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王子「見えないです!」2/2



王子「見えないです!」


王子「見えないです!」



53 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/09(水) 21:34:01.85 ID:umsBRQBoo

王子「ん……ううん……はっ!?」ガバッ

魔王「おっ? 起きたか?」

王子「え~と? 何してたんでしたっけ?」

魔王「忘れたのか?」

王子「……覚えてます」

魔王「よかったぁ」ニコッ

王子「あっ」ドキッ

魔王「折角のプレゼントを忘れられちゃ困るっての」

王子「そ、そうですね。ありがとうございます」ドキドキ

魔王「気にすんなって」

王子「いえ、本当にありがとうございます」

魔王「あははは。しつこい奴だなぁ」



元スレ
王子「見えないです!」
SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPService




54 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/09(水) 21:38:14.14 ID:umsBRQBoo

王子「そう言えば魔王としての仕事は大丈夫なのですか?」

魔王「ん? ああ、あれね。それは大丈夫だ。何かあれば携帯に連絡するよう言ってあるしな。あとパソコンは持ってきたから、スカイプで会議に参加したり、色々できるからな」

王子「そんなのでいいのですか?」

魔王「いいんだよ。基本的なことは秘書に任せてるし、副魔王もちゃんと動いてくれてるからな。というか元々私にはそんなに仕事を回してくれなかったからな」

王子「へぇ、そうなんですか」

魔王「そっ。だから今回のこの話もみんな自分のことの様に喜んでくれたよ」

王子「慕われてるんですね」

魔王「そういう器じゃないんだがな。まあ嬉しかったかな」

王子「ふふ」

魔王「なんだよ、気持ち悪いな」

王子「ひどい!」

魔王「うるさい」

王子「うえ~ん」

魔王「……本当に21歳になったのか?」



55 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/09(水) 21:42:33.53 ID:umsBRQBoo

あはは
やだー

魔王「ん? なんだか騒がしいな。ん? あそこにいるのは……」

王子「そんなことないですよ」

メイド「王子様ってば! う・そ・つ・き」ツンツン

あはは
うふふ

魔王「……なんだ、ポチとメイドか」

うふふ
おほほ

魔王「……」

王子「あっ! 魔王さん!」

魔王「……」ゴゴゴ

王子「ま、魔王さん?」

メイド「……そ、それでは私は仕事がありますので、失礼します」スタコラサッサ

魔王「……」ゴゴゴ

王子「えーっと……」

魔王「……うわきものー!」パーンチ

王子「ぶへらっ!」

魔王「うったえてやるーー!」ダダッ

王子「えーーー!?」



56 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/09(水) 21:47:41.81 ID:umsBRQBoo

王子「ちょっと待ってください!」ダダッ

魔王「うるさいっ! こっち来るな!」ダダッ

王子「まてーーー!」ダダダッ

魔王「くっ!」ダダッ

王子「このーーー!」ダダダッ

魔王「……うふふ、つかまえてごらん!」タタッ

王子「!? ……まてまてーーー!」ダダダダダダダダッ

魔王「はやっ!」ダダッ

ガシッ!

王子「はぁはぁ……捕まえましたよ」

魔王「ふ~んだっ!」ツーン

王子「やれやれ……僕が追いかけるのは魔王さんだけですよ」ギュッ

魔王「む~、それはずるいぞ」ギュゥ

王子「勝手に勘違いした罰です」

魔王「これが罰ならもっと勘違いしないとな」

王子「勘違いしてなくても抱きしめますから」

魔王「約束だぞっ!」

王子「はいっ」



57 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/09(水) 21:50:33.80 ID:umsBRQBoo

王妃「まおーちゃん」

魔王「お、王妃様。こんにちは」

王妃「あらあら、そんなに畏まることはないわよ」

魔王「しかし」

王妃「それにまおーちゃんは魔王様なんだから私よりも偉い立場でしょ。だから気にしなくていいわよ」

魔王「はぁ」

王妃「それじゃ、またね」

魔王「はっ?」

スタスタ

魔王「な、なんだったんだ?」



58 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/09(水) 21:53:27.79 ID:umsBRQBoo

王「おー、まおーちゃんじゃん。やっほー」

魔王「こ、こんにちは」

王「おうおう、何畏まっちゃってんだよ~」

魔王「いえ、別に畏まってるというわけでは」

王「まおーちゃんは魔王様なんだから儂と対等な立場にいるんだろ? だから気にすんなよ。ってか、儂が気にしたくないんだよな~」

魔王「そ、そうですか」

王「わかればよろしい。それじゃあ、またな」

魔王「えっ?」

スタスタ

魔王「この夫婦は一体……」



59 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/09(水) 21:57:49.24 ID:umsBRQBoo

魔王「あと数日だな」

王子「そうですね、楽しみですね」

魔王「別にやらなくていいと思うんだがな」

王子「そうですか? 僕はやってみたかったんですよね」

魔王「でも色々と面倒だな」

王子「そんなことないですよ! 楽しいじゃないですか!」

魔王「なんだか、お前の方が女らしいぞ」

王子「そんなことないですよ! 悔しいじゃないですか!」

魔王「語呂を合わせるな。それにしても何がいいのかねぇ、結婚式なんて」

王子「楽しみです!」ルンルン

魔王「気色悪い」

王子「ひどい!」



60 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/09(水) 22:02:31.10 ID:umsBRQBoo

王子「やっと籍が入れられましたね」

魔王「そうだな」

王子「それにしても誰も反対しなかったですね」

魔王「しかも、私がお前を攫ったのはかけおちってことになってたしな」

王子「あれには僕も驚きました」

魔王「さらに、かけおちのところに何人もの勇者を送り込んですまなかったとか謝られたし」

王子「謝る必要はないんですけどね」

魔王「本当はこっちが謝らないといけないのにな」

王子「まあ、いいんじゃないですか」

魔王「そうか?」

王子「はい」

魔王「しかしこれからが大変だぞ」

王子「そうですね、色々と問題は残ってますからね」

魔王「いやそうじゃなくて、駄目亭主なら即離婚だからな!」

王子「そういうことですか。善処します」ギュッ

魔王「がんばれ」ギュゥ

王子「あはは。任せてください」

魔王「ふふっ」



61 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/09(水) 22:04:54.11 ID:umsBRQBoo

ぴるぴる~♪

王子「魔王さん、携帯が鳴ってますよ」

魔王「おう、ちょっと取ってくれ」

王子「はい、どうぞ」

魔王「さんきゅ。Hello……お前か……どうした?……なんだって!?……なっ!?……わかった、すぐ行く!」ピッ

王子「魔王さん? どうかしたんですか?」

魔王「秘書からの連絡だったんだが、今魔王城が攻められてるとのことだ。しかも相手はかなりの強敵のようだ」

王子「えっ!? どうして今になって!?」

魔王「わからん。とにかく私は今すぐ魔王城に戻る。多分結婚式の日までに戻って来られないと思う。すまん」

王子「待ってください!」

魔王「わがままだということは重々承知しているが、私は何があってもあそこに戻らなきゃいけない。本当にすまない」

王子「そうじゃなくて、僕も一緒に行きますよ」

魔王「はっ? 何を言ってるんだ!?」

王子「だって、僕達はもう夫婦ですよ? 夫婦は一緒にいなきゃいけないですから」

魔王「そうは言っても……はぁ~、どうせ説得なんかできないんだろうな」

王子「当然です」

魔王「ほんと、お前って変なところで頑固だよな」

王子「変なところじゃないですよ。魔王さんのことに関してだけですよ」ニコッ

魔王「くさっ! 気色悪いっ!」

王子「ひどい!」

魔王「それじゃさっさと行くぞ」

王子「はい!」



62 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/09(水) 22:07:33.14 ID:umsBRQBoo

ドゴーン
キャー

魔王「こ、これは」

王子「ひどいです!」

秘書「魔王様!」

魔王「秘書か! これはどういうことだ!?」

秘書「実は勇者が攻めてきまして……」

魔王「なっ!?」

王子「それはどういうことですか!?」

秘書「王子様!? どうしてこちらへ!?」

王子「そんなことはどうでもいいんです。勇者が攻めて来たというのは本当ですか?」

秘書「は、はい」

魔王「被害状況は?」

秘書「全員魔王様の部屋へ避難させてあります。現在の被害としては数十名の怪我人のみです」

魔王「そうか」ザッ

秘書「魔王様! どちらへ!?」

魔王「悪い子の教育」

王子「待ってください! 僕も行きます!」

魔王「お前は来るな!」

王子「どうしてですか!?」

魔王「勇者はお前たちの仲間だろう? だから来るな。それよりも怪我人の手当てをしておいてくれ」

王子「そ、そんな。でも魔王さんじゃあの勇者には」

魔王「関係ない! 私の大事な者達が怪我をさせられてるんだ。私が行かなくてどうする」

王子「それなら僕も」

魔王「ポチは大人しくご主人様の帰りを待っておけ」

王子「……わかりました。無事帰ってきてくださいね」

魔王「怪我人を頼んだぞ」ダダッ



63 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/09(水) 22:10:01.31 ID:umsBRQBoo

魔王「勇者!」

勇者「やっと来てくれましたね」

魔王「貴様ここで何をしている!?」

勇者「何って貴女を待っていたのですよ」

魔王「何故だ!? 何故こんなことをして」

勇者「それは私が貴女を許せないからです」

魔王「どういうことだ?」

勇者「貴女は私の大事なものを奪いました」

魔王「大事なもの?」

勇者「貴女のせいであの人は穢れてしまいました」

魔王「貴様、もしや」

勇者「貴女のせいです! だから私は貴女をこの世から抹殺しなければなりません」

魔王「待て! 私は」

勇者「うるさい! 勝手に喋らないでください」

魔王「私の話を聞いてくれ!」

勇者「どうして私の言うとおりにできないのですか? もういいです、死んでください」

ドン

魔王「くっ! 私の話を聞けと言っているだろう!」

勇者「うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!」

ドドドドドド



67 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 20:12:43.64 ID:EuwSFDswo

ぴかー

王子「これでもう大丈夫です。他に怪我をされた方はいらっしゃらないですか?」

秘書「はい、これで全員です。ありがとうございます」

王子「いえ」

スッ

秘書「王子様? どちらへ行かれるのですか?」

王子「魔王さんのところへ」

秘書「し、しかし! 貴方は」

王子「僕は魔王さんの夫です。妻を守るのは夫の務めです」

秘書「王子様……」

王子「それでは行ってきます」

秘書「……お気をつけて」



68 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 20:13:54.70 ID:EuwSFDswo

魔王「くっ!」

勇者「死ね!死ね!死ね!死ね!死ねぇ!!」

ドゴーン

パラパラ

魔王「はぁはぁ……ムカつくくらい強いな」

勇者「しぶといなぁ。これだから黴菌は嫌いだよ」

魔王「勇者! 貴様がやってることは間違ってる! 貴様は」

勇者「うるさい!」

ザシュ

魔王「ぐぅ!」

勇者「もう魔力も残ってないんでしょ? だから……さっさと死ね」

ズバッ!



69 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 20:17:03.96 ID:EuwSFDswo

魔王「!!」

王子「くぅっ! 痛いなぁ」

魔王「ポチ! ど、どうしてここへ!?」

王子「ふぅ。何度も言いいますけど夫婦だからですよ」ニコッ

魔王「そ、そんなことは今はどうだっていいじゃないか!」

王子「そんなことってひどいです! どうでもよくないです! 僕は貴女がいないと辛いんですよ。わかってください」

魔王「ポチ……くさい!」

王子「ひどい!」



70 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 20:20:01.18 ID:EuwSFDswo

勇者「な、なぜ助けた!?」

王子「勇者……何故って、僕の妻を傷つけないでほしいです」

勇者「つ、妻? ……お前は……お前は……」

王子「勇者?」

勇者「お前は偽者だ! 王子の名をかたる偽者だ!!偽者には死あるのみ!」

ドン

王子「なっ!? 何を考えて!?」

ドゴーン!

パラパラ

勇者「はぁはぁ……やった! やったぞ! 偽者を倒したぞ!」

王子「……簡単に殺してもらいたくないですね。貴女がその気でしたら……僕も本気を出しましょう」



71 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 20:22:38.27 ID:EuwSFDswo

魔王「つ、強い。まさかこれほどまでとは……」

ドドーン

王子「勇者の力とはその程度ですか!?」

パッ

勇者「ぐぐっ」

ドドドドン

勇者「がぁ!!」

パラパラ

王子「もうこれで終わりですね」

魔王「余裕じゃん」



72 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 20:26:16.25 ID:EuwSFDswo

バーン

勇者「はぁはぁ、まだです」

王子「勇者、もう止めましょう。このまま続けても貴女が傷つくだけです。それに僕だって女性を傷つけたくはありません」

勇者「……あなたが本物の王子だということは戦ってわかりました」

王子「勇者……」

勇者「あなたはあの女に操られてるだけです、私が救ってみせます」

王子「何を言っているんですか!? 僕は操られてなどいないです!」

勇者「私ではあなたには敵いません。だから……」

王子「っ!! 魔王さん! 逃げてください!!」

魔王「えっ? 何を言って」

ズブッ!



73 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 20:30:18.33 ID:EuwSFDswo

魔王「えっ? か、影が伸びて……」ガフッ

勇者「これであの女は死ぬ。うふふふふふふふふふふふふ」ウフフ

王子「魔王さん!」ダダッ

魔王「ポ、ポチ、影が伸びて私の……ゴフッ」

王子「喋っては駄目です。すぐに回復を」

ぴかー

勇者「うふふ、無駄です。その攻撃は魔法では回復できないですよ。うふふふふふ」

魔王「ポチ、私は……」

王子「すぐ回復しますから! 大丈夫ですから! だから、喋らないでください!」

ぴかかー

魔王「だ、大丈夫だ。お前を残して死にはしない。だから待っていろ」

王子「魔王さん?」

魔王「待っていて……く……」ガクッ

王子「ま……おう……さん?」



74 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 20:35:30.98 ID:EuwSFDswo

王子「ほら、回復してきたでしょ! ねっ?」

ぴかー

王子「傷口も塞がってきました。これでもう大丈夫です」

ぴかー

王子「顔色もよくなってきましたね」

ぴかー

王子「元気になってきましたから、そろそろ僕たちの城に帰りましょう」

ぴかー

勇者「うふふ……ひゃひゃひゃひゃひゃ! これで、これで王子が帰ってくる!!」

バタン

秘書「魔王様!」

王子「秘書さん」

秘書「王子様、魔王様は無事ですか?」

王子「はい」

秘書「それはよかった……で……す?」

王子「ほら、怪我も治りましたよ」

秘書「王子様?」

王子「どうしたのですか?」

秘書「そ、その、魔王様はもう」

王子「どうしたのですか? 傷なら僕の魔法で治しましたよ」

秘書「でも、その胸の傷は……」ウルウル

王子「どうしたのですか? なんの話ですか?」

秘書「魔王様はもう……し、死んでます!」ポロポロ

王子「何を言ってるのですか? 魔王さんと僕は今から城に帰るんですよ」

秘書「王子様! ……うう……魔王様の胸の傷を見てください!」ポロポロ

王子「言ってることがよくわかりません」

秘書「……ぐすっ……ま、魔王様の胸の傷です!」ポロポロ

王子「何もないじゃないですか。何も」

秘書「大きな穴が開いてるじゃないですかぁ!!!」ダー

王子「見えないです! 僕にはそんなの……見えないです!!!」



75 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 20:39:54.36 ID:EuwSFDswo

勇者「王子! もう大丈夫ですよ! 一緒に帰りましょう」

王子「嫌です。僕は魔王さんと帰りますから」

勇者「何を言ってるんですか? その女はもう死にましたよ」

王子「死んでないですよ。そこで元気にしてるじゃないですか」

勇者「……もういいです。あなたももう終わりです。あの女のせいでおかしくなってしまいました」

王子「……」

勇者「あなたはもう手遅れです! 以前のあなたはもういないのです!」

王子「……うるさい」

勇者「えっ? だ、誰に向かってその口をきいてるのですか? 私は勇者です! 誰も私には敵わないのです!」

王子「以前の僕がいないというのでしたら、僕は……私はかわってやる」

勇者「何を言っているのですか? あなたはもういらないのですよ!」

ザシュ!

王子「……」

勇者「うふふふふふふ! 切られてどう思いました? 怖いですか? 怖いですよね」

ザシュッ!ズバッ!

勇者「うふふふふふふ! でも安心してください。あの女のところに送ってあげますよ。うふふふふふふ」

王子「……目障りだ」

ザン!

勇者「うぐっ! な、な……」

王子「お前うるさい。さっさと消えろ」

ザシュ! グチャッ! ベチャッ!

勇者「う……ぐが……」

王子「……勇者というのは心臓をつぶされてもなお生きているものなのか。すごいな」

勇者「あ……あなた……は……だれ……です……か……」フラッ

ドサッ

王子「私が誰かだと? 私は………………」



76 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 20:41:47.12 ID:EuwSFDswo





王子「魔王だ」







77 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 20:45:19.01 ID:EuwSFDswo

秘書「魔王様! また王様から連絡がありましたよ」

王子「またか。いい加減忘れてくれりゃいいのに」

秘書「そういう訳にはいかないでしょう」

王子「はぁ。とにかくあとは頼むわ」

秘書「また私にあの二人の相手をしろと仰るのですか? 王様と王妃様は次から次へと好き勝手に喋るから会話にならないんですよ。あれってかなり疲れるんですよ?」

王子「ははは。がんばれ!」

秘書「ひどい!」



78 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 20:49:15.27 ID:EuwSFDswo

秘書「魔王様? 電気もつけずに何をしてるんですか?」

王子「べっつにぃ」

ポカッ

秘書「いたっ! どうして叩くのですか?」

王子「おいおい、私は叩いてないぞ? それにこれだけ暗かったら私がやったかどうかなんてわからないだろ?」

秘書「それでもこんなことをするのは魔王様しかいないじゃないですか!」

王子「人聞きの悪いこと言うなよ」

秘書「それよりもはやく電気をつけてくださいよ。全然見えないじゃないですか」

王子「私もどこにスイッチがあるかわからないんだよなぁ」

秘書「スイッチの前で嬉しそうに竹刀を振り回してたら、説得力の欠片もありませんよ!」

王子「……お前、実は見えてるだろ?」

秘書「見えないです!」



79 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 20:53:15.58 ID:EuwSFDswo

王子「副魔王、あの件はどうなった?」

副魔王「あん? あの件?」

王子「先週メールした件についてだ」

副魔王「あ~あれな。あれは……うん、あれだ」

王子「……メールを確認していないな?」

副魔王「いや、そんなメールは届いてないぞ?」

王子「……秘書」

秘書「はい、副魔王さんのノートパソコンをお持ちしました」

副魔王「あっ!」

王子「ふむ……このメールだな」

副魔王「……み、見えないな」スタコラサッサ

秘書「あっ! 逃げた!」



80 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 20:57:51.07 ID:EuwSFDswo

副魔王「ふふふ~ん♪」ジュワッ

秘書「……副魔王様?」

副魔王「うぉっ!? な、なんだ、秘書か」

秘書「驚きすぎですよ。それよりも何をなさっているのですか?」

副魔王「ああ、昼飯を作ってるんだよ」

秘書「昼食ですか? それなら先ほど私が作ったものをお持ちしたはずですが……」

副魔王「えっと……そうなのか? それは気づかなかったな」アハハ

秘書「……ここに食べかけがあるのですが?」

副魔王「……」

秘書「……」

副魔王「……これは食べ物じゃねぇだろ」

秘書「えっ?」

副魔王「……」

秘書「……」

副魔王「……ちょっと食べてみ?」スッ

秘書「? 一体なんだというのですか?」パクッ

副魔王「どうだ?」

秘書「……………………うえっ、まずっ!」

副魔王「だろっ? 食えたもんじゃないだろ?」

秘書「ううぅ」シクシク



81 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 21:02:50.71 ID:EuwSFDswo

秘書「ふふふ~ん♪」ジョッワァッ

王子「……秘書?」

秘書「きゃっ!? あっ、魔王様でしたか」

王子「驚きすぎだろ。それより何をしてるんだ?」

秘書「昼食を作っているんですよ」

王子「ほぉ。私の分はあるのか?」

秘書「はい。あと少しでできますので、少々お待ちください」

王子「おう」

副魔王「……何してんだ?」

王子「副魔王か。秘書が昼飯作ってくれてるんだ。お前も食ってけよ」

副魔王「……いや、遠慮するわ」

秘書「できましたよ。あら、副魔王様もご一緒されますか?」

副魔王「俺の分とかないだろうから、遠慮するわ」

秘書「大丈夫です。ちょっと作りすぎてしまったので」

副魔王「……そ、そんな量には見えないな!」スタコラサッサ

秘書「あっ! 逃げた!!」

王子「なんで逃げたんだ?」パクッ

秘書「副魔王様はすぐ逃げるんですから」プンプン

王子「……」

秘書「あっ、魔王様。お味のほうはいかがですか?」

王子「………………うぷっ」オエッ

秘書「……」

王子「そ、そうだ! ちょっと用事があるんだった!」スタコラサッサ

秘書「あっ! 魔王様まで! ……2人とも失礼です! 私だってあれから練習したんですからね! パクッモグモグ ……………………うえっ、まずっ!」



82 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 21:14:49.72 ID:EuwSFDswo

がさごそ

秘書「魔王様? 何をしていらっしゃるのですか?」

王子「ここに面白いものがあってな。それを見てるんだよ」

秘書「面白いものですか?」

王子「ああ、これを見てみろ?」

秘書「これは!?」

王子「お前が子供のころにおねしょして怒られている写真だ」

秘書「なっ!?」

王子「写真の裏には、寝る前に水分を取り過ぎないように気をつけます。って書いてあるな。日付まで書いてあるし」

秘書「な、なんのことかよくわかりませんね」

王子「だが誓いを立てたにもかかわらず、一ヶ月後にまたやっちゃってるな。この写真にも同じように裏には反省文が書いてあるし」

秘書「そんなものありますか? よくわからないですね」

王子「これだこれ。目の前にあるだろ?」ニヤニヤ

秘書「見えないです!」



83 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 21:17:26.58 ID:EuwSFDswo

王子「秘書!」

秘書「はい?」

王子「今日はお前の誕生日らしいな。だからこれをやろう」

秘書「これは……サングラスですか? いいのですか!?」

王子「ああ。普段メガネかけているだろ? だから度入りにしてやったぞ」

秘書「ありがとうございます!」

王子「早速かけてみろよ」

秘書「はい!……って、何も見えないんですけど」

王子「そりゃそうだ。お前のメガネをマジックで黒く塗っただけだからな」ニヤニヤ

秘書「ひどいっ! って、その顔はムカつきます!」ムー

王子「ん? お前見えてるな?」

秘書「見えないです!」



84 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/10(木) 21:21:24.95 ID:EuwSFDswo

秘書「魔王様! 魔王様!!」

副魔王「あれ? 秘書ちゃん? こんなところで何してんの?」

秘書「副魔王様ですか。魔王様を探してるんですよ」

副魔王「あいつならあそこに行ってるよ」

秘書「はぁ、またですか」

副魔王「こらこら、秘書ちゃんがそんなんじゃ駄目だろ。あいつだって頑張ってるんだから」

秘書「わかってますよ! それでも仕事が残ってるんですよ!」

副魔王「少しくらいいいじゃないか。全部があいつの仕事ってわけじゃないんだから」

秘書「それでは副魔王様がこの書類の山を片付けてくださいね?」

副魔王「……」

秘書「この書類の山です」ニコッ

副魔王「そ、そんなもの見えないぞ」スタコラサッサ

秘書「あっ! 逃げるなんて卑怯です!!」



85 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関西地方)[sage]投稿日:2011/11/10(木) 23:14:16.03 ID:z3DZAsJoo
魔王さんが死んだなんて俺は認めないぞー
(つA`)゜゜°。

90 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/11(金) 20:58:03.15 ID:Uh06WUP6o

王子「……」

王子「……」

王子「あれから二年も経ったのか」

王子「長かったような短かったような」

王子「……」

王子「秘書の料理の腕は一向によくならないな」

王子「副魔王がすぐに逃げるのだって変わらないし」

王子「……」

王子「いつになったらあの約束を果たしてくれるのかな?」

王子「……」

王子「魔王さん……私は…………僕はもう……疲れました」

王子「やっぱり僕は貴女がいないとどうにも駄目なようです」

王子「……」グスッ

王子「そ、そうだ! 今日はね、夢を見たんですよ」

王子「夢の中ではね、僕はあの頃みたいに皮袋を被ったままなんですよ」

王子「でもその皮袋を魔王さんが取ってくれるんですよ!」

王子「それで魔王さんが僕に、見えるか? って聞いてくるんですよ」

王子「あれはすっごく嬉しかったです」

王子「……」

王子「だから今日は皮袋を持ってきたんですよ!」アハハ



91 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/11(金) 21:02:43.38 ID:Uh06WUP6o

スポッ

王子「こうやって被ってたら魔王さんがとってくれるんですよね?」

王子「……」

王子「……」

王子「僕は何をしているのでしょうね? 馬鹿ですね。あはは」

王子「……ぐすっ……一体いつになったら目を覚ますのですか?」

王子「……」グスッ

スッ

王子「えっ!?」

魔王「……見えるか?」

王子「……」ポカーン

魔王「……」

王子「……」ポカーン

魔王「あ、あれ?」

王子「……う、うえ~ん!」ダー

魔王「お、おいっ! 泣きすぎだろ!!」

王子「びえばいでず!」

魔王「はっ?」

王子「みえないでず! 涙でまおうざんがびえばいでずぅ」ダー

魔王「……あははははははは!」

王子「なんでわらっでるんでずがぁ!? ……ひぐっ……ぐすっ……」

魔王「遅くなって悪かったな。あの怪我を治すのに手間取っちまってな」

王子「……」

魔王「ポチ? 俯いてどうした?」ノゾキコミー

チュッ

魔王「なっ!? ななななな!? なんばしょっとね!?」

王子「おかえりなさい」ニコッ

魔王「……ただいま」フッ

ギュッ



92 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/11(金) 21:06:19.00 ID:Uh06WUP6o

魔王「ポチ! これおかしくないか?」

王子「綺麗ですよ」

魔王「むっ!? なんだか返事が軽くないか?」

王子「気のせいですよ」

魔王「本当か? こんなヒラヒラのを着るのは初めてだからなぁ」

王子「僕には美しい魔王さんにとても似合っているようにしか見えないですね」

魔王「そうか?」テレテレ

王子「はい」ニコッ

魔王「ポ、ポチも似合ってるぞ」

王子「そうですか?」テレテレ

魔王「照れるな、気色悪い」

王子「ひどいっ!」

魔王「ふふっ、冗談だ。とても格好いいぞ」

メイド「そろそろお時間です」

魔王「よし! ポチ、行くぞ!」

王子「はい!」



93 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/11(金) 21:12:11.22 ID:Uh06WUP6o

リンゴーン
リンゴーン

秘書「遂にこの時が来ましたねっ!」キャッキャッ

副魔王「そんなに嬉しいもんか?」

秘書「当たり前じゃないですか! あの二人がやっと結婚式を挙げられたんですよ!!」

副魔王「別に籍は前から入れてたじゃねぇかよ」

秘書「ああやってドレスを着たりするのがいいんですよ! ほら、二人とも幸せそうにしてるじゃないですか! それに魔王様、とても綺麗です!」ウルウル

副魔王「よくわからんもんだな」

秘書「そんなんだから副魔王様は結婚できないんですよ」ボソッ

副魔王「……」ヒクッ

秘書「ふふっ、引きつったお顔も凛々しいですわ」

副魔王「……」ヒョィ

秘書「ああ! メガネは駄目です! 返してください!」

副魔王「ははは。それは看板だぞ。俺はこっちだ」

秘書「ちょっと! 本当に見えないんですから返してくださいよ!」

副魔王「……俺の為にドレスを着てくれるって誓うなら返してやる」

秘書「えっ? それって…………はい、よろこんで!」

副魔王「どこを見て言ってるんだ? それは案山子だぞ。っていうか、なんでこんなところに案山子があるんだ!?」

秘書「えっ!? こんなにも逞しく凛々しいお方は副魔王様以外にいらっしゃるはずがないというのに……」ナデナデ

副魔王「案山子をそんな眼差しで見つめるな! 優しく撫でるな! お前、見えててわざとやってるだろっ!!!」

秘書「見えないです!」

おわり



94 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)[saga]投稿日:2011/11/11(金) 21:17:52.31 ID:Uh06WUP6o
以上でおしまいです。

本日は4レスしか書かずに終わってしまいました。
ぐだぐだだよ。
書きたそうと思ったけど、無理だった。

レスにより場面が大幅に飛んでいたりで、
わかりにくいところがあったかもしれませんが、
ここまで見てくれた方、ありがとうございます。




95 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県)[]投稿日:2011/11/11(金) 21:31:18.74 ID:bxwRlK6Ro
乙でした。最後でまとまりましたね。

次回作のために少し指摘しておきましょう。

・「見えない」がキーワードになってる序盤がくどいです。もう少し軽くしないと
 続きを読む前に疲れてしまいます。どたばたギャグっぽいつかみからのス
 タートなのでテンポが重要ですね。

・中盤の勇者が来てからの展開は面白いです。テンポもよくて続きが楽しみ
 になります。それもあって序盤の重さが際立ってしまいます。

・後半の王子と魔王が結婚するところもいい感じで進みますが、勇者が魔王
 を倒してから話がねじれすぎ。読者が置いていかれてますね。なんで王子が
 自分を魔王と言うのか意味が分かりません。

・で最後、魔王が復活するシーンが唐突。傷が治癒して再登場はさすがに
 ご都合展開と言われそう。魔王が一旦いなくなる時に何か伏線を入れて
 おく方がいいでしょう

・ラストシーンがモブキャラのやり取りではちょっと萎えます。見えないですと
 言わせるならここはやっぱり王子か魔王でしょうね


まあ要するに「
次も頑張れ」ってことですわ。 




 
98 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)[sage]投稿日:2011/11/12(土) 02:11:01.14 ID:qK3DVA6Eo
>>85の俺が超恥ずかしい






 
100 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)[sage]投稿日:2011/11/12(土) 03:25:09.57 ID:XrGg/LVuo
ひゃくーーーっ!

>>95
ご指摘ありがとうございます。
自分が考えていたことを伝えるのって難しいですね。
今回初挑戦でしたので、勉強になります。
……次のものをかなりの量書いたけど見直さないといけないな。
がんばります!


>>98
いえいえ、うまく書ききれていなかったので……
次はがんばります!

最後まで読んでくださった方、
レスしてくださったみなさん、
ありがとうございました!


101 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[sage]投稿日:2011/11/12(土) 13:04:58.42 ID:6uPrfd0Ao
面白かった



102 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]投稿日:2011/11/13(日) 14:27:29.85 ID:TxuLfwmz0
お疲れ様、ずっと見てたよ<●><●>

王子が魔王を名乗るのは一言あった方が良かったかも。
勇者は人々の希望だから人間は倒してはいけないとか、勇者を倒すのは魔王の役目だとか。
魔王復活やラストのモブのやり取りは、絵本とか物語系の手法を意識した感じかな?
小説ではご都合主義と言われたり、モヤモヤするかもしれないけど絵本や物語なら王道だし。


 
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