鍔迫り合いをした後、間合いを取る。

団長(コイツ、口だけじゃないな……強い……!)

護衛(なんだと! こんな野良犬が、私の一撃を防いだだと!?)

ガキッ! キンッ! ガキンッ!

団長も護衛も一歩も引かぬ、激しい打ち合いが展開される。
刃と刃がぶつかり合い、火花が幾度となく散る。

一瞬でも気を抜けば、即致命傷であろうハイレベルな戦い。

団長(速さはやや俺が勝るが、力比べでは不利だな……)

護衛(まさか、こんなゴロツキが私の互角の力量だと!? あ、ありえんっ、断じて!)


114 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:54:40.99 ID:jij4V/nh0
護衛が大きくないだ一撃を、軽やかにバックステップでかわす団長。
団長の突きを、豪快に打ち払う護衛。

一進一退。

団長「やるな……」ハァハァ

護衛「お、おのれぇ……!」ゼェゼェ

この時点で、護衛のプライドはズタズタだった。

王国ナンバーワンの兵士が、軍団長にも手が届こうという男が、
自警団などという野良犬集団のリーダーと互角に剣を交えるなど──

──あってはならない。

絶対に!

護衛「ぬおおおおっ!」

一気に決着をつけるため、大きく剣を振り上げる護衛。
しかし、これこそ団長が待っていた瞬間だった。

団長「俺の勝ちだ」

ザンッ!

瞬時に懐に入られ、護衛は腹部を大きく切り裂かれた。


116 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 01:57:52.35 ID:jij4V/nh0
護衛「がはぁ……ぐぅぅ……バ、バカなぁ……!」ゴホッ

団長「アンタの顔に出ていたよ。
   こんな奴との勝負は一秒でも早く終わらせねば、ってな」

護衛「ぐっ……ぐぞぉ~……!(あ……悪夢だ……!)」ガハッ

力量がほぼ五分五分な以上、もはやここからの逆転はありえない。
なにもアクシデントが起こらなければ……。

ガチャッ

姫「団長っ!」

部屋に、姫が入ってきた。

団長「姫っ!?」

護衛(──しめたっ!)ダッ

護衛は力を振り絞り、姫を後ろから捕え、首に剣を突きつけた。

護衛(深手は負ったが、まだ助かる傷だ……この場さえ乗り切れば……!)
  「クククッ……動くなっ!」ゴフッ


117 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:00:24.53 ID:jij4V/nh0
団長(しまった……!)

護衛「よぉじ……ぐっ、じ、自害しろ! さもないと、姫を殺すぞォォォ!」
  (キサマが自害したら、姫も殺すがな……!)

団長「くっ……!」

姫「大丈夫よ、団長」

姫「足手まといにはならないっていったでしょ?」

団長「ひ、姫……?」

護衛「おい……勝手にしゃべるんじゃない! 小娘が!」ゲホッ

姫「後ろを見るくらいの気持ちで、だったわよね。
  もっともこの場合は見るまでもなく、後ろに敵がいるんだけど……」

グサッ!

護衛「──はうっ!?」

姫は持っていた針金で護衛の太ももを突き刺すと──

姫「ええいっ!」

──後ろに組みついていた護衛を、力を使わず背負い投げのようにブン投げた。


118 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:02:32.91 ID:jij4V/nh0
ドゴンッ!

脳天から床に落ちた護衛は、元々重傷だったこともあり、ピクリとも動かなくなった。

姫「はぁ……はぁ……」

団長「(ちょっと驚いたが)いい投げでした、姫。お怪我はありませんか?」

姫「うん……。でも、来る途中で執事を見つけて……」

団長「俺が彼を看取りました。彼は最期まであなたの身を案じていましたよ」

姫「うん……」ポロッ

団長「姫、もう大丈夫ですよ」ギュッ

姫「うん……!」ギュッ

団長は力いっぱい姫を抱きしめた。姫もそれに甘えた。


119 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:05:30.37 ID:jij4V/nh0
城 秘密通路出口──

兵を二人従えた大臣は、秘密通路を使い、城からの脱出を図っていた。
大臣はすでに、クーデターに見切りをつけていたのだ。

大臣「ええい、なにもかもメチャクチャだっ! 自警団どもめ……!
   こうなったのも、あの小娘のせいで計画を大幅に早めてしまったせいだ!」

大臣「こ、こうなったら亡命だ。亡命してやる。
   私はこの国の機密事項をいくつも知っている」

大臣「どこの国も、私の情報はノドから手が出るほど欲しいだろうし──」

 「よう」


121 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:09:36.47 ID:jij4V/nh0
大臣「!?」

副団長「久しぶりだな」

大臣「キ、キ、キサマは……!」

副団長「これも、血の繋がりってやつなのかねぇ……。
    俺にはアンタがどう逃げるか、不思議となんとなく分かっちまってさ」ニヤ

大臣「おい、お前たち、アイツを殺せっ!」

副団長「来いよ……」ギロッ

大臣兵E「ヒッ!」
大臣兵F「ウワッ!」

大臣兵E&F「うわぁ~!」ダダッ

二人の兵は副団長の迫力に押され、逃げ出してしまった。


122 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:13:53.06 ID:jij4V/nh0
大臣「ひぃぃっ! ま、待て! 頼む、息子よ!」

副団長「お前には団長の手にかかる価値も、姫さんの手にかかる価値もない。
    きっちり法に乗っ取って裁いてやる価値すらない」

副団長「俺がこの手で始末をつけてやる」ジャキッ

大臣「や、やめろっ! キサマ、実の父親を殺す気か!?」

副団長「姫さんを……いや、国を殺しかけたアンタがよくもまぁ、ほざくもんだな」

大臣「そうだ、我が愛する息子よ……。お前も私と一緒に亡命しよう!
   な!? 私の政治力とお前の剣術が合わされば、きっと──」

副団長「……もうしゃべるなよ」

大臣「ま、待っ──」

 「ギャアアアアアアッ!」


123 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:20:02.67 ID:jij4V/nh0
クーデターの主要人物を失ったことで、大臣軍の指揮系統は崩壊した。

まもなく、容態が回復した国王の号令によって、国王派の軍が動き、
大臣の手勢は完全に駆逐された。

こうして大臣のクーデターはわずか一日足らずで鎮圧される結果となった。

もちろん、この快挙は王国軍だけでは達成できなかっただろう。

夜を徹して走り続けた姫と、彼女のために立ち上がった自警団の面々がいたからこそ、
王国は救われたのだ。


124 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:21:03.50 ID:jij4V/nh0
その日のうちに、国王は城内の臣下を集めた。

国王「このたびの大臣の謀反……全責任はワシにある」

国王「ワシが力足らずだったばかりに、大臣の野心の芽を食い止められず、
   結果、大勢の優秀な部下を死なせる事態となってしまった……」

国王「彼らにはいったいなんと詫びていいのか、言葉すら見つからぬ」

国王「もはやワシも病を患っているから、などと甘えてはおる場合ではない。
   彼らの死に報いるためにも、ワシはこの国を立て直す!」

国王「どうか皆にも、協力してほしい……!」

ワアァァァァァァァッ!

国王「そして、ワシは今回活躍してくれた自警団のメンバーを正式に王国軍として
   迎え入れたいと考えておる」

国王「クーデターを即座に鎮圧できたのも、彼らの協力があってこそ!」

姫「お父様、その件なんだけど……」

国王「む?」

姫「さっき『もうここに用はないから』って、みんなアジトに帰っちゃったわ」

国王「な、なにぃ!?」


125 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:21:47.04 ID:jij4V/nh0
アジトに戻る自警団のメンバーたち──

彼らは一部怪我人こそ出たものの、国王の号令による援軍が早かったこともあり、
犠牲者を出すことなく戦いを終えることができた。

芸人「“声変えたまま叫びまくるのは、やっぱりキツかったなぁ。
   声がガラガラになっちゃったよ”」

女僧侶「私も久々に運動したので、疲れてしまいましたわ」

芸人(ホント、あなたは強かったよ……)

女僧侶「でも姫様のこれからが少し心配ですわね。気丈に振る舞われていたけど、
    きっと徐々に悲しみが押し寄せてくるはず……」

盗賊「大丈夫、姫様は強いぜ! なにしろ俺の一番弟子だからな」

狙撃手「バカ、姫は俺の一番弟子だ。いやぁ~姫にも見せたかったなぁ。
    大勢の弓部隊に三倍速で立ち向かう俺の雄姿……」

狙撃手「おかげで、俺の愛弓はボロボロになっちまったがな」トホホ

団員D(いつか姫にも三倍速を伝授するつもりかな……この人)


128 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:25:12.95 ID:jij4V/nh0
団長「副団長」

副団長「ん?」

団長「……お前には辛い役目をやらせてしまったな」

副団長「気にするなよ。家を捨てた時から、いつかこうなる気がしてたしな。
    俺が家を飛び出せば目を覚ましてくれるかと、少しだけ期待してたが……」

団長「………」

副団長「ところで死んじまった執事の話、覚えてるか?」

団長「国王の死んだ息子の話か」

副団長「アレなんだが……実はリバー川に落ちた息子は水死したことになってるが、
    実際に死体が見つかったってわけじゃないんだ。もしかしたら──」

団長「よせよ。俺みたいなゴロツキが姫の兄貴なんかのわけないだろう。
   姫だって悲しむ」

副団長(俺は喜ぶと思うがねえ……)

団長「姫は……もう大丈夫だ。本当に強くなってくれた」

副団長「……ま、俺はお前についてくだけさ。今後ともよろしく頼むぜ、団長」


129 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:27:43.78 ID:jij4V/nh0
クーデターから一ヶ月後──
自警団アジトでは、いつものように門番が見張りをしていた。

門番(ふぅ……最近姫、来ないなぁ。まぁ、あんな事件が起きた後じゃ
   色々忙しいだろうけど……ん?)

門番(馬車!? しかも兵隊大勢連れて! な、なんだ!?)

馬車から下りてきたのは、めずらしくドレスを着た姫だった。

兵士「では姫様、夕刻頃にお迎えに上がりますので」

姫「うん、ありがと」

姫「門番、お久しぶりー! 開けてもらえるー?」

門番「は、はいっ! 開けます、開けます!」ガタンゴトン

姫「自警団アジトに行くのはいいけど、警護をつけろってお父様がうるさくて……。
  ごめんなさいね、騒がせて」

門番「いえいえ、みんな喜びますよ!」


132 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:30:24.54 ID:jij4V/nh0
自警団アジト内──

「姫様、お久しぶりー!」 「やっぱ可愛い~!」 「気品に満ちあふれてますよ!」

「待ってました!」 「よっ、我らがアイドル!」 「もう来てくれないのかと……」

姫「今日は久々だったから、おめかししてきちゃった。どう?」

芸人「最高ですっ!」

女僧侶「お美しいですわ、姫様。あでやかで、それでいて儚い、一輪の花のようです」

狙撃手「ヤバイ、俺のハートが姫に狙撃されそうなんだけど。というか、された」

盗賊「本当におキレイですぜ! 師匠として鼻が高い!」

副団長「もう軽々しく姫さん、なんて呼べませんね、ハハ(呼ぶけど)」

姫「ね、団長」

団長「は、はい」

姫「感想を聞かせてよ」

団長「……とてもキレイです」

姫「ふふっ、ありがとう」


133 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:32:11.11 ID:jij4V/nh0
姫「団長。私がここに逃げてきた時から敬語になっちゃったけど、
  あれは私を姫として認めてくれたからってことでいいの?」

団長「えぇ、あとは亡き隊長殿の遺志を継ぐという意味でも……」

姫「ってことは、姫である私のお願いを聞いてくれるのよね?」

団長「!? ──まぁ、聞けることなら」

姫「じゃあ……これからは時々、団長のこと“お兄様”って呼んでいい?
  そして団長はそう呼ばれたら、ちゃんと兄として振る舞うこと」

団長「!」

姫「……ダメ、かな」

団長「………」

団長「いいですよ」

芸人「えぇ~!? なんで団長だけ……ずるい」
狙撃手「俺にもお兄様って呼んで下さい! お願いしますっ! お願いしますっ!」
盗賊「師匠の俺だって、兄になる権利がありますぜ!」

姫「だ~め。団長だけ」

副団長「くくくっ……」


134 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:40:55.30 ID:jij4V/nh0
姫「じゃあさっそくだけど、お兄様、剣の稽古をつけてくれる?」

団長「えぇ、と。その格好でやる気か? だれかに服借りて、さっさと着替えてきな」

姫「はーい」



女僧侶「でもたしかに……あの二人、本当の兄妹のような雰囲気を出してますわね」

芸人「ん~……いわれてみると、それはあるかもね」

狙撃手「ないない! 血生臭い猛禽類と美しい白鳥が、兄妹だなんてありえねぇ!」

盗賊「オイ、団長を猛禽類呼ばわりかよ(合ってるけど)」

副団長「ま、俺はアリだと思うぜ……あんな兄妹も」



姫「今日こそお兄様に勝つんだから!」

団長「大きく出たな。妹だからって手加減はしないぞ。負けても泣くなよ?」

姫「そっちこそ!」


135 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:41:12.40 ID:jij4V/nh0
この後、国王は全盛期のリーダーシップを発揮し始め、
クーデターで弱まるかと思われたこの国を立て直していく。


姫は変わらず自ら剣を取って、臣民を守るために日々奔走する。
そしていつしか国内有数の剣士の一人として数えられるまでになった。


自警団もまた、王の懇願で王国軍内の独立部隊のような組織となり、さらに発展。
団長と副団長を始め、メンバーは国中の信頼を得ることになる。


彼らの力は一つとなり、治安をみるみるうちに改善していき、
この国は空前の発展を遂げることになるのだった。


                                  ~おわり~


136 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[sage]投稿日:2012/01/22(日) 02:42:28.86 ID:Jmzcq4V60
乙!

面白かったよー!


137 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:44:44.23 ID:wMe/Tepa0
超おつ
鯖の調子が悪いにも関わらずよく最後までやってくれた
王道だが俺好みの世界観で楽しかったぜ


138 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:45:08.88 ID:rnveleIY0
乙!
面白かった


139 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:45:28.73 ID:lug1jby20
乙!

試験勉強を捨てて張り付いてたかいがあったよ
おもしろかった!


140 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[sage]投稿日:2012/01/22(日) 02:48:00.68 ID:pGAHxYbd0
スレタイ→陵辱モノか
途中まで→シュミレーションRPGか(FEっぽいな)
最後のほう→近親相姦!近親相姦!
今→
>>1乙!!!!!



141 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:48:40.57 ID:JOHgQOzaO

素晴らしい


142 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:48:59.02 ID:y8jv5JQr0
お疲れ! 面白かったよ。またなんか投下する機会があったら呼んでくれ!


143 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[sage]投稿日:2012/01/22(日) 02:49:09.69 ID:zJtVi2J2P

好きだよこういうの


144 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:49:53.21 ID:sU9IfIZn0
乙ー
こういうの好き!


145 名前:!ninja[]投稿日:2012/01/22(日) 02:57:29.57 ID:wK+IBmrg0
ハッピーエンドで良かった良かった



146 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:59:31.23 ID:rnYaWe6p0
ペース早くて嬉しいね
楽しかったよ、
>>1


147 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 02:59:59.98 ID:Ct8KlR+V0
乙!
よかった


148 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 03:04:34.69 ID:9+ICu/G30
面白かったぜ乙
眠気をこらえた甲斐があった


149 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 03:06:05.24 ID:XSKQliMC0
乙んつん!


150 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ[]投稿日:2012/01/22(日) 03:29:20.61 ID:rGwrpnOxi

この時間にやんなかったら荒れてたかもな
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