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姫「こんにちはー!」魔王「……は?」1/3



姫「こんにちはー!」魔王「……は?」



1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 01:26:00.50 ID:gnLBlFkHO
姫「こんにちは魔王様、私、或国の姫です!」

魔王「……」

姫「あれっ聞こえなかったかな!?もしもし!?」

魔王「聞こえている……」

姫「やだ聞こえてないふりしてたのー? もーお茶目さんっ」キャッキャッ

魔王「ムカつくからやめろ」

姫「……」




元スレ
姫「こんにちはー!」魔王「……は?」



2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 01:27:38.25 ID:gnLBlFkHO
魔王「……一国の姫が、闇の底に沈む我が城に、一人で、しかもそのような軽装で飛び込んでくるとはいい度胸だな? 最後に言い残す事はないか?聞いてやるぞ」カチャ

姫「や、や、やめてよ!その装飾品をごてごてに付けた剣しまってよ! 今日は魔王様にお話があって来たんだから!」

魔王「ほう。姫様はまともな教育も受けていないと見受けられる。それともアポ無しの面会がそちらの国でのマナーなのかな」

姫「それは……ごめんなさい」

魔王「大体よくお前の父、或国の王がこちらに向かうことを許してくれたな」

姫「許してもらってないよ?」

魔王「は?」

姫「え?」



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 01:29:02.83 ID:gnLBlFkHO
魔王「いや、お前が首を傾げるのはおかしいだろ。じゃあお前本当に一人で来たのか?」

姫「うん」

魔王「ここに来るまで魔物がたくさんいただろ」

姫「私魔法学校首席だし。多少の魔物は私の魔法で眠ってくれたよ」

魔王「こんな小娘一人に我が子供達は何をやっているんだ……」

姫「え!?あれ全部魔王様の子供なの!?元気だね!」

魔王「そんなわけあるか」

姫「え!?違うの!?」

魔王「我が子同然のように民を愛す。これが王のあるべき姿だ」

姫「それはスンバラシイ!素敵だね!」

魔王「……ああ面倒くさい雌餓鬼だ。それで話は何なんだ。手短にしろよ。俺は疲れているんだ」

姫「あ、そうそう!えーっとね……」

魔王「……」


4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 01:30:25.13 ID:gnLBlFkHO
姫「私達の人間の国と和解してほしいの」

魔王「断る」

姫「……」

魔王「……」

姫「一応聞くけど、どうして?」

魔王「どうしてもこうしても、我々魔界と人間界は敵対するものだと最初から決まっているからだ」

姫「どうして?和解しようと思えば……」

魔王「力を持つ者は力を持たない者を支配する。これはお前らの国にもあることだろう」

姫「……奴隷制度のこと? そんなものとっくになくなったよ!」

魔王「別に奴隷制度の事を言った訳ではないが……まぁいい。それを例にしよう。奴隷制度そのものはなくなったかもしれないな。だがな、それでも弱い者を虐める強い者が消えたとは言えないだろう?」

姫「か……かもね」


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 01:31:51.46 ID:gnLBlFkHO
魔王「そして、何より、我が国もお前の国も、当然のように支配者はいるわけだ」

姫「支配という言葉は気にくわないけど、王様……私の父ね。そしてあなた」

魔王「力を持つ者は同等に力を持つ者を許せない。最上に君臨していた自分なのに、そんな奴がもう一人いるなんて許せない。よくある感情だろう?醜い嫉妬、劣等感。なぁ?」

姫「……私の父はそんな人じゃないよ!優しくて、みんなの意見も取り入れて……支配なんて……!」

魔王「それならもっと質が悪い」

姫「……?」


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 01:33:01.30 ID:gnLBlFkHO
魔王「優しい生き物は弱い。特に他人の言うことを聞いて、それに多少の自分の意見も混ぜるような奴はな。自分に自信があり他人に優しくするようなら、それは強い生き物だが」

姫「どう違うの……?」

魔王「本当の強さを持つ者は自分の意見を信じ、反映させる。ああ、だからといって自分の好き勝手で決めるということではないぞ?よく民を見、民を信じ、己を信じるのだ。だから毎日俺は民と話す。そして自分で考え、自分で意見をくだすのだ。お前の親父殿は、民と話すか?」

姫「……」

魔王「高く厚いお城に守られて、ただ側近やお偉方の言うことを反映させているんじゃないか? 言うことを聞けば、とりあえず避難されることはないだろうと」

姫「っ……」

魔王「自分を守りたい者は総じて弱虫だ。そんな奴が、自分と同じ位の者と和解したがるかな?」

姫「父は……そうね、父は和解を反対したわ……」

魔王「だろうな。いつかは俺に支配されて地位を奪われてしまうのではないかと考えるんだろうな」

姫「……」

魔王(震えている……泣いているのか。強く言い過ぎたか? いや、このぐらいがいいんだ)

姫「……すっ……」
魔王「?……す?」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 01:34:47.97 ID:gnLBlFkHO
姫「すっっごいねえええっ魔王ァアア!!」

魔王「……」キーン

姫「もう私!本当に魔王様と和解したくなったよぉ!」ギュッ

魔王「人の話を聞け。それから抱きつくな」ぐいっ

姫「ああん! もう恥ずかしがりやさんなんだから~」

魔王「おいこいつどうにかしろよ」

姫「私、魔王様に惚れちゃった……!」

魔王「ああ……っはぁ!?」

姫「やだ、驚いた顔もス・テ・キ」

魔王「頭大丈夫か?医者を呼ぶか?本当に心配になってきたんだが」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 01:36:42.93 ID:gnLBlFkHO
姫「とりあえず」キリッ

魔王「いきなりマジになるな。驚く」

姫「今の時点で和解は無理ってことは分かったわ」

魔王「そうか。分かってくれたか、じゃあそろそろお引き取り願……おい、何だその荷物は」

姫「今日から私はあなたと一緒に暮らします!ふふふ、よろしくね」

魔王「殺していいかな、いいよな」


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2010/10/11(月) 01:36:46.20 ID:D3U4CBv3O
読んでるよ
頑張って


10 名前:>>9ありがとう でも ストックがもうない[]投稿日:2010/10/11(月) 01:45:08.18 ID:gnLBlFkHO
―――…


(っ……ひっく……お兄さま、お兄さま、お父さまが……)

(泣くな弟よ、私も戦いに参る。もし私が死んだときは、そなたが王だ。一国を護るのだぞ。お前もお父様のような素晴らしい王となるのだ)

(お兄さま、行かないで! 僕はお父さまにはなれないよ!お兄さまぁああ)



―――……


側近「魔王様、魔王様」

魔王「……む、う?」

側近「酷い汗ですよ。それにうなされていました。大丈夫ですか?」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 01:49:56.22 ID:gnLBlFkHO
魔王「ああ、くそ……昔の夢を見ていただけだ……。しばらく、見ていなかったのだがな……」

側近「……先代魔王様と、お兄様の夢ですね」

魔王「ああ。こんな夢、本当に何十年ぶりだろうな……それもこれも――…」

姫「おはよう!魔王様ぁ!」バターン!!

魔王「あの女のせいだということは間違いないな」

側近「おやおや」クスクス

魔王「何がおかしい」

側近「あ、いえ」

姫「魔王様、ご機嫌麗しゅう」すりすり

魔王「ああ、相変わらずお前の頭は空っぽそうだな」

姫「……あら、私頭は悪くないですよ。魔法学校では」

魔王「首席か?そんなもん、戦う時以外役にたたん。そういう頭の良さと、俺の言う頭の良さは違う」


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 01:52:49.99 ID:gnLBlFkHO
姫「……そうですね。確かに、私は頭が悪いかもしれない」

魔王「?素直だな」

姫「殿方は素直な女の子がお好きでしょ?」

魔王「美人ならな」

姫「もう……それより、魔王様」

魔王「あん?」

姫「今日こそ我が国との和解、考えてくれる?」

魔王「だから断る。そもそも、お前のとこの王も反対なのだろうが」

姫「……お父様は、姫に甘いから。姫がお願いしたらきっと……」

魔王「……?どうした?」

姫「ううん!何でもない! 魔王様、今から何するの?」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 01:54:13.00 ID:gnLBlFkHO
魔王「……とりあえず着替えるから」

姫「まぁ、じゃあ姫が脱がせてさしあげますね!」

魔王「出てけと言うつもりだったんだが、面倒くさいから魔法で追い出す」ヒュイッ

バタンッ

姫「あん、もう鬼畜ぅ……」
姫「……」
姫「ヤバイな、本気で好きになってきてるかもしれない」

側近「姫を追い出さないのですか?本当に邪魔なら転移魔法で或国に飛ばせるでしょうに」

魔王「ああ?……フン。あいつをここに置いておくのはただの気まぐれだ。飽きたら飛ばすさ」

側近「そうですか」

魔王「調べたいこともあるしな……」ボソッ


24 名前:書きためたとこまで[]投稿日:2010/10/11(月) 03:42:47.92 ID:gnLBlFkHO
姫「側近さん」

側近「はい?」

姫「魔王様は?」

側近「貴女に教える必要はないと魔王様は仰られました」

姫「そっか……そうですよね。仕方ない…自分で探します」
側近「……」
側近「……この時間帯は大抵低級の魔物のふりして民と話をしていますね」

姫「っ! 側近さん…良い人!!」

側近「ふふ、魔王様には内緒ですよ?」

姫「うん!うん!」

側近「あと魔物に殺されてミンチにされて喰われても責任はとりませんよ」

姫「は、はぁ~い」
姫(ちょっと怖いなぁ……この人)




25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 03:43:39.31 ID:gnLBlFkHO

――…

魔王(ふむ、先日より治安がよくなったように感じるな。やはり誰からか意見を聞くより、自分で見て回るのが一番だ)

魔王(……父もそんな人だった、な)

魔王(くそ、夢を……しかもあんな古い夢を引きずるなんて……らしくない)


姫『魔王様』

魔王(あいつ……人間と住むのが良くないのか。ならば人間を全て滅ぼすべきか)

魔王(いいや、無駄な殺生はしたくない。だが和解もしたくない。いつ何時魔物に襲われるか、国を滅ぼされるか、精々怖がるがいい。これが俺のできる、復讐だ)

魔物(フン……情けないな)


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 03:45:15.35 ID:gnLBlFkHO
姫「まっおー様ぁ!こんなところで会うなんて運命ね!」

魔王「……何故いる」

姫「だ・か・ら運命☆」

魔王「すごく殺したくなってきた。無駄な殺生は嫌なはずだったんだがな」

姫「やだもう過激……っ痛い痛い!」

魔王「それ以上くだらないこと言ったら殺す」

姫「ひゃい……」


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 03:47:40.55 ID:gnLBlFkHO
姫「しかし魔王様、本当に民の話を聞いてるんですね!」

魔王「ああ。見回ることで現状も把握できるからな」

姫「魔王様……嬉しそう」

魔王「……そう見えるか?」

姫「民の笑顔を見て優しそうな顔してるもの」

魔王「うかつ……」

姫「えー! 可愛いよー!」

魔王「うるさい、馬鹿」

姫「あ、デレた?」

魔王「デ……?」


姫「あーもう!魔王様素敵!惚れた!」

魔王「お前はそればっかだな」くすくす

姫(笑った……!)


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 03:49:43.38 ID:gnLBlFkHO

――…

魔王(結局今日は何も調べられなかったな。一日中あの女がべったりだ)

魔王(そしてついペースに乗せられてしまってるし……いかんな)


姫「魔王様ぁ、一緒にお風呂入りましょう!」


魔王「お断りだ。マセ餓鬼が」

姫「ちぇー」


魔王「たくっ」

側近「ふふふ」にやにや

魔王「何だ」

側近「いいえ?」


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 03:50:18.51 ID:/P1fFvNf0
この魔王って人間と外見の差はどのぐらい?


30 名前:>>29 見た目は青年設定です ありがちで申し訳ない[]投稿日:2010/10/11(月) 03:51:47.67 ID:gnLBlFkHO

――…


側近「おはようございます。魔王様」

魔王「ああ、今日は……あいついないんだな」

側近「気になります?」

魔王「まさか」

側近「……」

魔王「……」

側近「朝早くからお出掛けになりました」

魔王「そうか」

側近「はい」

魔王「……」

側近「……」

魔王「あれでも一国の姫だ。魔物に殺されたら厄介だからな」スタッ

側近「いってらっしゃいませ」にやにや



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 03:53:19.23 ID:gnLBlFkHO

――…

魔王(いないな……どこ行ったんだ? まさか本当に喰われちゃいないだろうな? ん?)

ガヤガヤ

魔王(? 騒がしいな?何かもめ事か?)

魔王「行ってみるか」


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 03:54:53.17 ID:gnLBlFkHO

――…

魔王(あれは……)

姫「……」

魔物1「人間がァッ何しに来たァアアッ」

魔物2「殺されたいのかァア?」

姫「……そんなわけないでしょ?」

魔王(……姫?いつもと様子が……)

姫「私はここを通りたいだけなの。通してくれる?」

魔物1「ばっかじゃねぇの!?お前は俺らにまわされて殺されて喰われるんだよぉ!」

魔物2「その透き通るような白い肌の下はたいそう美味い内臓がつまってるんだろぉ!?」

姫「ふーん。あくまでも通してくれないんだ。……そういう子にはお仕置きしないとね」カチャ

魔王(刀? ……ッ!? あの装飾……し、しかし、あれを持つのは……)

姫「はぁあああああ!」

魔王(勇者、だけなはず――…)


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 03:56:13.72 ID:gnLBlFkHO
>>32
すみません、カギカッコ前全部魔王で変換してください


35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 03:58:29.53 ID:gnLBlFkHO
>>33
これも魔物1、2以外の魔物は魔王です
すみません

そして書きためがまた底をつきました
ちょくちょく書きためて今日の夕方にでも投下します
スレ落ちたら立てなおします
おやすみなさい



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 20:27:45.46 ID:gnLBlFkHO
――…

姫「あーあ、血まみれだ。まぁ魔物達の腕一本切っただけだし、再生するよね」
姫「ドレスも……真っ赤…ピンクだったのに……怒られちゃうかな」

姫「はは……そんなことないか、彼女はたくさんドレス持ってるし…」

姫「何言っても、甘やかされる、愛される」

姫「はは……」

姫「……く、ぅ」

姫「泣いちゃ、ダメだ」ごしごし


ガサッ

姫「……?」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 20:32:25.60 ID:gnLBlFkHO
魔王「調べるまでもなかったな」バッ

姫「……!?ま、魔王様!?」

魔王「……貴様、本当は姫なんかじゃないな?」ガチャ

姫「っや、やだぁ……そんな怖い顔しちゃって……け、剣っ……し、しまってよ」

魔王「アホか? お前、誰を前にしてそんなこと言っている?」チャキッ

姫「っ……」ガタガタ

魔王「今一度聞く、貴様、何者だ?」

姫「或、国の、姫……ッあ、あッ」ツーッ

魔王「首から流れる血は赤いな。はは、人間であることは確かだ」

姫「ふ、ふふ」

魔王「笑うな。殺すぞ」

姫「ひっ……!」



82 名前:容姿の質問にはなるべく答えないほうがいいみたいですね[]投稿日:2010/10/11(月) 20:36:32.97 ID:gnLBlFkHO
姫「あぅ、私、本当に、姫、なんだよ」ガタガタ

魔王「それはないな」

姫「……?」

魔王「その刀は、王族が、姫であるお前が持つはずないんだよ」

姫「ッ……」

魔王「その刀は、代々王族から勇者に与えられる刀だ。使っていいのはただ一人、勇者のみ」

姫「どうして、それを」

魔王「……その刀には、俺の父と兄の目が固めて埋め込まれている」

姫「!?」

魔王「それは、この世で一つのみの刀なんだ……魔王を倒した…勇者の証…ッ」

魔王「それをお前が持つということは……お前は……」


84 名前:さるったら困るから4分にしてるけど、そういうなら[]投稿日:2010/10/11(月) 20:42:36.04 ID:gnLBlFkHO
姫「……ごめん……なさい」

魔王「謝るのはあの世で、でいい」

姫「き、聞いて!お願いだから!」

魔王「嫌だと言ったら?」

姫「わ、私、勇者だけど、嘘はついていないよ!」

魔王「……」

姫「私本当に、王の娘ではあるの……!でも、正妻の子じゃないだけなのっ…!だから本当の姫ではないけれど……」

魔王「例え正妻の娘でなかろうと、王族の娘が勇者になるわけないだろう」

姫「……」

姫「私は、生まれてきてはいけない子だったから……」

魔王「……」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 20:45:00.88 ID:gnLBlFkHO
姫「私の母親は、先代勇者の娘。父はそのときの勇者が活躍していた時の王の息子。つまり今の王ね」

魔王「勇者の娘……? だがそれは禁じられているはずだろう?」

姫「……勇者の娘は身籠ってはいけない。勇者が子種を捧げ、勇者を作り、その勇者がまた子種を捧げる。しかし勇者の血を受け継いだ娘は、血を増やしてはならない。その子供は再び女で、魔女になるからだ。魔女は災厄を産む。血を増やしてはいけない」

姫「その魔女……と呼ばれるものが、私なのね。生憎、母方の祖父…先代勇者は母を作ってすぐ死んだわ。母は祖父から禁産伝承を聞かなかったらしい。母は父と出会い、恋をし、子を産んだ」


87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 20:46:28.19 ID:gnLBlFkHO
魔王「……王が、その伝承を知らないはずはないが?」

姫「うん、父は知っていて子を産ませたの。勇者の跡継ぎがいない今、魔女ならば魔王に対抗できるかもしれないと」

魔王「……馬鹿な…!」

姫「そうね、馬鹿だわ。でも父は優しくしてくれた。例え偽りの優しさだったとしても、小さい頃から魔法が使えた私を気味悪がって遠ざけていた母親より、ずっとマシ」

姫「……でも、姫にはなれなかった。父には正妻の娘がいたもの。それに私は魔女。勇者という名を借りて魔王退治はできるけど、ドレスや宝石で着飾った姫にはなれないの」

魔王「……その剣は?」

姫「貴方を倒すと言って、授かったもの。父が喜んでくれるなら、魔女として、勇者として、貴方を倒そうと思って」

魔王「なら何故殺さなかった。いくらでも機会はあっただろうに」


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 20:49:20.24 ID:gnLBlFkHO
姫「……それは」

魔王「何だ、言え」

姫「……惚れたって、言ったよね。魔王様と一緒に過ごす内に、貴方がどれほど魔界を愛し、民のために働いているか知った。私の父より立派な政治を貴方はしていた。
それに考えてみれば、貴方が魔王になってから、魔物の被害を人間は受けていないって聞くわ。魔王様のおかげだよね?」

魔王「……」

魔王「ハッ、そう言えば俺がほだされるとでも? 愛だの恋だのくだらない」

姫「……うん。でも好きになっちゃったんだよ。だから和解を求めたの」


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 20:52:11.00 ID:gnLBlFkHO
魔王「……」ガチャ

姫「……?魔王様……?」

魔王「帰れ」

姫「……殺さないの?」

魔王「フン、ほだされてやるのさ」

姫「……!」

姫「…優しいね、ますます惚れちゃうな。でも、私は帰れないよ」

魔王「……殺されたいのか?」

姫「……そうなのかもね」

魔王「……」

姫「帰っても、嫌な顔されるだけだもの。父だって、役立たずなんていらないだろうし。それだったら貴方に殺された方がマシ」

姫「結局私は誰からも疎まれる存在なんだよね」

姫「ただの女なのに……」

魔王「……」


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 20:53:10.16 ID:gnLBlFkHO
魔王「……和解を、」

姫「……?」

魔王「和解をすれば帰ってくれるのか?」

姫「……!どうして…」

魔王「待て、まだするとは言っていない。考えておくだけだ」

姫「……何で、そんな」

魔王「頭の悪い女だな……俺はお前を殺したくないだけだ」

姫「……同情したの?」

魔王「フン、そんな優しさ持ち合わせてない。強いて言えば、やっぱり、ほだされたんだろうな」

姫「……魔王様、だいしゅき」

魔王「殺すぞ」


92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 20:54:18.75 ID:gnLBlFkHO


――…

側近「魔王様、本当に和解するおつもりで?」

魔王「無理だろうな」

側近「では、あの子を騙すのですか?」

魔王「俺は魔王だぞ?それくらいやるだろ。だいたい、最初に騙していたのはあっちだし、俺は考えておくだけと言った。嘘はついていない」

側近「はぁ……ですが、それが彼女に通じますかね」

魔王「側近、お前は頭がいい。分かっているだろう。俺は確かに、過去に囚われて人間を憎んでいる。和解しないのもそのためだ。だが、それだけの理由ではない」

側近「和解したところで、本当の意味の和解はできないでしょうね。人間は魔物を怖がりすぎる。そして魔物は人間をなめすぎる」

魔王「ああ、その通りだ。だから和解はしない。どちらにとってもよくないからな」

107 名前:また途中まで投下[]投稿日:2010/10/11(月) 22:09:44.93 ID:gnLBlFkHO
側近「では、あの娘はどうするのです?」

魔王「ほとぼりがさめたら国に返すさ」

側近「いっそ、めとってはいかかです? お似合いだと思いますよ」

魔王「アホか。俺は人間に興味はない……しっ」

側近「……?」

魔王「扉よ……」

バタンッ

姫「……きゃっ」ドサッ

側近「おや……」

姫「あ……っ!」


108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 22:11:03.79 ID:gnLBlFkHO
魔王「……これはこれは、姫様は盗み聞きが趣味かな?」

姫「……っ酷い」キッ

魔王「うむ?」

姫「う、嘘つき……和解なんかしてくれないじゃない!」

魔物「んん?嘘はついていないだろう?俺は"考えておく"と言っただけだ」

姫「ぐっ……そ、んなの」じわ



110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 22:15:00.20 ID:gnLBlFkHO
魔王「……」

姫「私は、嬉しかったのに……!」

姫「魔王が、私に……っ死んで欲しくないって言ってくれて……嬉しかったのに……!」

姫「私、魔王様を殺したくないからっ…でも殺さなければ国にも帰れないから…だから……」

魔王(……)イラッ

姫「和解すれば平和になるじゃない!誰も苦しまないで済むじゃない!貴方は何が不満なの…っ!?」

魔王(……ああ、似ているな)

魔王「……全く、姫君は魔女と呼ばれる身でありながら、その心は誠に人間らしくあられる」

姫「何……?」


111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 22:16:13.59 ID:gnLBlFkHO
魔王「エゴの塊だ。吐き気がする」

側近「魔王様……!」

魔王「聞いていたはずだろう? 和解をすることで、悪い方に向かうことだってあるんだ。それに俺は最初から和解を望んじゃいない。お前の国もな。我々は憎みあっているんだから、当然だ」

姫「……っ」

魔王「それがくだらない情にほだされて……。仮にも勇者として、命を捨てる覚悟で出てきたのだろう? お前の国が、和解を望まない限り、お前のその行為は国を裏切っているようなもんだぞ」

姫「……!」

魔王「やはりお前は目障りだ。さっさと国にー…」

バチンッ

魔王「っく……」


112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/11(月) 22:17:48.81 ID:gnLBlFkHO
姫「い、…言わせておけばッ……!貴方に何が分かるの!? 私は今まで父のため、国のために色々考えてきた! 和解が最良の選択だと思ったの! 戦って、たくさんの命を亡くすより、よっぽど……私や貴方だって幸せに……」

魔王「……だからそれをエゴと言うんだよ」

ぐいっ ドンッ

姫「か、はッ……!」

魔王「お前が言ったんだぞ? 俺が魔王になって、魔物は人間に手を出さなくなったと。ならばこの状況に甘んじればいい。俺の生きる間は、人間と魔物のどちらも命を落とすことはないだろう。これは幸せじゃないのか?」

姫「げほっ…げほっ…」


143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 12:29:19.11 ID:MhCIIs0CO
魔王「なぁお前、俺に何を求めているんだ?確かに俺の見てくれは人間のようだが、中身は魔物だぞ?」ぐいっ

姫「っ痛……!」

魔王「俺は魔王にしては若いし、何百年とは生きていないが、それでも人間が生きられる年齢ではない」

魔王「人間なら人間らしく、人間を好きになれよ」

側近「魔王様……もう、そこまでにしてあげてください」

魔王「……」


144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 12:31:06.58 ID:MhCIIs0CO
姫「っ……うっ、うぅっ……く…」

魔王「……殴ったのは悪かった」ドサッ

姫「っ……」

魔王「帰ってくれ。俺はもう人間を見たくない。このままではお前を殺してしまうかもしれない」

姫「……」

姫「……」ふら……

バタン


145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 12:32:04.24 ID:MhCIIs0CO
側近「…魔王様、らしくないですよ。あのようなこと」

魔王「そうか」

魔王「……そうかもな」

側近「魔王様……?」

魔王「なぁ、側近。お前、先代の魔王のこと、そしてあの戦争を覚えているか?」

側近「……ええ。忘れるわけありません」

魔王「先代の魔王、俺の父は魔王のくせに平和好きで、人間が好きで、自ら人間に和解を求めに行った」

側近「次期魔王になる兄君もご一緒でしたね」


146 名前:書きためてきます[]投稿日:2010/10/12(火) 12:33:39.51 ID:MhCIIs0CO
魔王「俺はその時まだ魔物としては小さくて弱くて、一緒には連れて行ってもらえなかった」


魔王「人間の王……あの姫の祖父はその当時、王にしては珍しく若かった。多分その時の俺とそう離れていなかっただろうな」

魔王「若さというものは時に恐ろしいものだ。力も知識もあるあの若い王は、あろうことか、あの魔王を騙した」

160 名前:とりあえず書きため分投下しますが、もし何かと被ってるようならやめます。申し訳ないので[]投稿日:2010/10/12(火) 17:21:21.25 ID:MhCIIs0CO


ーーー…

父「喜べ小さき息子よ!人間との和解に成功した!」

魔王「本当!? おめでとうおとうさま!!おにいさま!」

兄「ああ、これで本当の平和が訪れるのだ」

家来1「魔王様、おめでとうございます」
父「君たちもよく我々の力になってくれた。君たち人間の力がなければこの和解には成功できなかっただろう。礼を言うよ。ありがとう」

家来2「そんな!我々は何もしていません!全ては魔王様のお力ですよ!」

家来大勢「その通りです!」

父「みんな……よぉし、今日は宴会だ! 魔界中の者を集めよ!宴の準備をしろ!」




161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 17:22:42.16 ID:MhCIIs0CO


ーーー……

魔王「俺も父の影響で人間が大好きだった。周りの家来も俺とよく遊んでくれたし、人間とは優しい生き物なんだと思っていた。あの頃は本当に楽しかった」

魔王「……魔物と人間が和解し、これで平和が訪れると思っていた」

魔王「だが、人間はそうは思っていなかったんだよな。和解なんてできるわけないと」

魔王「食事を囲むように城の外に集められた魔物達。その中には家来以外の人間も何人かいた。和解した後だから不思議には思わなかった」

魔物「まさかそれが、王が寄越した勇者一行だったとはな」





162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 17:24:35.28 ID:MhCIIs0CO


ーーー…

勇者「酒を飲んで、酔っぱらっている今がチャンスだ」

魔法使「魔王を殺して、魔物を殲滅することが私達の平和よ!」


勇者「さぁ!行くぞ皆!」


ワアアアアア!!





163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 17:27:05.21 ID:MhCIIs0CO
魔物A「グァアアアアッ!?」

子魔「痛いっ痛いよぉおおっおかぁああさん」

ワアアアアア!!
ギャアアアアア!!

父「な、何が起きているんだ!?」

父「!? あれは勇者達ではないかっ……な、何故攻撃をしてくる? 和解したはずだぞっ……!」

勇者「和解なんてするわけがないだろう!! 俺はお前を倒して国に平和を与えるんだ! 死ねぇええ魔王ぅうう!!」ザシュッ

父「ゥグッ……!!」

魔王「おとうさま!?」

兄「そんな……裏切りだと……ッ」

父「う……ううっ……げほっ…」

魔王「おとうさまっ おとうさまぁああ」

兄「くそっ……!人間め…!」




164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 17:29:22.68 ID:MhCIIs0CO
兄「……弟よ!お前はこちらに来るのだ……!」

魔王「うっううっ……!おとうさまっ…!」


【城内】


家来達「あ、兄君に弟君! よくぞご無事で……!」

兄「ああ。すまないが、私は戦いに行かなくてはならない……魔物達を、我が息子達を守らねば……」

家来「む、無茶です! あちらが武器を持ち軍を率いているのに対してこちらは何も用意していない!」

兄「それでも……みんなを守らねばならぬのだ!」

兄「家来達、頼みがある。弟を、守ってくれないか……」

魔王「お、おにいさま!?」

兄「父上は今血まみれになりながら戦っている。そして私も命をかける。もし私が死んでしまったときは、お前が魔王になるのだ」

魔王「い、嫌だよっ!! 僕には無理だよぉ!みんなが命をかけて戦うなら、僕も一緒に……一緒に行かせてよ!!」




165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 17:30:30.15 ID:MhCIIs0CO
兄「駄目だ! お前は、私と父の誇りだ。どうか今度は、間違いのない平和を作ってくれ……」

魔王「で、できないよぉっ おとうさまやおにいさまがいなければ、僕には何もできないよ!! おとうさまやおにいさまが作れなかった平和が、僕に作れるわけないよ!」

兄「弟よ、我が儘を言って私を困らせないでくれ……お前ならできる。できるから……」

兄「家来は人間だから、家来に守られれば、きっとあいつらも手出しはできないだろう。頼んだぞ……」

家来1「う…うっうう……どうして…こんな……」

家来2「分かりました!我々の命に代えても、弟君を……!」

兄「命に代えては駄目だ。お前らも命を大切にしてくれ……では、な」ザッ

魔王「おにいさまぁあああ!!行っちゃやだぁあああ!!おにいさまぁあああ!!」




166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 17:32:09.97 ID:MhCIIs0CO
ーーー…

魔王「兄も父も、殺された。魔物もたくさん死んだ」

側近「はい……」

魔王「それどころか……よりによってあいつらはッ…!」ぶるぶる

側近「魔王様……?」

魔王「よりによってあいつらは、同じ人間である家来達までをも殺したんだ!!」




167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 17:34:11.60 ID:MhCIIs0CO


ーーー…


魔王「ひっく……うっうっ……おにいさまぁ……おとうさまぁ……」

家来1「弟君……」

家来2「外は一体どうなっているのだろうか……大分静かになったが。魔王様や兄君達が戦っている間に、魔物達は逃げることができただろうか?」

家来3「窓から見えるだろうか……?」ぐいっ

家来3「!?」

家来3「うっ……ま、魔王様……兄君……何てことだっ……」ガタガタ…

家来1「おい、どうした!?」

魔王「……何なの?」

家来1「!? これは……弟君!見てはいけません!」


190 名前:あんまり書きためられなかったけど投下[]投稿日:2010/10/12(火) 21:03:42.67 ID:MhCIIs0CO
魔王「な、何するの……やめて、やめてよぉお!!わぁあああおとうさまっおにいさまぁあああ!!」

家来2「酷い……酷すぎる…!」

魔王「うっううっ……!うぐっおええっ!!」ぼたぼた

家来1「弟君……!!」

家来3「無理もない……あんな光景……殺しただけではあきたらず、目をくり貫いて……」

家来1「くそっ……!何が魔王様を殺して平和を得るだ! あれではどちらが悪だかわかったもんじゃない!」

勇者「へえ……言ってくれるじゃねえか」ザッ




191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 21:05:22.54 ID:MhCIIs0CO
家来1「!?……ゆ、勇者……!何故ここにっ」

勇者「決まってんじゃん、そこで吐いている子供、魔王の子だろ? 殺しに来たんだよ」

魔王「……けほっ」

勇者「まだまだ子供に見えるが、危険因子は残さない方がいいからな」ジャキン

家来1「やめろっ!」バッ

勇者「……邪魔するなら容赦なく殺すから」バシュッ

家来1「がっ……!!」ドサッ

魔王「……!?」

家来2「家来1……!!」

家来3「な……!」



193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 21:06:28.44 ID:MhCIIs0CO
勇者「はん、弱いな。一太刀で死ぬなんてな」

魔王「き、……きさま! な、何故きさまと同じ人間を殺す!?」

勇者「人間?だから?魔王の味方についた人間なんか人間じゃねえよ。俺らにとっちゃ危険な奴だ。魔物と同じだ。ああ、お前らも殺してやるからな」

家来2、3「くそっ…家来1の仇ぃい!」ダッ

勇者「やめとけやめとけ」バッ ドンッ

家来2「っうぐぅっ…!!」バシャッ

家来3「ガァアッ……!!」ドシャッ

魔王「家来……!!」


194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 21:08:13.37 ID:MhCIIs0CO
勇者「だから言ったろ?邪魔するなら殺すって」
魔王「……ない」

勇者「は?」

魔王「……お前こそ、人間じゃない」

勇者「……」ぴくっ

魔王「さいていだ……悪、だ」

勇者「んだと……餓鬼のくせに生意気言ってンじゃ」ビキビキ

魔王「がきじゃない」

勇者「うるせぇっ!!殺してやるよ糞餓鬼がぁあああ!」ダッ

魔王「"魔王"だ」ブワッ

勇者「なっ……ぐぁっ!?」ドガッ


195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 21:09:36.65 ID:MhCIIs0CO
勇者「…がはっ…が、ああっ…!」ビクッビクッ

魔王「……僕は、許さない。お前を、お前の血を。王族を、そしてお前ら人間を」

勇者「げほっ…げほっ…」ヒューッヒューッ

魔王「殺してもやらない。僕は殺生は嫌いだし、何より死んだらそれで終わりだ。お前は生き続けろ、血を増やせ。七代先まで呪ってやる。僕なりの、やり方で」

勇者「」ヒューッヒューッ

魔王「瀕死だな。痛い?辛い? もっと痛がってよ。ね。お父様も、お兄様も、もっと痛かったんだから。家来達だって」

家来達「」

魔王「……っ」ギリッ


197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 21:10:36.67 ID:MhCIIs0CO
魔王「……そこに、女がいるね?」

魔法使「ひっ……」カタッ

魔王「こいつを連れて帰って。ほっとくと死ぬよ」

魔法使「あ、あ……私は、あなたを……」

魔王「殺す? あはは、できないだろう? こんな小さな子供に、そんなにおびえているくせに?」

魔法使「っ……!」

魔王「早く連れて帰りなよ。殺されたいのか?」


198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 21:11:28.47 ID:MhCIIs0CO
魔法使「………」そっ…

勇者「……っ」ヒューッヒューッ ポタッ…ポタッ…

魔法使「う、うあ……あ、ああ」ガタガタ

魔王「……面倒くさい奴らだ。いいよ。転移魔法で送ってやる。動くなよ。動くとミンチになるからな」ブワッ

勇者、魔法使「っ……!」パァアアア ヒュンッ

魔王「……」




199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 21:12:19.29 ID:MhCIIs0CO
……。


魔王「静かだ……誰もいなくなっちゃった……僕一人だ……」

魔王「……僕一人」

魔王「……う、」

魔王「うっ、くぅっ…う、うわああああああ!!わああああああっ!!」


―――…


212 名前:保守ありがとうございます[]投稿日:2010/10/12(火) 23:25:28.05 ID:MhCIIs0CO


―――…

魔王「そして、再び魔界と人間界は忌み合う仲になった」

側近「そんなことがあったのですか……」

魔王「ああ、だから俺は今も復讐し続けている。和解しない、ことで」

側近「いっそ、滅ぼしてしまえばよろしいのでは」

魔王「そうも考えたさ。俺の力ならできるだろう。でも、俺の周りには家来のような人間もいたんだ」

側近「そう、ですね」




213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 23:27:21.02 ID:MhCIIs0CO
魔王「……」

魔王「お前は反対か? こんな魔王。やはり人間を征服すべきだと思うか?」

側近「どうでしょうね。でも、私も魔界のものもあなたを慕っているのは確かですよ」

魔王「……」

側近「あなたが人間を征服しようが、和解しようが、きっと魔界の者達はあなたについていきます」

側近「だって、私達はあの戦争で、あなたに命を助けられたのですから」

側近「あなたが勇者を追い払わなければ、私達は根絶やしにされていました。だからこそ人間を恨む者は多いですが、それ以上にあなたを崇拝しているのです」

魔王「まるで宗教だな」クスクス

側近「ふふ、否定はできませんね」




214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 23:28:53.24 ID:MhCIIs0CO
魔王「嬉しい言葉をありがとな。だがな、俺は……俺は俺が嫌いだ」

側近「……」

魔王「散々あの姫にエゴだの何だの言ってきた。あいつを見ているとな、苛々するんだよ」

側近「勇者の孫だから、ですか?」

魔王「それは……違うな。そりゃ勇者への憎しみは強い。今だって思い出しただけで腸煮えくりかえる思いだ。だがもう勇者の血を受け継ぐ勇者はいない。あいつは勇者じゃない。魔女だの何だの言ったって、ただの人間だ」


215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 23:32:02.99 ID:MhCIIs0CO
側近「ではどうして」

魔王「……ただの、八つ当たりだ。あいつを見ているとな、弱い自分がいることを嫌でも理解させられるんだ」

側近「魔王様が弱い?」

魔王「弱いさ。復讐のためと言っていたって、結局俺は和解を怖がっているに過ぎないんだ」

魔王「また誰かが死ぬのが怖い。俺が誰かを殺してしまうのが怖い。憎しみに心を侵されるのは嫌だ、とな」

魔王「復讐のためだと銘打って、俺は自分を守っている。そんなことない、違うんだって思いたくても、否定できない」

魔王「結局俺が一番弱いんだ。だからこのままの状態に自分こそが甘んじている。そしてこの俺の考えこそ、エゴそのものだ」




216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 23:33:36.64 ID:MhCIIs0CO
側近「……魔王様。ですがそれは……」

魔王「いいんだ。弱虫だろうが何だろうが。もう姫もいなくなったし、新しく勇者を作るには時間がかかる。勇者なんて、王や魔王以上になりたくない仕事だからな」

魔王「またしばらくは、このままの状態でいられるんだ」

側近「私はあなたに従うだけです。おそばにおります」

魔王「側近……」

側近「魔王様……」ぎゅっ

魔王「……ありがたいが、他の家来に見られたら誤解されそうだからやめてくれ」

側近「すみません、自分でもちょっと気持ち悪かったです」




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[ 2012/02/19 12:39 ] 勇者「」or魔王「」 | TB(0) | CM(0)
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